CSR活動報告(各CSRガイドラインの活動報告)
良き企業市民としての社会貢献活動
良き企業市民として、積極的に社会・地域に参画し、その発展に貢献します。
基本的な考え方
東レグループは本業を通じて社会に貢献するとともに、地域社会との信頼関係を構築することが事業活動の基盤と考えています。東レ(株)は企業理念において、企業行動の究極の目的は「社会貢献」にあることを明示し、創業以来、社会の発展に貢献するよう努めてきました。1995年に制定した経営基本方針でも「社会のために 社会の一員として責任を果たし相互信頼と連携を」とうたっています。2004年に制定した「東レグループCSRガイドライン」の一つに「社会貢献活動」を位置づけ、以後、CSR活動の一環として社会貢献活動を実践しています。
東レグループでは、中期経営課題“プロジェクト AP-G 2025”ならびに長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030”において「サステナビリティイノベーション事業」の拡大を通じた社会的課題の解決によって「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」の実現を目指しています。
「CSRロードマップ 2025」では、こうした事業を通じた社会貢献とともに、「科学技術振興」「環境、地域」「健康、福祉」を重点分野として素材メーカーとしての特徴を生かした東レグループらしい社会貢献活動を推進していくこと、SDGs※1に代表される地球規模の課題解決に貢献する社会貢献活動を実施していくことを目標としています。「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」で掲げているように、「人々の環境への関心を高める」ための環境教育や理科教育、キャリア教育などの教育支援活動を展開し、将来世代の育成に貢献するとともに、国内外の科学振興財団の活動を通じた科学技術の向上発展と理科教育の振興の支援に積極的に取り組んでいきます。
なお、取締役会決議を経て制定した「東レグループ社会貢献方針」で「東レグループは、ボランティア活動など社員の社会参加を促進するため、会社表彰制度などで風土の醸成を図り、地域に根差した支援活動を行います」と掲げているとおり、社員がボランティアに参加するときには、休職や休暇の取得などの社内制度の利用を認めています。また、ボランティア活動は、各事業場・工場ごとの表彰の対象としています。例えば、2023年度は、継続して清掃活動に参加した社員や、30回以上献血をした社員、東日本大震災復興における海岸林再生プロジェクトにおいてボランティア活動をした社員を表彰しました。
- ※1 SDGs:Sustainable Development Goalsの略。2015年9月に150を超える各国首脳が参加した「国連持続可能な開発サミット」で採択された2030年までの世界共通の目標で、17の目標と169のターゲットで構成されます。
関連する方針等
東レグループ社会貢献方針2020年9月改定
- 東レグループは、企業理念「新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」に基づき、地域社会・国際社会のなかで、よき企業市民として、それら社会の持続的発展に貢献するとともに、社員の社会貢献活動を継続的に支援します。
- 東レグループは、科学技術の振興を柱として、地域の社会福祉向上、伝統文化を通じた国際交流支援、スポーツ振興などのプログラムを独自に推進していきます。
- 東レグループは、ボランティア活動など社員の社会参加を促進するため、会社表彰制度などで風土の醸成を図り、地域に根差した支援活動を行います。
- 東レグループは、マーケティング活動や広報・宣伝活動を行う際も、その実施内容について、常に社会貢献の観点から見直し、実行します。
社会貢献活動の重点分野
科学技術振興:東レグループは、企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を革新技術・先端材料の提供を通じて具現化し、企業活動の全ての領域で「Innovation」に挑戦することを宣言しています。「Innovation」を続けていくためには、それらを生み出す人材の育成・確保が必要です。そこで、長期的視点で、(公財)東レ科学振興会や海外の科学振興財団を通じた研究助成、理科教育振興、人々の理科・科学への関心を高める活動に取り組んでいます。
環境、地域:東レグループは、地球環境問題や資源・エネルギー問題の解決に貢献する「サステナビリティイノベーション事業」に取り組んでいます。その専門技術や人材を生かして、環境保全活動や地域社会と連携した活動などを継続的に行っています。
健康、福祉:東レグループは、医療の充実と健康長寿、公衆衛生の普及促進、人の安全に貢献する「サステナビリティイノベーション事業」に取り組んでいます。健康・長寿社会の実現に向けて、スポーツ振興やがん検診啓発、グループ各拠点での子どもたちの育成支援、福祉活動などに取り組んでいます。
東レの社会貢献とSDGs
