日本の省エネルギー技術の実証運転がスタート

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2019.08.27

Pacific Textiles Holdings社(PTHL社)

 世界最大のエネルギー使用国である中国では近年、エネルギー資源の節約が重要な国家戦略となっており、エネルギー管理強化が推進されています。
 このような中、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、日本の省エネルギー技術を中国で実証するため、2017年9月に中国の国家発展改革委員会と基本協定書(MOU)を締結し、同年12月に横河電機(株)、(株)日本総合研究所、東京電力ホールディングス(株)と共同で、エネルギー消費が大きく、生産品目の切り替えが多い、当社の広州にある工場と、もう1社の工場の2工場に最新のエネルギー・マネジメント・システム(EMS)を導入。試運転を経て7月24日から実証運転が開始されることになり、PTHL社で実証運転開始式が行われました。
 EMS導入により、電力・蒸気などが効率的に供給され、消費エネルギーの大幅削減が期待できます。また、生産現場や基幹業務システム(ERP)と連携したエネルギー需要・供給の改善、エネルギー視点で生産プロセスや生産設備などの生産現場の課題や問題点を発見して改善する生産プロセス改善、および経営層による生産状況把握による経営の効率化の推進の効果も期待でき、本実証運転により当社はその有効性を実証していくことになります。
 省エネとCO2排出削減を図りながら稼働効率の向上が求められている繊維業界において、当社がEMS導入対象企業に選定されたことは重要な意味を持ち、エネルギーと生産コストの削減のみならず、業界全体のエネルギー改革を推進し、中国の省エネ、排出削減の大きな目標に応えていくことになります。
 式典には、中国・国家発展改革委員会、広東省発展改革委員会、在広州日本国総領事館、NEDOをはじめとする事業実施会社などから関係者をお迎えし、PTHL社からは奥富副会長を含む3人が出席しました。
 なお、実証運転は2021年3月まで行われ、終了後も継続的に運転されることになっています。

実証運転開始式出席者

実証運転開始式出席者

運転開始式で挨拶する奥富副会長

運転開始式で挨拶する奥富副会長

導入されたスパイラル式熱交換機

導入されたスパイラル式熱交換機