フィルム研究所

フィルム研究所は1963年(昭和38年)に、当社のフィルム事業の基礎研究分野を担い、基礎技術を強化するために設立され、ベースフィルムおよびフィルム加工製品の研究を行っています。

当社は二軸延伸ポリエステルフィルム ルミラー®を日本で初めて事業化し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム トレファン®とともに世界の高性能・高機能フィルムをリードしてきました。さらに、二軸延伸ポリフェニレンサルファイドフィルム トレリナ®、アラミドフィルム ミクトロン®などの画期的な特性をもつ新素材フィルムを世界に先駆けて開発し製品化しています。近年は、新たにバッテリーセパレータフィルム セティーラ®の本格研究を開始し、多岐にわたる高性能・高機能フィルムの研究開発を推進しています。

フィルムの研究では、これまで数多くの研究実績を残しており、①製膜プロセスの観点からは、世界一薄いフィルムを生産する技術を確立し、コンデンサ用途に展開して、各種電子機器の小型化に貢献してきました。また、②ポリマーアロイ技術と延伸技術の融合によりフィルム中に微細な気泡を形成させた液晶ディスプレイ用低比重・高白色フィルム、③高分子微細構造制御による成形用ポリエステルフィルム、④ナノオーダーのポリマーアロイ技術を駆使した高耐熱ポリエステルに独自のフィルム複合法で表面微細突起を制御した高密度磁気テープ用ベースフィルム、⑤ウェットやドライ加工の、より特殊な表面処理技術により透明性・密着性に優れたハードコートやプリズムなどディスプレイや包装用フィルムの開発を行い、用途拡大を図っていきます。

微細気泡を高密度に形成

微細気泡を高密度に形成

微細な空隙を形成させた液晶ディスプレイ用低比重・高白色フィルム

※2007年度 大河内記念生産賞受賞

高耐熱を実現したナノアロイ<sup>®</sup>技術適用フィルム

高耐熱を実現したナノアロイ®技術適用フィルム

ナノオーダーのポリマーアロイ技術を駆使した高耐熱ポリエステルに独自のフィルム複合法で表面微細突起を制御した高密度磁気テープ用ベースフィルム

※2009年 高分子学会賞受賞

当社のナノテクノロジー技術をさらに深化、発展させた結果として、複数のポリマーをナノオーダーで積層することにより金属光沢調を表現するナノ積層フィルム ピカサス®、この積層精度を向上させることでLEDからの強い青色光を選択的にカットするブルーライトカットフィルム、また、コート層表面に高硬度ナノ粒子を緻密に形成することで、擦れキズの付きにくい硬度と平滑な表面を両立した有機・無機ハイブリッドコートフィルムを開発してきました。また、近年は、リチウムイオン電池の安全性に役立つポリオレフィン微多孔フィルムが加わり、情報通信、環境、資源・エネルギー、ライフイノベーション分野等への用途拡大を図っており、これら最先端の研究成果は、各方面から高く評価されております。

現在、フィルム研究所では、ポリマー分子設計、製膜プロセス、フィルム品質設計、フィルム加工技術において革新的なコンセプトを打ち立て、基盤技術の強化と事業拡大に貢献すべく、研究活動を展開しており、今後とも、世の中の発展に役立つ先端材料の開発に果敢に挑戦していきます。

金属光沢調フィルム

金属光沢調フィルム

ピカサス®は、種類の異なるポリマーを数百から一千層、数ナノメートルの薄さで多層積層した金属光沢調フィルム

※2016年高分子学会賞受賞

屈折率の異なるポリマーをナノレベルで多層積層

屈折率の異なるポリマーをナノレベルで多層積層

金属調デザインと光透過の共存

金属調デザインと光透過の共存

電源ONで光透過

青色反射フィルム

青色反射フィルム

LCD青色を選択反射

有機・無機ハイブリッドコートフィルム

微多孔ポリオレフィンフィルム

微多孔ポリオレフィンフィルム

ナノメーターサイズの均一な貫通孔を持ち、リチウムイオン2次電池用セパレータとして活用されている。

リチウムイオン電池(LIB)の構造

リチウムイオン電池(LIB)の構造

研究・開発の歩み(抜粋)

1959 ポリエステルフィルム ルミラー®の生産開始
1963 フィルム研究所設立
ポリプロピレンフィルムトレファン®の本格生産開始
1988 ポリフェニレンサルファイドフィルム トレリナ®の本格生産開始
1992 ルミラー®新表面形成技術(TOP・PTL)の実用化
1995 アラミドフィルム ミクトロン®の本格生産開始
2001 成形用高伸度 ルミラー®の生産開始
2006 高密度磁気テープ用 高耐熱ナノアロイ®フィルムの生産開始
2008 金属光沢調ナノ積層フィルムの生産開始
2012 タッチパネル用・次世代フィルムの生産化と拡大
2017 バッテリーセパレータフィルムセティーラ®の本格研究開始