世界最高水準の細繊度ナイロン長繊維を使用したテキスタイル“ミラニー™”を発売

東レ株式会社

　東レ株式会社(本社：東京都中央区、社長：日覺昭廣、以下「東レ」)はこのたび、ナイロン超極細繊維を使用したファッション用テキスタイル“ミラニー™”を開発しました。本素材は、単糸繊度を世界最高水準の0.2デシテックスクラスまで細くした高異形(くさび形)断面のナイロン超極細繊維を採用、きめ細やかでサラッとした肌になじむ触感、ソフトでありながら適度なコシのある風合いを実現しました。
　ターゲットとするアイテムは、素材そのものに鮮度と洗練された上質感が同時に求められる、レディス及びメンズ向けのダウン・中綿コートを中心に、ブルゾン、ジャケット等のアウターです。2014年秋冬シーズン向けから販売を開始し、販売価格は1,200円/m～1,800円/m(120cm～140cm幅、アパレル入り価格)、販売計画は初年度2千疋(1疋＝約50m)、3年後には1万疋を予定しています。

　“ミラニー”は、東レ独自の特殊断面形成複合紡糸技術と新規ポリマー設計、さらにテキスタイル加工技術を駆使して作り上げた織編物です。一般的に超極細繊維を使用したテキスタイルは、極めてやわらかで肌に吸いつくような風合いとなります。一方、今回開発した素材は、原糸の高異形断面化により、生地の表面に微細な凹凸を有し、肌との接触面を少なくすることで、超極細繊維を使用しながらもサラッとした触感を実現しました。また異形断面化により通常の丸断面の原糸に比べて曲げ応力がアップし、ナイロンのしなやかさやその特長を活かしたテキスタイル加工によって、超極細繊維のやわらかさを残しながら、コシのある風合いを生み出しました。

　ポリエステル素材の分野において、東レは1993年より超極細繊維テキスタイル“uts®(ユーティーエス)”シリーズを展開しています。繊細な素材感と極めてソフトな風合いを生かした、テクニカルな光沢感の無起毛品からスエード調までの多彩なバリエーションは、当社が掲げる“PRIDE of GOUSEN”コンセプトのリーディング素材として、グローバルなファッションマーケットで高い評価を受けています。
　一方、ナイロン分野は一般的に単糸繊度が1.0デシテックスクラスの繊維がマイクロファイバーと称されています。また、総繊度の細い原糸を使用したアウター向け高密度ナイロン織物は、軽さと強度が求められるスポーツ、アウトドアウェア用途を中心に定着していますが、素材の表情や質感、風合いのバリエーションを広げにくいため、ファッショントレンドに応じた多様な素材感を表現することには限界がありました。“ミラニー™”は超極細ナイロンテキスタイルの頂点素材であると同時に、秋冬ファッションの不動のキーアイテムであるダウンや中綿仕様のアウターウェアに、目に見えるデザインやフォルムではなく、人間の感覚に訴えかける素材の触感や風合いが、印象的な存在感を与える新素材です。
　当社は“ミラニー™”ならびに“uts®”シリーズを合成繊維のテクノロジーによる高い質感と快適な着心地を兼ね備えた、超極細繊維ファッションテキスタイルとしてグローバルな展開を進めるとともに、今後も独自の新しい価値を追求してまいります。