東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、中腰作業や重量物取り扱い等、日常的に腰に負担がかかる職場で働く方に向けて、腰に不安を抱えず安心して働くための機能性ズボン「腰囲周当(よういしゅうとう)(注1)」をユニフォームメーカーや商社等を通じて販売開始します。
今後、医療・介護福祉施設、運輸業、製造業、建設業に従事する方へ展開を進め、少子高齢化社会での「働く人の健康と安全」に寄与する新市場を、サポーターとユニフォームが融合する領域で創出していきます。販売計画は2019年に1万着、2022年に5万着を目指します。
日本では、負傷に起因する業務上疾病(約5,600件)のうち腰痛は第1位であり、その占める割合は8割(約4,700件)を超え(注2)、働く人が健康に働けなくなる要因のひとつとされます。特に、高齢者の生活を支える社会福祉施設の災害性腰痛は、この10年で2.7倍に増加しており、腰痛が原因の離職も数多く見られることから、介護人材の安定的な確保の点でも、腰痛対策は喫緊の課題となっています。
本製品は、骨盤ベルトを作業ズボンと一体化させることで、日常の何気ない動作(中腰で持ち上げる、かがむ等)に潜む腰痛リスクの低減を図ることを目的としたものです。従来の骨盤ベルトは、着脱が面倒で、「着用中にずり上がる」「正しい装着位置が不明」「ずっと着用していると窮屈」という声がありました。本製品は、ズボンと骨盤ベルトが一体化しているため、正しい骨盤位へ装着できるため、ずり上がりにくくサポート感の調整が容易なため、職場での腰痛対策の見える化、定着化に寄与します。
これまで、東レグループ工場の従業員を対象に、表面筋電図法による筋電位(注3)測定などの科学的方法で腰部負担に関する検証を進める一方、社会福祉施設びわこ学園様等のご協力を得て、実際の現場で働く方の声をもとに、改善を重ね、実使用に耐えうる仕様、ノウハウを蓄積してまいりました。
東レは、「ライフイノベーション事業拡大(LI)プロジェクト」の一環として、日常生活で着るだけで人をサポートするウェアの企画を進めており、今回はそのなかのひとつの位置です。
東レは、このような機能サポート製品の開発に今後とも注力し、社会に支えられる側と社会を支える側、両方の日々の健康と安全に寄与する製品を今後も提供していく所存です。
今回、本格販売する機能性ズボン「腰囲周当」の概要は以下の通りです。