• HOME
  • ニュースルーム
  • ボーイング向け炭素繊維“トレカ®”プリプレグにおける スリットテープ生産設備導入について

ボーイング向け炭素繊維“トレカ®”プリプレグにおける スリットテープ生産設備導入について

facebookでシェアする twitterでシェアする Linkedinでシェアする

2014.09.26

東レ株式会社

 東レ株式会社(所在地:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、石川工場(石川県能美市)において、炭素繊維“トレカ®”を使用したプリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)をスリットテープに加工する生産設備を導入することを決定しました。スリットテープは、“トレカ®”プリプレグを細幅にスリットしたもので、ボーイング社による設備認定を取得した後、2016年7月にボーイング787型機向けに供給を開始します。

 石川工場では、2009年7月に“トレカ®”プリプレグ第1系列を稼働した後、スポーツやIT機器、自動車などの高付加価値産業用途に加えて、ボーイング787向けに“トレカ®”プリプレグを供給しています。また石川工場は、2013年7月には第2系列増設を決定しています。

 今回導入する設備で生産するスリットテープは、米国の子会社Toray Composites (America), Inc.(所在地:米国ワシントン州タコマ市、社長:仲摩良一、略称:TCA)が供給しているもので、日本国内における787型機向け需要も米国からの輸入で対応しています。石川工場にスリットテープ生産設備を導入することで、当社では初めてのスリットテープ国産化となり、日米二拠点供給によりボーイング787型機向け材料供給がさらに盤石なものとなります。
 
 ボーイング787型機は、現在月産10機で生産されていますが、2016年に月産12機に、2019年末までには14機へ生産機数が引き上げられる計画です。東レは、増大する787型機向け“トレカ®”プリプレグ需要に対応して、今年2月にTCAにおける“トレカ®”プリプレグ設備能力の増強を決定しており、今回のスリットテープ生産設備導入と併せて787型機向け需要増に対応していきます。

 東レは、航空宇宙用途への積極的な経営資源投入により、本年4月からスタートした新中期経営課題“プロジェクト AP-G 2016”で掲げた炭素繊維複合材料事業の飛躍的な事業拡大を実現してまいります。


以上
 

<ご参考>
1. 東レ(株)石川工場の概要
 (1)所在地  :石川県能美市北市町リ1
 (2)設立   :1975年6月
 (3)敷地面積 :約35万m2
 (4)従業員数 :300名
 (5)生産品目 :ナイロン長繊維、ポリエステル長繊維“テトロン®”、 炭素繊維“トレカ®”プリプレグ
 (6)工場長  :竹内 芳裕

2.Toray Composites (America), Inc.の概要
 (1)所在地  :米国ワシントン州タコマ市
 (2)設立   :1992年5月
 (3)資本金  :114百万ドル(TORUS100%出資)
 (4)事業内容 :炭素繊維“トレカ®”プリプレグの製造販売
 (5)代表者  :仲摩 良一

3.スリットテープとは
 炭素繊維を一方向に配列した広幅プリプレグを、繊維方向と平行に、幅数mmから数cmにスリット加工したテープ状プリプレグのこと。スリットテープが自動機を用いてツール上に連続的に積層され、部材形状に加工されることから、この加工法はAFP(Advanced Fiber Placement)と呼ばれる。細幅のスリットテープが曲面に沿いやすいことから、AFPは複雑形状を有する複合材料部材の高精度・高速生産に適した成形加工法として近年有望視され、適用事例が増えている。


以上