2.TFT素子間バラツキ
TFTの実用化に向けては、広い面積に数多く配置されたTFT素子間のバラツキをできるかぎり小さ くする必要があります。半導体純度を高める前の単層CNTでは、金属型CNTが電極間を橋渡し(短絡)する確率が高く、素子間バラツキの主原因の一つと なっていました。今回開発した技術で金属型CNTによる短絡確率が大幅に低下したことにより、素子間バラツキを4分の1にまで低減することができました。
なお、本技術で用いた高半導体純度単層CNTサンプルは、NEDO「低炭素社会を実現する革新的カーボンナノチューブ複合材料開発」プロジェクトにおいて、技術研究組合 単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)より提供いただきました。
本研究の成果は、3月17日~20日に青山学院大学で開催される春季応用物理学会で発表する予定です。
【用語について】
1)移動度:半導体中の正孔・電子などのキャリアの動きやすさの指標。移動度が大きいと高速応答が可能になり、またTFTサイズを小さくできるため微細化にも有利。
2)オンオフ比:TFT出力電流の最大値と最小値の割合。ディスプレイ用TFTの場合、オンオフ比が大きいほど明暗がつけやすい。
3)TASC:技術研究組合 単層CNT融合新材料研究開発機構
以上