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2020.08.04
東レ株式会社
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、液晶ディスプレイ用部材「Spectrum Conversion by Organic phosphor sheet」(以下「SCOシート」)について、SID(The Society for Information Display:国際情報ディスプレイ学会)1)における"Display Industry Award : Display Component of the Year"を受賞しました。この度の受賞は、世界で初めて有機発光材料を用いて液晶ディスプレイの高色域化に貢献できる、毒性元素を含まない環境調和した技術を創出したことが評価されたものです。 従来の液晶ディスプレイは、赤や緑の発光に無機蛍光体が使用されていました。無機蛍光体は、耐久性は良いものの、発光スペクトル2)幅が広いため色純度が低下する課題があり、ディスプレイとして表現できる色域には限界がありました。
これに対し東レは、これまで有機EL用発光材料開発で培った分子設計、合成、精製技術を活用し、従来の無機蛍光体に対し、シャープな発光スペクトルを示す高色純度の赤色および緑色の有機発光材料を開発して参りました。有機発光材料は耐久性の向上が課題でしたが、当社独自の発光材料分子設計により、実用化に耐えうる耐久性の確保に成功しました。
これらの有機発光材料を用いて開発した液晶ディスプレイの高色域化に貢献できるSCOシートは、DCI規格(Digital Cinema Initiatives)3)と呼ばれる色域規格、Adobe規格4)と呼ばれる色域規格のカバー率について、どちらも99%以上の両立が可能です。その結果、従来ディスプレイに比べて、より色鮮やかな表示が可能となります。また、有機材料で構成されているため、重金属のような毒性元素も含まれておらず、環境にやさしいディスプレイ部材です。 ディスプレイ技術は年々進化を遂げており、4K、8Kといった映像における画面解像度の高解像度に加えて高色域化も要望されており、ハイエンドディスプレイの市場もますます拡大していくと予測されています。 東レは本業績で培った有機光機能材料分子設計技術をさらに深化させ、有機材料の新たな可能性を切り拓き、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んで参ります。
以 上