「エコディア® PET」は、植物由来エチレングリコールと通常の石油由来テレフタル酸を重合・溶融紡糸した植物由来分約30%のポリエステル繊維です。基本物性は従来の石油由来ポリエステル繊維と変わらず、さまざまな高次加工や機能性付与が可能です。東レは2013年に衣料用途で、部分植物由来ポリエステル繊維を上市しました。
今回の遊泳水着向けにはファインデニールの「エコディア® PET」とプール水中塩素への耐久性に優れた「ライクラ®ファイバー」を組み合わせたニット素材「エコディア® for swim」を展開します。遊泳水着に必須である優れたUVカット機能(UPF50+)を備えるとともに、体を締め付けすぎないソフトな着心地が特徴であり、きめ細やかな生地表面は精密なプリントを可能とし、色柄を鮮やかに発現します。
ファッション業界では、スポーツアイテムを日常ファッションに取り入れる「スポーティーミックススタイル」が注目されており、来季の遊泳水着のトレンドにも波及しています。また消費者のライフスタイルの多様化に伴い、従来の海水浴需要だけでなく、野外フェスやアウトドア、タウンユースなどにも水着の着用シーンが広がっています。本素材は水着だけでなく、ラッシュガードなどの水際周辺アイテムにも展開し、あらゆる着用シーンに対応します。
近年、「エシカル」※1「サステナビリティ」といった、環境保全や社会貢献、人と地球の持続的発展を意味するキーワードが衣食住で取り上げられるようになり、消費者の関心も高まっています。東レはこのような社会動静を捉え、「すべての事業戦略の軸足を地球環境に置き、持続発展可能な低炭素社会の実現に貢献していく」という経営方針のもと、環境配慮型素材・製品の事業拡大を目指すグリーンイノベーション事業拡大プロジェクトに全社を挙げて取り組んでいます。当社は「エコディア® PET」を地球環境問題の解決に貢献する次世代の基幹素材と位置づけており、今回の遊泳水着市場への投入でさらなる展開拡大を図るとともに、植物由来素材の普及に向け邁進する所存です。
「エコディア® for swim」の概要は下記の通りです。