東レ(株)は創業以来、自らを「社会の公器」と任じ、社会への貢献を究極の目的として企業活動を行ってきました。当社の事業拡大は、「社会に奉仕する」という理念を実行している努力が社会から認められ、支持を得た結果であると捉えています。
1955年、創業以来継承した経営思想を明文化し、社是「東洋レーヨンは社会に奉仕する」を制定しました。さらに、この頃から、経営者から従業員の一人ひとりに至るまで、「社会への奉仕」を形にするべく、各種機関・施設への寄付や、災害時の被災地への人道的支援と義援金の拠出、学童に対して工場の施設を開放し、見学や資料提供するなどさまざまな形で「社会への貢献」を実践してきました。
1986年、社是の本旨はそのままに、企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を制定しました。この企業理念を追求するために、事業選択にあたっては、事業に内在する「社会貢献性」を重視し、東レグループの企業行動および社員の行動のすべてを「社会性」のフィルターを通して常に見直しています。
その結果、東レグループが本業として取り組んできた事業は、地球環境問題の解決や、健康長寿社会の実現など、自ずと国連のSDGsの目標に直結するものとなっています。国際的な社会課題が「SDGs」として意識されるようになったのは近年ですが、東レグループは創業当時からSDGsが掲げるグローバルな社会課題の解決を企業理念の実現そのものとして取り組んでいます。
体制
東レ(株)は2012年4月から、CSR推進室を社会貢献活動の専門部署と位置付けています。CSR推進室は、自社が独自に実施する全社的な自主プログラムの企画・推進と、東レグループの活動実績の集約を担っています。東レグループ国内・海外各拠点には、各社・各部署とのCSRに関する意見交換会や、海外各国代表が集まる会議などを通じて方針を伝え、各国・各社の実情に沿った活動を進めています。
「CSRロードマップ 2025」の目標
CSRロードマップ目標
- 東レらしい社会貢献活動を推進していきます。「科学技術振興」「環境、地域」「健康、福祉」を重点分野として、自主的かつ継続的に取り組みます。
- 社会の一員として、SDGs に代表される地球規模の課題解決に貢献する社会貢献活動を実施していきます。
主な取り組みとKPI実績
KPI |
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(1)一定の規模を維持しながら社会貢献活動を推進していきます。 |
10-❶ |
(2)地域社会やNPOなどのステークホルダーとの協働による社会貢献活動を推進していきます。 |
- |
(3)各拠点が継続して自発的かつ積極的に社会貢献活動を企画・実施できるよう推進します。 |
10-❷ |
(4)出張授業や企業見学を通じて、子どもたちの興味や関心を引き出すような理科教育や環境教育、キャリア教育などの教育支援活動を展開し、将来世代の育成に貢献します。 |
10-❸ |
(5)東レグループの社員に対して社会貢献の意義を浸透させるための教育を行っていきます。 |
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(6)国内外の科学振興財団の活動を通じて、科学技術の向上発展と理科教育の振興を支援していきます。 |
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(7)東レグループが取り組んだ社会貢献活動を、ウェブサイトなどを通じて社内外に開示し、ステークホルダーに共有していきます。 |
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KPI(重要目標達成指標) | 目標値 | 2023年度 実績 | ||
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2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | ||
100%以上 | 100%以上 | 100%以上 | 124% | |
2,500件以上 | 2,500件以上 | 2,500件以上 | 2,173件 | |
15,000人以上 | 15,000人以上 | 15,000人以上 | 18,816人 |
- 報告対象範囲:東レグループ
今後に向けて
ステークホルダーとの信頼関係構築に向けて、事業を通じた社会貢献とともに、素材メーカーとしての特徴を生かした社会貢献活動に自主的かつ継続的に取り組んでいきます。「科学技術振興」「環境、地域」「健康、福祉」を重点分野とした活動と、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」の達成に向けた「人々の環境への関心を高める」ための教育支援活動を推進することで、良き企業市民として積極的に社会・地域に参画し、その発展に貢献していきます。
「CSRロードマップ 2025」(対象期間:2023-2025年度)におけるCSRガイドライン10「良き企業市民としての社会貢献活動」の主な取り組みやKPIはこちらをご覧ください。
2023年度の活動報告
2023年度の活動報告をご紹介します。