1.東レ科学技術賞
八島 栄次氏 らせん分子構造の精密制御と機能に関する研究
氏は、高分子に望みの向きのらせん構造を持たせる画期的手法を開発し、特異な機能を持つ様々のらせん高分子や超分子、二重らせんを創製した。また、顕微鏡による直接観察により、らせん巻き方向の確定に成功するなど、らせん構造を持つ分子の研究において世界を先導する独創的な成果を挙げた。
國中 均氏 マイクロ波放電式イオンエンジンの研究開発と太陽系探査の推進
人類にとって宇宙の自在な航行は夢である。氏は、マイクロ波放電式イオンエンジンを開発し、主推進に採用した小惑星探査機「はやぶさ」の地球・小惑星間往復探査を可能とし、太陽系探査においてサンプルリターンという新研究手法を世界に先駆けて実現した。この宇宙工学における先進的な成果は高く評価される。
2.東レ理科教育賞文部科学大臣賞
高野 将吾氏 高層天気図を用いた三次元気象現象を捉える授業実践
本考案は、中学校の気象分野の授業実践例である。生徒たちが目の当たりにした豪雨災害を出発点として、その原因となった気象現象を高層天気図を使い三次元的に再現し、大気の動きの因果関係に着目させ、より一般的な気象現象の理解に結び付ける授業展開は広く参考とすべきものである。
以上
平成30年度 第59回東レ科学技術賞、第59回東レ科学技術研究助成、第50回東レ理科教育賞の決定について