電子情報材料研究所
電子情報材料研究所は1987年に設立され、エレクトロコーティング関連材料、実装関連材料、ディスプレイ関連材料、印刷関連材料、および、有機エレクトロニクスや環境・エネルギー、メディカルエレクトロニクスなどの新分野において、以下のような研究を行っています。
電子情報材料研究所は、東レの情報通信材料・機器事業の拡大と環境・エネルギー、メディカルエレクトロニクス分野でのソリューション提供に向けた材料・技術の中心的な研究拠点です。高耐熱性および光機能性高分子の設計合成、フォトリソグラフィーなどを用いた微細加工、ナノ微粒子分散による高機能化、真空やウェットコーティングを用いた薄膜形成など世界屈指の技術を基に、先端材料・技術の創出に挑戦しています。
エレクトロコーティング関連材料
当社独自の高耐熱ポリマーをベースに、電子デバイス用の革新的な材料を研究しています。ポリイミドベースの フォトニース®は半導体やディスプレイの保護膜や絶縁膜、ポリシロキサンベースの フォトクリア®はイメージセンサーやタッチパネルの光学透明材料に展開しています。
感光性ポリイミド フォトニース®
有機EL ディスプレイ用絶縁層・平坦化層
実装関連材料
当社は感光性や高熱伝導性を有するシート材料を ファルダ®の名称で展開し、微細化や3次元化への対応やパワーデバイスの小型化に寄与する次世代実装材料を研究しています。また、次世代ディスプレイに使用されるμ-LEDの高速実装の実現に向けて、レーザー転写用材料を開発しています。加えて、タッチパネルや小型電子部品の電極配線向けに感光性導電材料 レイブリッド®の技術深化を進めています。
高熱伝導ポリイミドシート ファルダ®
ディスプレイ関連材料
大型テレビやスマートフォン向けの材料・技術の研究に取り組み、有機EL用発光素子材料、絶縁材料など世界屈指の技術を創出してきました。さらにフレキシブルディスプレイ関連材料や有機波長変換材料など新型ディスプレイに対応した技術を研究しています。
印刷関連材料
当社独自の水なし平版の技術を発展させ、コンピューターから直接書き込み可能な水なしCTP版を開発しています。環境対応と市場拡大が期待されるフィルムパッケージ向けに、独自のポリマー設計技術に基づく水溶性インキの開発と併せて、CO2削減を実現する環境対応印刷システムを開発しています。
新分野
X線撮像装置の部材、次世代通信用材料、2次電池の研究・技術開発を進め、IoT・メディカルエレクトロニクス分野にも展開し、社会に貢献できる材料・技術の開発に挑戦しています。
感光性導電材料
2019年度 第51回市村産業賞 貢献賞
光学透明材料
高機能ポリシロキサン材料 フォトクリア®
研究・開発の歩み(抜粋)
1977 | 感光性樹脂凸版材 トレリーフ®の本格生産開始 |
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1985 | ポリイミドコーティング剤の本格生産開始 |
1987 | 電子情報材料研究所設立 |
1993 | 液晶ディスプレイ用カラーフィルター トプティカル®の生産開始 |
1999 | 水なしCTP版の生産開始 |
2000 | ポジ型感光性耐熱ポリイミドコーティング剤 フォトニース®の開発 PDP用ペーストの生産開始 |
2006 | 有機ELディスプレイ用赤色発光材料・電子輸送材料の生産開始 ポジ型感光性シロキサンコーティング剤 フォトクリア®の生産開始 |
2013 | タッチパネル用感光性機能材料 レイブリッド®の生産開始 |
2017 | 低温硬化型高機能シロキサン材料の開発 |
2019 | 車載カーナビ用感光性機能材料レイブリッド®の生産開始 |