記
|
 |
 |
 |
|
1. |
技術ポイント |
 |
① |
従来のバリア膜は比較的硬いケイ素化合物薄膜を使用することが多いが、屈曲や切断加工においてクラックや欠けが生じやすいため、柔軟性に着目した膜材料を開発・採用した。 |
 |
② |
薄膜構造はSEM(走査電子顕微鏡)・TEM(透過電子顕微鏡)、XPS(X線光電子分光法)などによる元素組成と観察が主体だったが、フィルム上の100nm以下の薄膜となると内部構造や緻密性の十分な情報を得ることが困難であった。これに対して当社は、X線反射率法(XRR)を活用した独自の膜密度解析技術と緻密性の評価法を確立した。 |
 |
③ |
従来のXRR法ではフィルム表面の凹凸や湾曲の影響により精度は不十分だったが、大学と共同でフィルム用の測定方法を確立し、0.1[g/cm3]以下の精度で薄膜の密度情報を取得することに成功した。 |
 |
④ |
組成情報と密度情報を組み合わせることでバリア膜の緻密性を定量的に把握し、それを材料組成と成膜プロセス条件にフィードバックすることでバリア膜の緻密性を定量的に把握し、それを材料組成と成膜プロセス条件にフィードバックすることで、バリア性の最適化を図ることが可能となった。 |
 |
⑤ |
膜材料の開発と、構造解析技術とを組合せることで、バリア層の膜厚を極限まで薄くすることを追求した結果、膜厚50nm以下においても、水蒸気透過率が10-4[g/m2・day]レベルのバリア性能を安定的に作製できる技術を確立した。 |
 |
⑥ |
現在、膜厚100nm以下で究極のバリア性と言われている10-6[g/m2・day]レベルのバリア性能を達成する技術を研究中。 |
|
 |
 |
 |
2. |
用途 |
有機EL等のフレキシブルデバイス、リチウムイオン電池、医薬、特殊電子部品などの外装・パッケージ材料 |
 |
|
 |
 |
<用語説明> |
1) |
水蒸気透過率 |
 |
単位面積、単位時間あたりの水蒸気透過量。バリアフィルムの場合、面積1[m2]、1[日]あたりの水蒸気透過量[g]を、[g/m2・day]の単位で表すことが多い。 |
|
 |
 |
|
 |
 |
 |
以 上
|