社長メッセージ

東レ株式会社 代表取締役社長日覚昭廣

 株主の皆様には、平素から格別のご支援を賜り厚くお礼申し上げます。

 まず、当社樹脂事業における UL認証登録に関する不適正行為について、改めまして深くお詫び申し上げます。長期かつ組織的な不適正行為により、お客様を含め社会へ甚大な迷惑をおかけし、会社の信用を著しく毀損した結果に対し、経営者としての責任を明確にすべく、社内取締役の報酬を減額し、社外取締役からは報酬の一部について自主返上を受けるとともに、再発防止策に誠実に取り組んでまいります。

 2021年度の世界経済は、中国経済の回復持続に加えて、新型コロナウイルスによる落ち込みからの反動と、ワクチン接種の進捗を背景とした行動制限の緩和、及び米国の大型景気対策もあって大きく回復しました。一方、感染対策や経 済対策の巧拙によって、新型コロナウイルスの感染抑制や経済の回復に各国で差が生じたほか、半導体をはじめとする部材の需給ひっ迫や人手不足などの供給制約が顕在化し、自動車の減産につながるなど 21年後半以降、回復ペースは緩やかとなっています。

 このような事業環境の中で、当社グループは 2020年5月より、「持続的かつ健全な成長」を目指し、「成長分野でのグローバルな拡大」、「競争力強化」、「経営基盤強化」を基本戦略とした新たな中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”を実行しています。

 以上の結果、当社グループの連結業績は、売上収益は前期比 18.3%増の 2兆2,285億円、事業利益は同46.3%増の1,321億円となりました。営業利益は同80.0%増の1,006億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同83.9%増の842億円となりました。この業績を踏まえ、期末配当金につきましては、1株当たり 8円とさせていただきました。これにより、中間配当金 8円を加えた年間配当金は、1株当たり16円となりました。

 内外経済は、新型コロナウイルスのワクチン普及や経済対策の進展を背景に回復を続けると見ていますが、変異株の感染再拡大の影響、部材や人手等の不足による供給制約、物流混乱、そしてウクライナ情勢の長期化が懸念材料となっており、当面不確実性の高い状況が続く見通しです。また、原燃料価格の高騰によるインフレ圧力の増大や欧米の利上げ姿勢転換の影響に留意する必要があるほか、中国当局の「ゼロコロナ政策」の継続や不動産市場・IT企業への締め付け強化等が世界経済の回復を下押しする可能性があります。

 このような状況の下、このような状況の下、当社グループは、中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”の基本戦略を推進し、不確実性に備えた事業運営を実行してまいります。

 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解を賜りますようお願い申し上げます。

2022年7月