遠近両用やわらかハード「プレリーナⅡ Rich」の発売について

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2017.04.25

東レ株式会社

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、このたび、遠近両用ハードコンタクトレンズの新製品「プレリーナⅡ Rich」を開発しました。全国の眼科、コンタクトレンズ専門店、及び眼鏡店を通じて本年4月から順次発売いたします。
 「プレリーナⅡ Rich」は、2010年に当社が発売した遠近両用コンタクトレンズ「プレリーナⅡ」シリーズの新商品として、年齢を重ねるごとに進んでいく老眼症状にお困りの方にお使いいただけます。(コンタクトレンズの使用は、眼科医の処方に従って下さい。)
 
プレリーナⅡ Rich
 近年、日本国内人口の高年齢化に伴い、コンタクトレンズ装用人口の構成においても、高年齢層の増加、拡大が進んでいます。これまで眼鏡や近視用コンタクトレンズを使用されてきた方でも、徐々に手元の見えづらさ、ピント調節のしづらさを感じ、満足な見え方が確保できなくなってきます。こうした世代毎に異なる老眼症状に合わせ、遠近両用コンタクトレンズへの開発ニーズが高まっています。特にハードコンタクトレンズは、酸素透過性が高く角膜への負担が少ない、手入れがしやすいなどの理由から、目の健康を重視する高年齢世代のユーザが多い傾向にあります。

 遠近両用ハードコンタクトレンズは、レンズの中心部(遠くを見る際にピントが合うゾーン)と周辺部(近くを見る際にピントが合うゾーン)とで、同心円状に異なる度数が配置するデザインが採用されています。「遠くを見る度数」と「近くを見る度数」の差を加入度数と呼び、老眼症状の程度が進むのに合わせ、加入度数を高くしていきます。

 2010年に当社が発売した 「プレリーナⅡ」は、近視用コンタクトレンズから初めて遠近両用コンタクトレンズへと切り替える40代の方々を主な対象とした商品です。今回、新たに発売開始する「プレリーナⅡ Rich」は、既に遠近両用コンタクトレンズを使用されている方の中でも、手元の見え方のサポートがやや物足りなく感じ始める50代以上の方々を想定し、「プレリーナⅡ」よりも加入度数を高く設計(+1.50D)、ピント矯正力を向上させた高加入度タイプの遠近両用コンタクトレンズです。また、低加入度タイプから高加入度タイプに変えることで、遠くが見えにくくなるという問題が起きやすいことを受け、「プレリーナⅡ Rich」はレンズの中心部(遠くを見るゾーン)を広く取ったデザイン設計としました。これにより、しっかりした見え方と、違和感ないピント切り替えの両立を目指しました。

 素材から自社製造の「純国産」ハードコンタクトレンズの「プレリーナⅡ Rich」は、当社従来品と同様、東レ独自の高分子テクノロジーを活かした「やわらかハード」素材を使用しています。外部からの衝撃に対してもしなやかに曲がり、お手入れ時の破損を最小限に抑えます。また、酸素透過性が高く角膜への負担が少ないため、眼科医の指導のもと、最長1週間の連続装用が可能です。

 「プレリーナⅡ Rich」の発売により、東レ「やわらかハード」素材コンタクトレンズシリーズは、近視用から遠近両用初心者向けの低加入度タイプ、手元の見え方へのより強いサポートを求める方向けの高加入度タイプまで、幅広い世代に対応できるラインナップとなりました。東レはこれからも、安心の品質をご提供していく所存です。

 本製品の詳細は下記のとおりです。
 
 
1.製品名 プレリーナⅡ Rich(販売名:プレリーナⅡ)
2.承認番号 22100BZX00996000
3.一般的名称 再使用可能な視力補正用色付コンタクトレンズ
4.クラス分類 高度管理医療機器(クラスⅢ)
5.製造販売業者 東レ株式会社
6.製品詳細 (1)希望小売価格 オープン価格
(2)発売時期 2017年4月から順次
(3)販売展開 眼科、コンタクトレンズ専門店、眼鏡店
(4)販売計画 初年度 1億円
 
7.製品特長
(1)【対象世代に適した最適レンズデザイン】
対象世代に適した最適レンズデザイン
 「プレリーナⅡ Rich」 は、レンズの中央部に遠用光学部、周辺部に中間用~近用光学部を配置しており、度数が同心円状になめらかに連続して並んでいます。手元の見え方のサポートがやや物足りなく感じ始める50代以上の方々を想定し、対象世代に適した加入度数+1.50Dに設定(既存モデル「プレリーナ」Ⅱは加入度数+1.00D)。近くを見るための度数を強めに設定し手元の見え方をしっかりサポートする高加入度タイプでありながら、遠くを見るための度数部分を広く取ることで、遠くの見え方に不満を感じさせない設計を目指しました。
 
(2)【「つけごごち」を追求した薄型非球面】
 「プレリーナⅡ」シリーズは、薄型レンズデザインを採用しております。外面カーブに非球面設計を採用することで、周辺部分のレンズ厚みを薄くし、まぶたや角膜への刺激軽減を図っています。
 
(3)【東レ独自のレンズ素材】 「つけごごち」を追求した薄型非球面
・ハードなのにやわらかい
 全ての東レハードレンズは、しなやかで割れにくい東レ「やわらかハード」素材を使用。素材の分子同士の結びつきを強くすることにより、外部からの衝撃に対してしなやかに曲がり、お手入れ時の破損も最小限に抑えます。
・高い酸素透過性 (※Dk値 156)
 東レのハードコンタクトレンズ素材には、独自の高酸素透過性素材を使用。角膜への負担が少ないため、眼科医の指導のもとで最長1週間の連続装用が可能です。(Dk値:酸素透過係数)
※Dk値 (156±31)×10-11(cm2/sec)・[mLO2 / (mL・mmHg)] (重力単位系)
 
