サウジアラビア王国・サルマン皇太子殿下、安倍首相ご臨席の下、 アブナヤン･ホールディング（サウジアラビア）と東レが合弁事業に調印

東レ株式会社
Abunayyan Holding Company

　東レ株式会社(本社：東京都中央区、社長：日覺昭廣、以下「東レ」)とAbunayyan Holding Company(アブナヤン・ホールディング・カンパニー、本社:サウジアラビア王国・リヤド、以下「AHC」)は、サウジアラビア王国のサルマン・ビン・アブドルアジーズ皇太子殿下と安倍晋三首相ご臨席の下、サウジアラビア王国・ダンマン市に水処理・排水処理技術の合弁会社「Toray Membrane Middle East LLC(トーレ・メンブレン・ミドルイースト社、以下「TMME」)を設立する契約に本日調印しました。

　新会社TMMEは、東レの水処理子会社Toray Membrane Europe AG (トーレ・メンブレン・ヨーロッパ社、略称「TMEu」、本社:スイス連邦・バーゼル、社長:山村弘之)とAHCが出資し、水処理膜の製造・販売および技術サービスを行います。総投資額は300百万サウジリアル(80百万米ドル、82億円)を見込んでいます。

　TMMEでは、サウジアラビアのダンマン第3工業区内に世界規模の逆浸透(RO)膜エレメント生産工場を新たに建設し、2015年から東レの生産技術と世界品質管理基準を適用した生産を開始します。これにより東レグループのRO膜エレメント生産拠点は現在稼働中の、日本(東レ愛媛工場) 、米国・カリフォルニア(Toray Membrane USA, Inc.(トーレ・メンブレン・ユーエスエー、略称「TMUS」))、中国・北京(藍星東麗膜科技(北京)有限公司、略称「TBMC」)に、サウジアラビア(TMME)を加え、世界4工場体制となります。

　東レはサウジアラビアのすばらしい未来を実現するという課題に取り組むため、世界的な水問題の解決に挑戦し続けています。 AHCは革新的な設計とエンジニアリングを用いて、最新技術による水資源とエネルギー資源の最も経済的かつ有効な活用に焦点を当て続けています。AHCは電力・淡水化分野でのサウジアラビアを代表する戦略的企業のグループであり、サウジアラビアひいては中東および北アフリカ全域(Middle East and North Africa, MENA)の顧客に対して先進技術かつ戦略的な水・電力ソリューションを提供してトップ企業になるという戦略的目標を設定しています。サウジアラビアの企業はグローバル化への要求と挑戦に直面していますが、AHCはこれまで60年以上にわたる国際企業との提携により得られた経験を有することで、アラブ世界全体において強い競争力があります。

　今回のTMMEの設立により、東レとAHCは、強力な販売ネットワーク、高品質な製品、優れた技術サービスによって、急速に成長する巨大なMENA市場の需要に対応し、水処理膜分野でMENA地域におけるリーディングカンパニーとしての強固な地位を確立する所存です。またTMMEは、東レグループのグローバルな水処理膜販売および技術サービスネットワークの一翼を担うことになります。

　世界的な水不足、継続的な水資源確保需要、本質的な環境意識への高まりを受け、世界のRO膜市場は大きな拡大を続けています。MENA地域では、水不足対策として大規模な海水淡水化プロジェクトや下廃水のリサイクル利用の大幅な需要増加が見込まれており、TMMEは優位に事業拡大を進めることが可能と考えています。

<東レの水処理膜事業について>
　海水からの飲料水製造は従来、蒸発法が主流でした。しかし今日、省エネルギーとライフサイクルコストで利点のある逆浸透法の採用が増加しています。東レ はナノテクノロジーをベースとした高分子分離膜技術などの深化により、海水淡水化に最適な逆浸透(RO)膜を開発しました。現在では東レは世界市場の 30%のシェアを獲得しており、サウジアラビアや他の中東諸国の大規模な海水淡水化プラントを含め、主要なプロジェクトに東レ製の逆浸透膜が使用されてい ます。さらに東レは精密濾過(MF)膜、ナノ濾過(NF)膜、限外ろ過(UF)膜も製造し、上水、廃水の様々な水処理プラントに適用いただいています。

<アブナヤン･ホールディング(AHC)について>
　AHCは、水・電力・エネルギー分野における統合的なソリューションを提供する、総合企業です。水処理、石油、ガス、電力関係の貿易、製造、サービス、 投資に14の子会社群を通じて取り組んでいます。サウジアラビアの持続可能な未来を確保するという課題に対し、革新的な設計とエンジニアリングを用いて、 最新技術による水資源とエネルギー資源の最も経済的かつ有効な活用に焦点を当て続けています。