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2016.07.07
東レ株式会社
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)の韓国における100%子会社であるToray Advanced Materials Korea Inc.(本社:大韓民国ソウル特別市、会長:李泳官、社長:金相弼、略称「TAK」)は、7月6日(水)、大韓民国全羅北道群山セマングム産業団地にて、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂 トレリナ®を生産する新工場の竣工式を開催しました。 竣工式には、産業通商資源部の周亨煥長官や、全羅北道の宋河珍知事、群山市の文東信市長など約200名の出席がありました。 今回の新工場は、2013年10月に決定した、東レグループとして初となる海外でのPPS樹脂生産拠点です。PPS樹脂の主原料である水硫化ナトリウム(NaSH)、パラジクロロベンゼン(p-DCB)も自製することで、コスト競争力を有した主原料からポリマー、コンパウンドの一貫工場となります。 本工場は、年産8,600トンの重合設備を有し、今回の稼働により既存の東レ東海工場とあわせた東レグループとしてのPPS樹脂重合能力は年産27,600トンまで拡大します。 また、既に2015年10月からは、樹脂に機能性の加工を施すためのコンパウンド設備を先行して導入しており、年産3,300トンの能力でお客様への出荷を行っています。 新工場で生産したPPS樹脂は、韓国内消費分だけでなく、中国を中心とした東レグループの各コンパウンド拠点へ供給し、グローバルな事業拡大を一層進めていきます。 PPS樹脂は、耐熱性や耐薬品性、機械的強度、難燃性等に優れた「スーパーエンプラ」で、自動車の電装部品や電機・電子機器、OA機器、住設関連部品等に使用され、採用領域が更に拡大しています。 東レグループは、PPS樹脂をコンパウンドの他に、フィルムや繊維としても展開する総合PPSメーカーであり、世界ナンバーワンの事業規模を誇ります。今回の生産拠点新設により、樹脂コンパウンド分野で今後の需要増が期待できる高機能・環境対応製品への用途展開を推進し、世界ナンバーワンのポジションを一層強化していく考えです。 東レグループは、今年度の完遂を目指している中期経営課題“プロジェクト AP-G 2016”において、「成長分野および成長地域における事業拡大」を基本戦略の一つに掲げています。 「持続的に収益を拡大する企業グループ」を目指し、今後も拡大が見込まれるアジア・アメリカ・新興国市場や、自動車、電機・電子機器、住設関連部品といった成長分野での需要を取り込み、樹脂事業の更なる拡大を図っていく所存です。
以 上
<竣工式での日覺社長ご挨拶要旨>
日時 : 2016年7月6日(水)11:00~13:20場所 : TAK群山工場(PPS樹脂新工場)内・式典特設会場
東レグループの韓国における事業展開の歴史は古く、1963年のナイロン技術の供与・プラント輸出に始まり、1999年には韓国東レグループの中核をなす東レセハン社を設立、フィルム、IT素材、繊維事業を展開してきました。その後、社名をToray Advanced Korea(TAK)にあらため、炭素繊維複合材料などの先端分野にも事業を拡大し、今では東レグループの中でもトップクラスの競争力と収益力を持つ優良企業になっています。
本日、TAKの新たな事業として、この全羅北道において世界で初めてPPS樹脂の原料からポリマー、コンパウンドまでの一貫生産を行う新工場の竣工式を行えることは、韓国での東レグループの新たな一歩であり、TAKの新たな歴史を切り拓く大きな成果でもあります。 PPS樹脂は、アジアを中心にグローバルな需要拡大が見込まれます。東レは最適立地という考え方から、この拡大するPPS樹脂の需要に応えるために、ここ群山市セマングム産業団地への新拠点の建設を進めて参りました。 東レは、このPPS樹脂を戦略的拡大素材と位置づけて事業拡大を推進しています。今回の新拠点の稼働開始により、世界ナンバーワンのPPS樹脂メーカーとしての地位を一層確実なものにできると確信しています。 東レグループは、韓国での事業運営にあたり、企業として短期的に利益を求めるのではなく、長期的な視点をもって、韓国の各地域で産業振興・技術水準の向上に貢献しています。地域社会および従業員とともに成長してきた歴史が、東レグループの韓国事業の拡大と成長を支えてきた柱の一つであると考えています。 この全羅北道の地においてもこの基本方針に基づき、PPS事業を引き続き大きく発展、拡大させていくためにも、我々はまず、確実かつ安全に生産を立ち上げていくとともに、フル生産を早期に達成できるよう注力して参ります。