8.製品コンセプト
―気づかなかった楽しさが、たくさん見つかる毎日になる。―
仕事もプライベートも、今までずっとコンタクトレンズと一緒に頑張ってきたあなたに、
これからもっと彩り豊かな生活を味わって欲しい。
年齢を重ねたからこその贅沢を、長く楽しんで欲しくて、「Rich」と名づけました。
以上
ホームページ http://www.toray.jp/cl/
 
<ご参考>
東レのコンタクトレンズ事業の変遷
 東レは、1981年に生体適合性に優れた高含水(含水率78%)ソフトコンタクトレンズ「ブレス・オー」を発売して以来、一貫して角膜の安全性と装用者の快適性の両立をテーマとした製品開発に努めてきました。
 ソフトコンタクトレンズでは、1984年に無水晶体眼用として、1985年に近視・遠視矯正用として日本で初めて医師の管理下で連続装用可能なコンタクトレンズの承認を取得しています。
 一方、ハードコンタクトレンズでは、1990年に、高い酸素透過性と耐破損性(割れにくさ)が特徴の「ブレスオー」ハードCLを、1998年には快適性を向上させた「ブレスオースーパーハード」を発売しています。また、2000年には老視矯正の機能を付加した遠近両用ハードコンタクトレンズ「プレリーナ」、2007年には「つけごこち」を追求した薄型デザインの「ブレスオーハードⅡ[フィット]」を発売しました。2010年には、初期老視の方を対象として、近視用コンタクトレンズからの切り替え時に違和感の少ない遠近両用ハードコンタクトレンズのエントリーモデル「プレリーナⅡ」を発売しています。

ハードコンタクトレンズの安全性について
 現在、使い捨てコンタクトレンズについては、決められた交換日数を超えての使用や、不適切な取扱方法など、誤った使用方法による眼障害が問題視されています。使い捨てコンタクトレンズは装用時の違和感が少ないことが特徴ですが、レンズ自体に水分を含むため、不適切な取扱いによる菌汚染や、眼に異常があってもレンズが柔らかいために気づかず、連続装用し症状が悪化する場合もあります。
 ハードコンタクトレンズは、レンズ自体に水分を含まないため、菌汚染の可能性が低い他、眼に傷などがあれば、ソフトコンタクトレンズに比べて早めに違和感を覚えるため、早期に発見しやすい傾向にあります。コンタクトレンズ業界では、使用者の眼への安全性の観点からハードコンタクトレンズの良さを再評価する動きもあります。
 
現在展開している東レのコンタクトレンズ
医療分野でも活躍する素材のプロ、東レならではの開発技術が、
瞳にやさしいコンタクトレンズを生み出しました。
 
近視用「やわらかハード」コンタクトレンズ
『ブレスオーハードCL』
承認番号:20100BZZ00910000
 安全性と快適性をバランスよく兼ね備えた「やわらかハード」のスタンダードモデル。独自の「東レ「やわらかハード」素材」の特性から、高い酸素透過性と耐破損性を両立。角膜形状にフィットするマルチカーブデザインが自然な装用感を実現します。 ブレスオーハードCL
 
『ブレスオーハードⅡ[フィット]』
承認番号:20100BZZ00910A01
 「つけごこち」にこだわった薄型レンズデザインの「やわらかハード」。レンズの厚みを薄くするのと同時に、直径や周辺部のデザインを細部にわたって見直し、まぶたや角膜への当たりを「ブレスオーハードCL」よりもさらにやわらげました。初めてハードコンタクトレンズを使用する方、過去にハードコンタクトレンズの違和感で断念した方にもおすすめです。 ブレスオーハードⅡ[フィット]
 
遠近両用「やわらかハード」コンタクトレンズ
『プレリーナⅡ』
承認番号:22100BZX00996000
 遠近両用コンタクトレンズをはじめてお使いになる方におすすめの、遠近両用「やわらかハード」のエントリーモデルです。手元を見る度数を弱めに設定した低加入タイプ。近くの見え方をサポートしながら、遠くもしっかりと見えるように設計しています。 プレリーナⅡ
『プレリーナⅡ Rich』
承認番号:22100BZX00996000
 遠近両用コンタクトレンズにすでに慣れている方におすすめの、遠近両用「やわらかハード」のネクストモデルです。手元を見る度数を強めに設定した高加入タイプ。手元の視界をしっかりサポートしながら、自然な見え方を追求した、東レこだわりの贅沢なレンズです。 プレリーナⅡ Rich
『プレリーナ』
承認番号:21200BZZ00604A02
 手元の見え方にこだわった遠近両用タイプの「やわらかハード」。老視が進んだ方を対象としたレンズで、手元の見え方を重視した設計です。メガネのように視界をさえぎるフレームから開放されて、遠くから近くまで自然な視界を実現。 プレリーナ
ソフトコンタクトレンズ
『ブレス・オー』
承認番号:15600BZZ00549000
 角膜とほぼ同じ含水率78%のソフトコンタクトレンズ。高含水率で角膜の代謝活動に影響が少なく、高い安定性を持っているので、白内障手術で水晶体を摘出された方に、水晶体の代わりのソフトコンタクトレンズとして使用されています。連続装用レンズ第1号として、承認を取得しました。 ブレス・オー