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2015.04.27
東レ株式会社
東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺昭廣)は、この度、航空機用タイヤコード等に使用される世界最高水準の強力を持つ超高強力ナイロン糸を使用した鞄地用テキスタイル 鎧布™を、5月より発売します。本素材は、高い強度と良質な外観が評価され、株式会社吉田(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉田輝幸)の展開するPORTER(ポーター)ブランドの2015年秋冬モデルのビジネスバッグへの採用が決まっています。当社は、鎧布™の特長を活かし、ビジネス向けやアウトドア向けの鞄地用途に提案し、今後は強度が要求される衣料や資材等への展開を計画しています。 鎧布™の販売目標は、2015年度1億円/年、2020年度には5億円/年です。
昨今、PCやタブレット機器等の重量のある荷物を持ち運ぶ機会が増加しており、ビジネスバッグをはじめとする鞄市場において、破れにくい耐久性を備えた素材が求められています。それに加えて、商品の差別化のため、メイド・イン・ジャパンの高機能、高品位の素材への関心が高まりつつあります。 鎧布™は当社の世界最高水準の超高強力ナイロン糸を使用したテキスタイルであり、日本の高い技術力を用いて国内で原料の重合から製織工程まで行っているメイド・イン・ジャパンの素材です。 鎧布™に使用しているナイロン糸は、当社の高粘度ポリマーの設計技術とそのポリマーを使用した紡糸技術により開発されたものです。繊維の強力はポリマーの粘度に応じて向上しますが、このナイロン糸は、高粘度ポリマーを使用することで、通常のナイロン糸よりも高い強力を実現しています。また、繊維の延伸工程を繰り返し行い、分子配列を整え、分子同士の結びつきを高めることで原糸の強力を高めています(多段延伸プロセス)。 さらに、このような超高強力ナイロン糸を使い、鞄地用途で要求される良質な外観の織物とするには高い技術力が必要ですが、鎧布™は、国内の製織メーカーの長年のノウハウを活用することで原糸の強力を最大限に発揮させながら良質な織物素材として量産することが可能となりました。その結果鎧布™は従来の一般のナイロン素材の鞄地に比べ、約2倍の引裂強度と約1.6倍の引張強度を実現しました。 東レは、長期経営ビジョン“AP-Growth TORAY 2020”において、東レグループが目指す企業イメージのひとつに先端材料の東レを掲げています。今回の鎧布™は当社の高分子化学をベースとした先端テクノロジーを駆使し、分子構造レベルから設計・開発された素材です。 今後も当社は、繊維事業で長年にわたり蓄積した技術力を活かし、合繊素材の新たな可能性を追求します。鎧布™の概要は以下の通りです。