東レグループの気候変動への対応

東レグループは、1926年の創業以来、「企業は社会の公器であり、その事業を通じて社会に貢献する」との経営思想の下、現在の企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」へと志を受け継いできました。 この企業理念のもと、東レグループは、長年にわたり、地球規模の環境問題など様々な社会的課題へのソリューションを提供する革新技術・先端材料の創出に取り組み、持続可能な社会の発展に貢献してきました。

東レグループは、再生可能エネルギー、水素、電動化関連の素材など従来から取り組んでいるグリーンイノベーション(GR)事業の拡大と、CO2分離膜などのGHGの吸収に貢献する製品の開発を進め、社会全体のGHG排出量の削減と2050年カーボンニュートラルの実現に貢献します。
また、GR事業の拡大を通じて還元される持続可能なエネルギー・原料と、革新プロセスおよびCO2を利活用するCO2資源化技術などの開発・導入により、東レグループのGHG排出量を削減し、2050年の東レグループのカーボンニュートラルを目指しています。

2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組み~ネットゼロエミッション社会への移行(トランジション)に向け、技術の開発・普及・実装にチャレンジ~

2019年5月には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言への賛同を表明し、同年12月に「東レグループの気候変動への対応」として情報開示を行い、TCFD提言に賛同する以前から一貫して、気候変動への取り組みと情報開示に積極的に取り組んでいることを示しています。

そして、気候変動という予測困難で不確実な事象に関する機会・リスクを特定し、それらの機会・リスクが東レグループにどのような影響を及ぼし得るのかを確認するため、TCFD提言に沿う形でシナリオ分析を実施し、東レグループの事業活動における気候変動に係る取り組みを取りまとめて、2021年4月1日に「東レグループTCFDレポート2021」を発行しました。
また、東レグループの持続的な成長と気候変動に関する課題への取り組みを加速させるため、同日付で、社長を委員長とするサステナビリティ委員会を新たに設置しました。

今後もTCFD提言に沿った気候変動関連の情報開示を積極的に進めてまいります。

<これまでの東レグループの取り組み>

1991年にスタートした長期経営ビジョン“AP-G2000”では、東レグループが目指す企業イメージの一つを“地球環境保護に積極的な役割を果たす企業集団”とし、同年に地球環境研究室を設立するとともに、翌年(1992年)には、全社委員会として地球環境委員会を設置するなど、経営陣が地球環境問題に積極的に取り組んでいくという姿勢を明らかにしました。
2000年には、東レグループの環境保全の中期的目標として、GHG排出量削減目標を含む「環境3ヵ年計画」を策定し、「第5次環境中期計画」(達成年度:2020年度)までこれを引き継いでいます。
2009年には、東レグループの地球環境事業戦略の全社的な企画・立案と事業化の推進・支援を目的とする社長直轄組織として地球環境事業戦略推進室(以下「地球環境戦略室」)を設立し、2011年から、長期経営ビジョン“AP-Growth TORAY 2020”のもと、地球環境戦略室を中心としてグリーンイノベーション事業の拡大に取り組み、地球環境問題や資源・エネルギー問題に対するソリューションとなる製品・サービスの普及を図ってきました。
そして、近年、ますます気候変動などの地球環境問題が深刻化するなか、東レグループは、2018年7月、「2050年に向け東レグループが目指す世界」と、その実現のための「東レグループの取り組み」および「2030年度に向けた数値目標」を盛り込んだ「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を策定し、その達成に向けた取り組みを推進しています。2020年5月には、2030年度までの長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030”-持続的かつ健全な成長と社会的価値の創造-と、2020年度からの3カ年を対象期間とする中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”「強靱化と攻めの経営」-持続的な成長と新たな発展-を発表しました。
「TORAY VISION 2030」では、経営として大切にしている価値観である「事業を通じた社会貢献」「長期的視点に立った経営」「人を基本とする経営」をベースに、当社経営の強みである「研究・技術開発」「営業」「生産」が相互に連携し、素材を起点にサプライチェーンを構成する顧客や取引先などの共創を通じて、社会に新しい価値を提供し、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」に示す4つの世界の実現を目指します。
「AP-G 2022」では、2022年度のサステナビリティ目標として、GR売上収益を1兆円、LI売上収益を3,000億円、そして2013年度実績比でCO2削減貢献量を5.3倍、水処理貢献量を2.4倍、生産活動によるGHG排出量の売上収益原単位を20%削減、生産活動による用水使用量の売上収益原単位を25%削減、とすることを目指します。