東レ株式会社(東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)はこの度、食品等包装用フィルムの蒸着加工設備をアジア地域で相次いで増強することを決定しました。東レフィルム加工株式会社(以下「TAF」)が、2013年10月の稼働を予定し福島工場に包装用PP(ポリプロピレン)フィルムの新鋭蒸着機を導入します。続いてマレーシアのペンファイバー社(以下「PFR」)が、TAFの技術支援により新鋭蒸着機を導入し、包装用蒸着PET(ポリエステル)フィルムの生産を2014年4月に立ち上げます。また、既にタイのタイ・トーレ・シンセティクス社(以下「TTS」) が、2012年10月に蒸着用CPP(無延伸ポリプロピレン)フィルムの増能力を行っており、この3社の総投資額は約30億円です。
包装用蒸着フィルム市場において、TAFの包装用フィルム事業の30%を占めるアルミ蒸着フィルムは、密着性、ガスバリア性などの品質・性能の優位性、海外東レグループとの連携による多様な品揃えにより、国内トップシェアを維持しております。福島工場に導入する新鋭蒸着機は580t/月の生産能力があり、この増設により、包装用アルミ蒸着能力は現有の約2倍の1,100t/月となり、収益力改善とシェアアップを図ります。
また、マレーシアのPFRは、現在PETフィルムの製膜設備3,600t/月を有しており、このたび375t/月の能力を持つ蒸着機を新設することで、フィルム加工品事業に新たに参入します。タイのTTSは、蒸着設備を400t/月、製膜設備は昨年10月の増能力により、550t/月の生産能力を有しています。
6億人を超える巨大な消費人口を有するASEAN地域においては、生活水準の高度化に伴い、包装材料需要は年率3%~5%の成長が見込まれています。東レグループは、コスト競争力を有する高機能包装用フィルムを同地域で製造することで、グローバルな事業拡大を加速します。この度の増設・新設とTAF、PFR、TTSなどの相互連携によるグローバルオペーション機能を強化することにより、お客様の多様なご要望、厳しい品質要求にお応えし、高付加価品の安定供給を万全なものとしてまいります。
東レグループは、2011年からスタートした中期経営課題“プロジェクトAP-G 2013"において、持続的に事業収益拡大を実現する企業グループへの転換を目指し、今後大きな経済成長が見込まれるアジアやその他地域の新興国の成長を取り込む「アジア・新興国事業拡大(AE)プロジェクト」に取り組んでいます。今後もグローバルな事業展開を推し進め、新たなビジネスチャンス獲得を追求してまいります。