(*1)オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定:
医療上の必要性が高いのにもかかわらず、患者数が少なく開発促進が困難である疾患を対象とした医薬品に対し、開発促進の支援を目的として指定される。指定の条件や支援内容は国によって異なり、米国(FDA)の場合は、米国内の患者数が20万人未満の希少疾患に対する新薬等が対象となる。
(*2)特発性肺線維症(IPF):
特発性間質性肺炎のうちもっとも治療が難しいとされている疾患であり、診断確定後の平均生存期間は3~5年の治療後の経過が悪い慢性難治性疾患である。間質性肺炎は、多様な原因から肺の末端にある肺胞の壁に炎症や損傷が生じ、コラーゲン線維などが蓄積して線維化がおこり、呼吸が困難になる疾患である。特に、原因を特定できない間質性肺炎を「特発性間質性肺炎」という。なお、推定患者数は人口10万人あたり10人であり、日本国内では1万数千人いると推定される。
(*3)TRK-250(東レ開発コード):
東レは、本剤を創出したボナックと2015年12月にライセンス契約を締結し、日本におけるIPF患者を対象とした本剤の独占的開発権、販売権、製造権(原薬を除く)を取得した。東レとボナックはこれまで本剤の非臨床試験および吸入剤開発に関する課題解決・進捗管理を共同で行い、IPF患者を対象とした米国での第I相臨床試験を開始している。