CSR活動報告(各CSRガイドラインの活動報告)

事業を通じた社会的課題解決への貢献

イノベーションを通じて、温暖化対策等の地球規模の環境問題や、医療の質向上、医療現場の負荷軽減、健康・長寿、人の安全等の様々な社会的課題へのソリューションを提供し、持続可能な社会の発展に貢献します。

基本的な考え方

地球温暖化やCO2濃度の増加、人口増加に伴う水不足、資源枯渇など、私たちを取り巻く地球環境問題はますます深刻化しています。また、現在70億人を超えている世界人口は、2050年には約100億人に達すると見込まれており、先進国のみならず多くの新興国でも平均寿命の延びと出生率の低下による急速な高齢化に直面することが予想されます。
21世紀の世界においては、地球規模の環境問題の解決、および健康で自立した生活を維持するためのヘルスケア・質の高い医療・負担の少ない医療の提供が、最重要の共通課題となっています。

東レグループは、これまでも中期経営課題“プロジェクト AP-G 2019”の基本戦略として、成長分野における「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」と「ライフイノベーション事業拡大(LI)プロジェクト」を掲げ、それぞれ地球環境事業戦略推進室、ライフイノベーション事業戦略推進室を専任組織として推進し、全社役員会などでプロジェクトの進捗をフォローしてきました。この取り組みをさらに強化すべく、2018年に「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を策定・発表し、2050年の目指すべき世界を明確にし、2030年の長期目標KPIを定めました。このサステナビリティ・ビジョンの実現に向けて、2020年5月に発表した長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030”および中期経営課題“プロジェクトAP-G 2022”においても、社長をリーダーとしてGRプロジェクトおよびLIプロジェクトを、グループ横断的なプロジェクトとして強力に推進しています。

「GRプロジェクト」では、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」で示した、「地球規模での温室効果ガスの排出と吸収のバランスが達成された世界」、「資源が持続可能な形で管理される世界」、「誰もが安全な水・空気を利用し自然環境が回復した世界」を実現していきます。具体例としては、まず、気候変動対策を加速させるために、先端材料の用途を航空機、自動車などに拡大させ、軽量化による燃費向上でCO2排出の抑制に貢献し、風力、水素など新エネルギー社会を素材供給により支える取り組みを推進します。次に、持続可能な循環型資源利用のために、バイオ関連技術やリサイクルなど資源循環に対する取り組みを進めます。続いて、安全な水・空気を届けるために、水処理膜やエアフィルターなどの取り組みを進めていきます。

「LIプロジェクト」では、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」で目指す世界像である「誰もが安全な水・空気を利用し自然環境が回復した世界」や「すべての人が健康で衛生的な生活を送る世界」を実現していきます。
「すべての人が健康で衛生的な生活を送る世界」については、その世界の実現に向けて、東レグループが応えるべき課題(「医療の充実と健康長寿への貢献、公衆衛生の普及促進」)の推進を加速するため、従来の定義である「健康・長寿に貢献、医療の質の向上」に加えて、「人の安全」「高齢者、要介護者の自立した生活への貢献(ADL (Activity of Daily Living) 向上)」も対象領域として、LI製品の拡大を図っています。

体制

東レグループは、サステナビリティ・ビジョンの実現に向けた活動を推進するため、2021年4月に、社長を委員長とするサステナビリティ委員会を全社委員会として新たに設置しました。同委員会は、上記ビジョンの実現に向けた中長期的な全体ロードマップおよび実行計画の策定や、2030年に向けた数値目標を進捗管理する3つの全社プロジェクト(GR、LI、チャレンジ30プロジェクト※1)の年次活動計画の審議や実行課題、活動状況を統括して管理し、取り組みをさらに推進していきます。 また、気候変動対策推進の統括機関として、気候変動に関する重要な方針、議題を協議するとともに、気候変動に関する議題を取り扱っているCSR委員会、リスクマネジメント委員会、安全・衛生・環境委員会、技術委員会と連携して、東レグループ全体の気候変動に関する課題に取り組んでいきます。
なお、気候変動問題に関するガバナンス体制は、「東レグループ TCFDレポート2021」 をご参照ください。

