東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣)の「繊維事業におけるグリーンイノベーション製品(以下「繊維GR製品」)」の2015年度連結売上高は、2014年度(連結売上高1,444億円)比17%増の1,693億円となり、連結ベースで過去最高となりました。なお、全社のグリーンイノベーション製品の売上高(2015年度:連結売上高6,571億円)に占める、繊維GR製品の比率は26%でした。
2015年度の繊維GR製品の売上高は、植物由来原料を使用した素材の企業向けユニフォームやスポーツ衣料用途への拡販を要因として、「バイオマス由来」素材の売上高が、前期比63%増と大きく伸びました。また、環境配慮型撥水素材への転換や、自動車向け非ハロゲン系難燃繊維素材の拡販などを要因として「環境低負荷」素材の売上高が、前期比26%増と拡大しました。
東レは、未来を生きる人々のために、サステナブルな地球、社会に貢献する革新的な技術・素材の開発を目指し、中期経営課題“プロジェクト AP-G 2016”において、地球環境問題や資源・エネルギー問題に対しソリューションを提供するグリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクトを進めています。
繊維事業においては、化石原料に頼らない植物由来原料を使用したバイオマス素材の拡販に注力しています。部分植物由来ポリエステル繊維 エコディア®PETや3GT繊維をはじめ、植物由来原料を一部に使用したスエード調人工皮革Ultrasuede® PX(ウルトラスエード® ピーエックス)など、展開素材を拡充しています。
2015年には、エコディア®PETを使用した遊泳水着向け素材「エコディア® for swim」の展開を新たに開始しました。加えて、エコディア®PETは2015年にエコマークの植物由来合成繊維基準の適合品となったことを契機に、企業向けユニフォーム用途を中心に、様々な分野・用途で採用が拡大しています。
また、植物由来のテレフタル酸を使用した完全バイオポリエステル繊維は、2020年近傍での事業化を目指して順調に開発を進めています。