東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、このたび、ポリエステル・綿混(T/C)織物事業について、グローバルサプライチェーンの最適化と事業高度化に向けた再編を行うことを決定しました。
その一環として、中国において青島即発集団股份有限公司(本社:山東省青島市即墨区、董事長:楊 瑋東、以下「即発」)と合弁で運営する、T/C織物事業会社の東麗即発(青島)染織股份有限公司(本社:山東省青島市即墨区、以下「TJQ」)について、東レグループが保有する全株式(株式比率:東レ 60%、東麗(中国)投資有限公司 10%)を1月30日付で即発グループに譲渡し、同グループに経営移管いたしました。
今後はT/C事業の経営資源をアセアン拠点へ戦略的に集中し、アセアンを起点としたグローバルサプライチェーンを再構築するとともに、商品の高付加価値化や糸綿/テキスタイル/縫製品一貫型ビジネスの拡充など事業の高度化を推進することで、T/C事業のさらなるグローバル拡大を図ってまいります。
東レは、1970年代にタイ・マレーシア・インドネシアでT/C織物の生産を開始し、欧米および日本市場の中高級ドレスシャツ用途向けを中心にT/C事業をグローバルに展開してきました。2005年には、中国縫製品輸出の急拡大に対応して、T/C織物および綿100%織物の紡績・織布・染色の一貫生産・販売会社であるTJQを即発グループと合弁で設立し、以来、東レグループが強みとする輸出ビジネスを中心に事業拡大と業績の向上に取り組んでまいりました。
しかしながら、TJQの業績は、中国の経済発展にともなう賃金上昇や用役コストの高騰に加え、顧客の縫製拠点のアセアンシフトが加速するなど、輸出ビジネスを取り巻く事業環境が厳しさを増す中で2012年以来低迷が続いており、今後も抜本的な収益改善は困難な状況にあります。
こうした状況を背景に、東レは即発グループとTJQの今後の運営方針について協議を重ねてきましたが、輸出ビジネスから中国内需中心のビジネスモデルへの大幅な転換を通じて収益改善と事業継続を図りたいとする即発グループの強い意向を受け、このたび東レとしては全保有株式の譲渡によりTJQの合弁事業から退き、経営権を即発グループに移譲することで合意に至りました。TJQは、社名を「青島即発新恒紡織股份有限公司」に変更し、今後は即発グループの100%子会社として同グループ傘下で事業を継続する計画です。
東レは今後、T/C事業の経営資源をアセアン拠点へ戦略的に集中し、縫製シフトにより拡大するアセアン需要を既存のアセアン各拠点において確実に取り込み、糸綿/テキスタイル/縫製品一貫型による同事業の拡大を加速します。一方、中国内需向けでは、中国およびアセアンの各拠点が有機的に連携し、スポーツやカジュアルなど商品の高度化が期待される用途において、高付加価値品の開発を核とする新しいビジネスの開拓を進める方針です。
東レは、中期経営課題“プロジェクト AP-G 2019”において、繊維事業の基本方針を「基幹事業としての収益体質の更なる強化と成長分野・地域での事業拡大」「グローバルオペレーション深化による繊維事業の飛躍的成長への挑戦」と掲げています。この基本方針の下、継続的な体質強化と事業の高度化に取り組み、グローバルな事業拡大と収益の最大化を目指してまいります。