  1. ※1 チャレンジ30プロジェクト:2030年度までにGHG排出量、用水使用量の売上収益原単位30%削減(2013年度比)の達成を目指し、以下の具体的な活動に取り組むプロジェクト。
    ・国内外での定常省エネ活動・連携強化、改善事例の相互水平展開
    ・石炭ボイラの買電化・バイオマス燃料使用拡大
    ・東レ水処理技術による排水リサイクルなどの推進

CSRロードマップ2022の目標

CSRロードマップ目標

「グリーンイノベーション」「ライフイノベーション」分野に重点を置き、革新的新素材・新技術の創出によって、社会的課題の解決に貢献します。

主な取り組みとKPI実績

KPI
(1)グリーンイノベーション製品の売上収益拡大を目指します。
7-❶
(2)ライフイノベーション製品の売上収益拡大を目指します。
7-❷
(3)バリューチェーンへの CO2削減貢献量※1を拡大します。
7-❸
(4)水処理貢献量※2を拡大します。
7-❹
(5)低炭素・循環型社会の実現を目指し、様々な製品の研究・技術開発を推進していきます。
-
(6)プラスチック製品のバイオマス活用・リサイクル活動推進、再生可能エネルギー・水素の普及、水資源の再利用等に貢献していきます。
-
(7)防護服やPPE※3用部材・製品の供給とその高度化、空気や水などの衛生環境を守るための素材供給を通じて、感染症を含む公衆衛生上のリスク対策に貢献します。
-
KPI(重要達成指標) 目標値 2020年度 実績
2020年度 2021年度 2022年度
10,000億円(2022年度) 7,118億円
3,000億円(2022年度) 2,756億円
2013年度比5.3倍(2022年度) 2013年度比6.4倍
2013年度比2.4倍(2022年度) 2013年度比2.0倍
  1. 報告対象範囲:東レグループ
  1. ※1 CO2削減貢献量:製品のバリューチェーンを通じたCO2排出量削減効果を、日本化学工業協会、ICCA(国際化学工業協会協議会)およびWBCSD(持続可能な開発のための経済人会議)の化学セクターのガイドラインに従い、東レが独自に算出したもの。
  2. ※2 水処理貢献量:各種水処理膜(RO/UF/MBR)毎の1日当たりの造水可能量に売上本数を乗じて算出したもの。
  3. ※3 PPE:personal protective equipment(個人用防護服)

■関連マテリアリティ

  • 事業を通じた環境問題解決への貢献
  • 事業を通じた健康・長寿社会実現への貢献
  • 水資源管理の取り組み
  1. マテリアリティからみたCSRロードマップ2022の主な取り組みやKPI・実績進捗のまとめについては、こちら(PDF:1.6MB)PDFをご覧ください。

今後に向けて

GRプロジェクトの2020年度実績は、連結売上収益7,118億円となりました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり前年度比では落ち込んだものの、一時的な要因と見ています。一方で、東レグループ製品使用によるCO2削減貢献量は 、事業拡大に伴って確実に増加しており、引き続き事業を通した資源・エネルギー問題および地球環境問題の解決に貢献していきます。
今後は、温暖化や水不足、資源の枯渇といった地球規模の問題が深刻となり、環境に配慮した消費・生産様式にシフトしていくことが考えられます。また、「製品の製造→使用→再生して再び製品の原材料として使う」循環型社会に移行する取り組みが本格化することで、大量生産・売り切りのビジネスモデルから、製品のサービス化(product as a service)、シェアリング、製品の長寿命化、資源の回収・リサイクル、循環型サプライチェーンなどのビジネスモデルへの転換が進むと想定しており、GRプロジェクトとしても、着実にフォローしていきます。

LIプロジェクトの2020年度実績は、「人の安全」領域の追加、医療用ガウンやマスク用途向け不織布の出荷増により連結売上収益が2,756億円となりました。引き続き、当社が強みを持つ先端材料をLI分野に積極展開するとともに、医薬・医療事業では診断薬などの新分野への事業参入を加速させていきます。

2020年度の活動報告

2020年度の活動報告をご紹介します。