東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)はこのたび、Toray Plastics (America), Inc.(本社:米国ロードアイランド州、社長:Michael F. Brandmeier、以下「TPA」)が製造するポリオレフィン発泡体「トーレペフ®」の生産能力増強を決定しました。総投資額は約40億円で、TPAバージニア工場(米国バージニア州)に年産3,000トンの生産設備を増設し、2018年初からの稼働開始を目指します。今回の増設により、TPAのトーレペフ®年産能力は7,500トンに拡大します。
トーレペフ®は、独自製法によるポリオレフィン系発泡体であり、軽量、断熱性、緩衝性、成形性、非吸水性等の特長を生かして、自動車の内装や家電製品の断熱材、住宅・土木用のクッション材など様々な用途に採用されています。特にTPAが独自開発した品種、ToraSoft™は、ソフトな質感と成形加工性の高さから、自動車用途で売上を伸ばしています。
北米の自動車生産台数は2008年金融危機後の約1,200万台の水準から堅調な成長を持続しています。原油価格下落に伴う低ガソリン価格の後押しもあり、2015年には約1,750万台を超過、2016年以降も緩やかな成長を続けると考えられています。
自動車市場が拡大する中、北米自動車メーカー各社の車種差別化戦略にともなう内装材高級化により、ドアトリムなどのソフトタッチ自動車内装材用として「トーレペフ®」の採用が増加しています。さらに、内装材のデザイン統一化が進み、従来主用途であったドア材に加え、インストルメントパネル材への採用も拡大する計画です。
今回の生産能力増強は、北米での自動車内装材用途の需要拡大に対応するべく実施するものであり、TPAでの早期の生産能力拡充により、さらなる事業拡大と市場への供給責任を果たして参ります。
東レは、中期経営課題 “プロジェクト AP-G 2016” における基本戦略の一つとして、成長著しい国や地域で積極的に事業拡大を図る「アジア・アメリカ・新興国事業拡大(AE-Ⅱ)プロジェクト」を推進しており、今回の生産能力増強はこのAE-Ⅱプロジェクトの一環です。また、自動車用途は、航空機と並んで今後大きく拡大する分野の一つであり、樹脂・ケミカル事業だけでなく、繊維やフィルム、電子情報材料、炭素繊維複合材料などあらゆる事業で積極的に経営資源を投入していく予定です。東レは今後も成長領域・成長地域での持続的な成長を目指し、事業拡大を推進していく所存です。