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弊社千葉工場での揮発性有機化合物大気排出量自主削減設備の設置に伴う不適切な対応について(ご報告・お詫び)

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2016.06.16

東レ株式会社

 弊社千葉工場(工場長 福冨功)が昨年12月に設置し、本年1月から試運転を開始したPRTR(*1)第7期自主削減設備(アクリロニトリル(以下、AN)等の揮発性有機化合物大気排出量自主削減設備)について、「環境の保全に関する協定書」に基づく事前協議を 行わなかったこと、また当該設備設置に関わる工事期間並びに試運転中の不調に伴うバックアップ措置並びに千葉県・市原市への報告を適切に行わなかったこと等が判明し、千葉県並びに市原市から改善指示書を頂きました。安全・防災・環境保全を最優先の経営課題とする弊社と致しましては、誠に恥ずべき事態で有り、深く反省しますと共に、千葉県並びに市原市から頂いたご指示事項を厳粛に受け止め、全力で改善に努める所存です。また、AN等揮発性有機化合物の大気排出量自主削減につきましても、引き続き重要課題として少しでも排出量を低減出来るよう努めて参ります。
 本件の顛末と今後の取り組みについて、以下の通りご報告致します。

 *1:化学物質排出把握管理促進法に基いて平成13年度から施行された「環境汚染物質排出・移動量登録制度」

1. 経緯
(1) 千葉工場では平成7年からAN等の大気排出量自主削減に取り組んでおり、平成26年度のAN大気排出量は15.8トンで平成7年度対比88.3%削減しています。更なる改善として、平成23年に設置したPRTR第6期設備(水吸収設備)が当初設計通りの性能で運転することが出来ていなかったため、これを平成27年9月1日に撤去し、同年12月14日に更に高性能の第7期設備(シリカゲル吸着回収設備)を設置しました。しかし、この間、平成27年9月1日から1月6日までバックアップ措置を取らずに生産を継続したこと、1月7日から第7期設備を稼動後は安定運転条件確立のため休日・夜間は停機したこと、また4月に入り第7期設備の重要機器である真空ポンプの故障・修理・設備改造等のため4月20日までの間一時休止を余儀なくされたにも関わらずこの間生産を継続したこと、という不適切な対応がありました。
(2) 一方、市原市が千葉工場の東側に設置されている大気観測点でのAN濃度が昨年9月並びに昨年12月以降高めに推移し、国が定めた指針値(2μg/m3)を年間平均で超える状況となったことから、4月20日に千葉県と市原市合同の立ち入り調査が実施されました。その際、第7期設備が「環境の保全に関する協定書」に基づく事前協議の対象に該当するが事前協議が実施されていないこと、並びに千葉県・市原市への報告が適切に実施されなかったことのご指摘を頂きました。
(3) この為、翌4月21日から、第7期設備に関係する生産工程(AS樹脂バッチ重合工程)を停機致しました。その後、千葉県・市原市のご指導を受けて、5月26日に顛末を報告し、受理して頂きました。
2. 県・市のご指示事項への対応
(1) 本日、千葉県並びに市原市から、以下の2つについて改善指示を頂きました。
当該公害防止施設の更新、再発防止対策について、千葉県及び市原市と協議を行うこと。
協議が完了するまでは、関連する生産設備の稼働を停止すること。
(2) これを受け、公害防止施設の更新及び再発防止対策について、千葉県並びに市原市と協議させて頂いています。
3. 再発防止対策
地域の環境保全に重要な役割を果していることを認識し、今回の不適切な対応を猛省すると共に、千葉県・市原市からの改善指導を厳粛に受け止め、協定内容から逸脱しないように弊社一丸となって以下の再発防止対策に取り組みます。
(1) 事前協議の要件確認
「環境の保全に関する協定書」の事前協議要件の該当性を確認し、千葉県・市原市への相談を徹底します。
(2) 第7期PRTR対策設備停機時の対応
第7期PRTR対策設備の停機時は関係する生産工程(AS樹脂バッチ重合工程)を停機します。
(3) 市原市モニタリング速報値への対応
指針値超過の連絡があった場合は全てのPRTR設備を確認し、異常の有無を報告します。
速報値は毎月の工場安全衛生環境委員会にて従業員に周知し、環境保全に対する意識を高揚させます。
(4) 協定、有害性に関する知識のレベルアップ
「環境の保全に関する協定書」「環境の保全に関する細目協定書」並びにANの環境(有害大気汚染物質)・健康に対する有害性について社内教育を実施します。
(5) 以上の当面の対策と併行して、環境管理体制の更なる強化について千葉県・市原市と協議のうえ実行して参ります。
以上