東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)が展開する炭素繊維材料が、このたび、トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男、以下「トヨタ自動車」)が本年12月より発売する燃料電池自動車「MIRAI」に採用されました。今回、「MIRAI」に採用された東レの炭素繊維材料は、①自動車構造部品向けに開発した熱可塑性炭素繊維複合材料(熱可塑CFRP)、②燃料電池スタックの電極基材用カーボンペーパー、③高圧水素タンク用高強度炭素繊維の3つです。
今回、熱可塑CFRPが適用された部品は、自動車のフロア部分に相当する「スタックフレーム」という部品です。熱可塑性樹脂の特徴を活かしプレス成形時間を短時間で終了できる大量生産に適した熱可塑CFRPをトヨタ自動車と共同開発したもので、量産車の構造部品への採用は世界初となります。
また、燃料電池自動車の心臓部分である燃料電池スタックの電極基材には、東レが30年来開発をしてきたカーボンペーパーが採用されました。このカーボンペーパーは、ガス拡散性、耐久性などの要求特性を兼ね備えており、燃料電池スタックの性能向上、省スペース化に貢献しています。
さらに「MIRAI」の高圧水素タンクには、高圧水素タンクに求められる安全性や強度・軽量性を両立させるために開発した専用の高強度炭素繊維が採用されました。
東レは、「全ての事業戦略の軸足を地球環境に置き、持続可能な低炭素社会の実現に向けて貢献していく」という経営方針のもと、地球環境問題や資源・エネルギー問題を解決し、持続可能な低炭素社会の実現に貢献していくことを目指しています。また、本年4月からスタートした中期経営課題“プロジェクトAP-G 2016”の全社プロジェクトのひとつである、「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」においても、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を実現すべく、成長市場への先端材料の積極的な拡大に注力していく所存です。炭素繊維複合材料による航空機や自動車などの軽量化で省エネルギーを推進するとともに、今後も自動車用途に向けた技術開発を加速していきます。
※2014年11月現在東レ調べ