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和紙のような風合いと機能性を両立したテキスタイル「Camifu™」を開発 -複合紡糸技術「NANODESIGN®」を駆使-

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2020.11.27

東レ株式会社

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、このたび、和紙のようなぬくもりがありながら、やわらかく、さらっとした心地のよい風合いと合成繊維ならではの機能性を両立したポリエステル長繊維テキスタイル「Camifu™(カミフ)」を開発しました。メンズ・レディス用、アウター向けのカジュアルな中厚地織物やカットソー素材までアイテムを幅広く揃え、国内外のハイエンドゾーンに向けて、ファッションの自由度や可能性を広げるテキスタイルとしてご提案します。2022年春夏シーズン向けからの販売を予定しています。

 「Camifu™」は手すきの和紙が持つぬくもりや質感から着想し、ランダムな凹凸感を発現することで、従来のテキスタイルでは表現しづらかった、ぬくもりがありながら、やわらかく、さらっとした心地のよい触感の実現を目指した素材です。この特徴を実現するため、東レの複合紡糸技術NANODESIGN®を駆使し、成分の異なる3種類のポリマーを精密に配列した扁平C型断面ポリエステル繊維を新しく開発しました。

 今回開発した繊維はNANODESIGN®(ナノデザイン)により、扁平断面の左右に熱収縮性が異なるポリマーを特殊形状で配置し、繊維の中心には溶けやすいポリマーを配置した特殊断面構造を有しています。繊維の左右に配置したポリマーは熱処理を施すことにより、繊維の長手方向に連続的な屈曲を生み、扁平形状の効果と相まって、独特のねじれ構造とストレッチ性を発現します。また、隣り合う繊維でポリマーの配置と形状を変化させることで、単糸毎に異なるねじれ構造が生じ、複雑な空隙を含んだ糸束構造となります。この複雑な糸束構造が、テキスタイルにランダムな凹凸感を発現し、手すき和紙のような触感を実現しました。さらに、テキスタイル表面には、発色性や染色性が異なるポリマーで構成された単糸が、向きを揃えることなくランダムに存在することで、和紙のようにゆらぎのある魅力的な表情を生み出します。
 また、「Camifu」は、構成するポリマーの一部をリサイクルポリマー(フィルム屑再利用)とした環境にも配慮した素材です。
単糸断面
糸束形態
 「Camifu」は、高次加工工程において、単糸のねじれが生み出す糸束の空隙に加え、繊維の中心に配置したポリマーを溶出することで、繊維内部にも中空構造を生むことを可能な設計としました。この中空部分はテキスタイルに軽量感や反発感を生むことに加えて、精密に設計されたスリットにより、機能剤を施した際に繊維の内部に機能剤を保持し、さまざまな機能をテキスタイルに付与することが可能となります。
糸束断面
 After/Withコロナ時代において、ファッションは外観だけではなく、「生活をより良くする」という観点で価値のある商品の重要性が高まっています。もの作りの要素としては、身体(フィジカル)を満足させる機能性の高さと、心(メンタル)を満足させる心地良さやサスティナビリティなどの要素の融合が、これまで以上に不可欠なものになります。
 東レは今後も革新技術・先端材料の提供によって、人々のライフスタイルの多様化に応え、豊かな生活の実現に貢献してまいります。

1.素材名称: Camifu(カミフ)
2.商品特徴: 和紙のようなナチュラルな風合いと機能性の両立
3.技術概要: (1) 複合紡糸技術NANODESIGN®による原糸断面の精密制御とポリマー技術
(2) 扁平断面の左右に熱収縮性が異なるポリマーを特殊形状で配置し、隣り合う繊維でその配置と形状を変化させることで、単糸がさまざまな方向へねじれ構造を発現し、手すきの和紙のようなランダムな凹凸感のある独特な手触り、適度な反発性、ゆらぎのある表情を有する。
(3) 扁平C型断面形状のため、機能剤を中空内部に保持し高機能を実現。
4.発売時期: 2022年春夏シーズンより販売開始
5.販売計画: (1) 数量: 2022年度 20万m、2025年度 50万m
(2) メンズ・レディス用アウター、シャツ、ブラウス、カットソー等
<「Camifu」について>
【ブランドロゴ】  【原糸断面】
ブランドロゴ
原糸断面
原糸断面
【糸束形態】 【糸束断面】
糸束形態
糸束断面
<複合紡糸技術NANODESIGN®について>
 複数の原料樹脂を極めて多数の微細な流れに一旦分割し、この多数の微細な流れを一気に吐出、合流させる複合断面形成技術です。従来技術では到達できなかったレベルで、複合繊維の断面形態を任意に、かつ高精度に設計することが可能となります。

以 上