社長メッセージ

東レ株式会社 代表取締役社長日覚昭廣

 株主の皆様には、平素から格別のご支援を賜り厚くお礼申し上げます。

 この度、新型コロナウイルス感染症による被害を受けられている方々に、心よりお見舞い申し上げます。また感染拡大防止に向けて、最前線で日夜奮闘されている方々に、心より敬意を表します。

 当社としても、感染拡大防止のために必要な対策を実行するとともに、早期の収束、及びその後の社会と経済の発展に全力を上げ、力を尽くしてまいります。

 2019年度の世界経済は、米中貿易摩擦の激化懸念、中東情勢などの地政学リスク、及びBREXITをめぐる欧州の政治的混乱の高まりなどにより、景気の不透明感が強く、減速しました。国内経済は、底堅く推移しながらも台風などの自然災害や消費税増税の影響で力強さを欠きました。そのような中、2020年に入り新型コロナウイルスの感染が世界的に流行したことで内外経済は大きく混乱し、生産活動や消費行動の停滞から急減速しました。

 このような事業環境の中、当社グループは2017年度から、2019年度までの3ヵ年を期間とする中期経営課題“プロジェクトAP-G 2019”に取り組み、「成長分野での事業拡大」「成長国・地域での事業拡大」「競争力強化」を要とした成長戦略を実行しました。

 以上の結果、当社グループの連結業績は、売上高は前期比7.3%減の2兆2,146億円、営業利益は同7.3%減の1,312億円、経常利益は同23.2%減の1,034億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同29.8%減の557億円となりました。この業績を踏まえ、期末配当金につきましては、1株当たり8円とさせていただきました。これにより、中間配当金8円を加えた年間配当金は、1株当たり16円となりました。

 世界が新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて取り組む中、生産活動・消費行動の停滞やサプライチェーンの分断により、今後の世界経済は後退が避けられない見通しです。経済が正常化する時期及び正常化までの過程については、新型コロナウイルスの収束時期に大きく左右され、その間、信用収縮の発生や倒産・失業の長期化で更なる需要の落ち込みなど、世界経済の成長率が一段と低下する可能性もはらんでいます。各国政府・中央銀行が財政出動や金融緩和を実施していますが、金融・資本市場及び原油価格の変動が及ぼす影響等にも留意する必要があります。

 このような状況の下、当社グループは、5月13日に発表した新たな長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030”と中期経営課題“プロジェクトAP-G 2022”をスタートさせました。積極的な投資による事業拡大という基本戦略を維持しつつ、不確実性に対して成長戦略を可能にする事業構造改革や財務構造強化を推進してまいります。

 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解を賜りますようお願い申し上げます。

2020年6月