東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、「汚れの付きにくさ」と世界最高水準の「汚れの落としやすさ」を両立した防汚加工テキスタイル「テクノクリーン®」の新たなバリエーションとして、短繊維を使用することで天然繊維が持つナチュラルでソフトな質感を兼ね備えた「テクノクリーン®EX」を開発し、2017年1月から販売を開始します。
今後、ユニフォーム用途をはじめ、ドレスシャツやデニム、チノ・パンツ等の一般衣料用途、布団カバーやシーツ等の寝装用途、カーテンやラグマット等のインテリア用途など幅広い用途に向けてグローバルに拡大し、2016年度に1億円、2020年度には10億円の売上高を目指します。
なお、「テクノクリーン®EX」はこの度、青山商事株式会社(本社:広島県福山市、社長:青山 理)の「エアービズ®企画 パーフェクホワイト®」ブランドのドレスシャツに採用が決まりました。「テクノクリーン®」シリーズとして、一般衣料用途での採用は今回が初めてです。
「テクノクリーン®」は、東レ独自のナノスケール加工を駆使し、防汚加工時に使用する薬剤の親水性成分(汚れの落としやすさ)と疎水性成分(汚れの付きにくさ)の混合バランスをポリマーレベルでコントロールするとともに、生地上に薬剤の被膜を形成させる際に、親水性と疎水性の成分を立体的に配置することで「汚れの付きにくさ」と、「汚れの落ちやすさ」のそれぞれの機能を最大限に発揮させる防汚テキスタイルです。ポリエステル100%といった単一素材を用いた長繊維テキスタイルで高い防汚性を発現することから、機能性が優先されるユニフォーム用途を中心に採用が進んできました。
しかしながら、これまで短繊維を使用したテキスタイルや複数の繊維素材を混用したテキスタイルでは、多様な表面形状やそれぞれの繊維の性質に合わせて、生地表面に薬剤の被膜を均一に形成させることは困難でした。
今回、薬剤の被膜形成プロセスにおいて、親水性ポリマーと疎水性ポリマーの立体的配置の均質化をナノレベルでより最適化することにより、被膜の偏在を抑制するとともに、多様な種類・形状の繊維素材との親和性を高め、均一な被膜形成に成功しました。これにより、綿をはじめとする天然素材との混用を含めた短繊維テキスタイルでも、従来の「テクノクリーン®」と同等の高い防汚性を実現することができ、従来のユニフォーム用途に加え、一般衣料用途など天然繊維のナチュラルでソフトな風合いが求められる各種用途へも幅広く展開が可能となりました。
なお、「テクノクリーン®EX」は環境残留性と生体蓄積性が知られているPFOA(パーフルオロオクタン酸)を含まない薬剤を使用しており、環境に配慮した素材です。
東レは、今後とも、高い機能性が求められるユニフォーム素材の開発で培った技術を駆使し、機能性に加え、高い快適性や感性を兼ね備えた製品の企画・展開を通じて、より良い社会の実現に取り組んでまいります。
「テクノクリーン®EX」の詳細は以下の通りです。