東レ株式会社(所在地:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、石川工場(石川県能美市)に導入した、炭素繊維 トレカ®プリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)のスリットテープの生産設備について、ボーイング社による認定を取得し、このたびボーイング787型機向けに本格生産を開始しました。
2月21日、石川工場において石川県知事や能美市長をはじめご来賓約30名のご参席の下、同設備のスタート式を執り行いました。
石川工場で生産を開始したスリットテープは、トレカ®プリプレグを細幅にスリットしたテープ状の材料で、製造の効率化、歩留まりの改善の観点から適用が拡大しています。東レグループにおいては従来、米国の子会社Toray Composites (America), Inc.(所在地:米国ワシントン州タコマ市、社長:Dennis Frett、略称:TCA)が生産・供給しており、日本国内における787型機向け需要にもTCAからの輸入で対応してきました。
このたび、石川工場で生産を開始したスリットテープは、初めての国産化であり、今後は、国内からボーイング787型機の胴体用として川崎重工業(株)に供給いたします。東レは、今回の稼働により787型機向け材料のより強固な安定供給体制を整えるとともに、石川工場を生産・開発拠点として強化し、お客様のニーズに迅速に対応することで、日本・アジア圏内における新規需要開拓を加速してまいります。
石川工場では、2009年7月に稼働したプリプレグの第1系列生産設備に加え、2014年11月に稼動した同第2系列生産設備で、ボーイング787型機向けおよびスポーツ、産業用途向けに高付加価値 トレカ®プリプレグを生産しています。
東レは、昨年TCAでトレカ®プリプレグの増設を完了したほか、サウスカロライナ州ではトレカ®およびトレカ®プリプレグの新規生産設備の建設を進めるなど、増大する787型機向けトレカ®プリプレグの需要に対応した生産能力増強に取り組んでいます。今回のスリットテープ生産開始と合わせて、引き続きグローバルな供給体制の拡充を推進してまいります。
東レは、長期経営ビジョン“AP-Growth TORAY 2020(略称:ビジョン2020)”において、炭素繊維複合材料事業を中長期に亘って収益拡大を牽引する「戦略的拡大事業」と位置付けています。今後も重点的に経営資源を投入することにより、航空機用途をはじめとする同事業のグローバルな拡大を目指します。