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核酸医薬品「TRK-250」の米国FDAによる オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定(※1)に関するお知らせ

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2019.02.04

東レ株式会社
株式会社ボナック

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)と株式会社ボナック(本社:福岡県久留米市、社長:林 宏剛、以下「ボナック」)は、東レが特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis、以下「IPF」(*2))患者を対象とした米国での第I相臨床試験を実施中の核酸医薬品「TRK-250(東レ開発コード)(*3)]」(以下「本剤」)について、ボナックがFDA(米国食品医薬品局)よりIPFを適応とするオーファンドラッグの指定を受けたことをお知らせいたします。本指定により、米国で7年間の排他的先発販売権が付与されるほか、臨床研究費用の税額控除、申請費用の一部免除などの優遇措置が受けられます。
 
 IPF は、不可逆的に肺の線維化が進行し、予測できない多様な臨床経過をたどる予後不良の疾患です。そのため、医療現場における治療の選択肢の幅を広げるために、新たな作用機序を有する新薬の開発が求められています。

 本剤は、肺の線維化に関与する主要な増殖因子であるTGF-β1タンパク質の発現を遺伝子レベルで選択的に阻害することにより、線維化の進行を阻止することを狙いとする核酸医薬品です。また本剤は、ボナック独自の核酸医薬技術を採用したユニークな一本鎖長鎖構造を有することで、従来の核酸医薬の課題である体内での安定性を向上させ、さらに、吸入剤として肺に直接投与することにより、標的組織への効率的な送達が期待される、新しいコンセプトの医薬品です。

 FDAからのオーファンドラッグ指定を受け、東レとボナックは本剤の開発を一層加速させ、IPF患者様に一日も早くお届けすべく、2020年代後半の上市を目指して取り組んでまいります。

以 上

(*1)オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定:
医療上の必要性が高いのにもかかわらず、患者数が少なく開発促進が困難である疾患を対象とした医薬品に対し、開発促進の支援を目的として指定される。指定の条件や支援内容は国によって異なり、米国(FDA)の場合は、米国内の患者数が20万人未満の希少疾患に対する新薬等が対象となる。

(*2)特発性肺線維症(IPF):
特発性間質性肺炎のうちもっとも治療が難しいとされている疾患であり、診断確定後の平均生存期間は3~5年の治療後の経過が悪い慢性難治性疾患である。間質性肺炎は、多様な原因から肺の末端にある肺胞の壁に炎症や損傷が生じ、コラーゲン線維などが蓄積して線維化がおこり、呼吸が困難になる疾患である。特に、原因を特定できない間質性肺炎を「特発性間質性肺炎」という。なお、推定患者数は人口10万人あたり10人であり、日本国内では1万数千人いると推定される。

(*3)TRK-250(東レ開発コード):
東レは、本剤を創出したボナックと2015年12月にライセンス契約を締結し、日本におけるIPF患者を対象とした本剤の独占的開発権、販売権、製造権(原薬を除く)を取得した。東レとボナックはこれまで本剤の非臨床試験および吸入剤開発に関する課題解決・進捗管理を共同で行い、IPF患者を対象とした米国での第I相臨床試験を開始している。
(ご参考)各社概要
■東レ株式会社
(1)事業内容 繊維、機能化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、ライフサイエンス、その他の製造・販売
(2)所在地 東京都中央区
(3)設立 1926年
(4)代表者 代表取締役社長 日覺 昭廣
http://www.toray.co.jp/

■株式会社ボナック
(1)事業内容 原薬製造(核酸原薬製造)、医薬開発(核酸医薬開発・支援)
(2)所在地 福岡県久留米市
(3)設立 2010年
(4)代表者 代表取締役社長 林 宏剛
http://www.bonac.com/