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2019.04.15
東レ株式会社
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、4月12日(金)に当社が開発した『タッチパネル用感光性導電ペーストの開発』について、公益財団法人 市村清新技術財団の「第51回市村産業賞 貢献賞」を受賞しました。 市村清新技術財団は、科学技術の研究開発に対する助成を通じ、優れた科学技術の顕彰、国際交流の促進、我が国の経済社会の発展と国民生活の向上に寄与するため活動しています。 市村賞は、日本を代表する実業家であった市村清氏の昭和38年4月29日紺綬褒章受章を記念して創設された賞です。特に「市村産業賞」は、毎年、各産業界からの推薦に基づき、優れた国産技術を開発することで産業分野の発展に貢献・功績のあった技術開発者またはグループに贈呈されます。
東レが市村賞を受賞するのは、昨年の「高機能性逆浸透膜の開発」に続き2年連続、3回目の受賞です。また、本技術は、一般社団法人 日本化学工業協会(日化協)の「第50回日化協技術賞 技術特別賞」も受賞しています。今回の受賞は日化協の推薦を受けて受賞したものです。
この度の受賞は、東レが手掛ける配線用素材 RAYBRID®の開発成果が評価されたものです。 感光性導電ペーストRAYBRID®は感光性樹脂溶液中に導電粒子を分散、複合化したペースト製品です。この製品は、従来より、微細化が進む電子部品の分野で、ガラス基板やセラミック基板上に微細な配線を形成する用途で採用されていました。その後、タッチセンサーの普及に伴い、フィルム基材上で微細配線を形成するニーズが高まってきたことを受けて研究開発を進めた結果、当社は、独自の感光系設計技術に加え、微粒子分散技術や粒子表面制御技術を駆使することで、フィルム上での加工に必要な140℃以下の熱処理で導電性を発現する材料開発に成功しました。当社はこの材料を2012年よりタッチセンサー用途に事業展開し、多くのお客様に量産採用されてきました。また、年々増大する微細化ニーズに対応するべく進化をさせて、現在では、L/S=7μm/7μmの微細な解像度を実現し、幅広いお客様や幅広い用途への適用が進んでいます。この技術開発への功績が評価され、今回の受賞に至ったものです。 また、最近は、高信頼性が評価され車載用途での採用が始まっています。さらに、今後は高い屈曲耐性(>20万回)を活かしたフレキシブルディスプレイ用途、μLED等の新規ディスプレイ用途への展開が始まっており、さらなる産業分野への貢献を図ってまいります。 なお、今回の受賞に関する主な技術特徴は次の通りです。