東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、このたび、固形がんに対する治療薬として、東レが独自に開発を進めてきた「TRK-950」について、米国FDA1)から米国での第I相臨床試験2)開始の承認を取得致しました。
「TRK-950」は、がん細胞に結合しこれを攻撃するモノクローナル抗体3)製剤です。これは、技術融合の重要性を社内外に示すために2003年に鎌倉に設立した先端融合研究所での成果であり、東レのコア技術(有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー)の深化や融合により、東レでの新たな医薬事業領域を開拓する目的で取り組んで来た結果、創出されたものです。今後、欧米でのグローバルな臨床開発を展開し、First-in-class4)のがん治療薬として、早期承認取得を目指してまいります。
東レは、長期経営ビジョン" AP-Growth TORAY 2020" において、医薬品・医療機器を中心とするライフサイエンス事業を「重点育成・拡大事業」と位置づけています。中でも医薬事業においては、「がん領域」を重点分野の一つに掲げ、世界にさきがけ、かつ、患者さまのために真に役立つ、特徴ある新薬の創製に取り組んできました。近年、社会の高齢化、QOL(Quality of Life)重視の流れに伴い、より長く、健康な人生を過ごすことへの関心がますます高まっています。東レは引き続き、革新的新薬の創出を通じて、健康社会の実現に貢献してまいります。