ボーイング777X向け炭素繊維“トレカ®”プリプレグの供給

facebookでシェアする twitterでシェアする Linkedinでシェアする

2014.11.17

東レ株式会社

 東レ株式会社(所在地:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、米国のThe Boeing Company(本社:米国イリノイ州シカゴ、以下「ボーイング社」)との間で、新型機「777X」向けに炭素繊維“トレカ®”プリプレグを供給することに基本合意しました。これに伴い、「787」を対象とした包括供給契約(2005年11月締結)について、「777X」を供給対象に含めた、契約期間をさらに10年以上延長することを前提に、年内最終合意を目指し契約延長を交渉していくことを確認した覚書を締結しました。今後の「787」、「777X」両プログラム向けの契約期間における東レグループの供給総額は、1兆円を超える見込みです。

 また、今回の覚書では、航空宇宙用途における炭素繊維複合材料の適用を更に促進するため、設計、材料、部品生産に跨がる広範な領域で両社が共同開発を進めることを前提に、契約交渉をしていくことも確認しています。

 「777X」は、ボーイング社が、現行「777」の後継機として2020年に初号機を納入する計画で開発を進める大型双発旅客機です。ボーイング社は同社エバレット工場敷地内(米国ワシントン州)に炭素繊維複合材料製主翼を製造する専用工場を建設中で、その主翼材料に“トレカ®”プリプレグの採用が決定しました。

 「787」については、当初から主翼、胴体などの一次構造部材に“トレカ®”プリプレグが採用されていますが、生産機数を現行の月産10機から、2016年に月産12機、更に2019年末までには月産14機まで引き上げることが計画されており、また今後は「787」ファミリーの派生型(モデルミックス)の導入により複合材料需要増も見込まれます。

 東レは現在、「787」月産12機への増産に対応するため、米国子会社Toray Composites (America), Inc.(所在地:米国ワシントン州タコマ市、社長:仲摩良一)において、2016年1月稼働開始予定で“トレカ®”プリプレグ生産系列の増設工事を進めています。今回の受注拡大を受けて、本年2月に米国サウスカロライナ州スパータンバーク郡に取得した事業用地(総敷地面積約160万m2)での、原糸(プリカーサ)から炭素繊維“トレカ®”および“トレカ®”プリプレグまでの一貫生産設備の新設計画を近く具体化する予定です。

 東レは、本年4月からスタートした新中期経営課題“プロジェクト AP-G 2016”の中で、炭素繊維複合材料事業における航空宇宙分野での飛躍的な事業拡大を計画しています。今回のボーイング社との契約延長はその計画に沿ったもので、今後とも、ボーイング社の増産計画に合わせて材料安定供給体制を拡充し、事業構造の高度化と収益拡大を進めていきます。


以上