東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣)はこの度、四川省成都市新津県新材料産業効能区に東麗塑料(成都)有限公司(Toray Plastics (Chengdu)Co., Ltd)を設立しました。これから約10億円を投じて、樹脂に意匠性や機能性の加工を施すための、年間11,000トンの能力を持った樹脂コンパウンド設備を導入し、2013年10月の稼動開始を目指します。
今回の新会社設立により、自動車や家電等の一大生産拠点として成長しつつある中国西部地区での樹脂コンパウンド事業の拡大を図ります。
これまで中国における当社の樹脂コンパウンド事業は、華南・華東・華北それぞれの地域で事業を展開してきており、2010年に東レグループ中国樹脂事業を統括する東麗塑料(中国)有限公司(TPCH)を設立し、当該3拠点を一体運営する体制を構築してきました。今回は、この3地域に加え更に中国西部でも樹脂コンパウンド事業を拡大するための投資です。
中国市場においては沿岸部だけでなく、成都などの西部地区を中心とした内陸部の経済成長が著しく、特に自動車関連メーカーやノートPCメーカー等が多数進出しています。現在中国全土でのエンジニアプラスチック樹脂需要は、自動車や家電用途を中心に年率約12%程度の成長が見込まれていますが、中でも西部地区は17%もの成長率が見込まれています。
そこで当社は、今回この西部地区の成長する需要を取り込むために、生産拠点を設置することを決めました。当初は、PA、PBTやPPSなどの現在自動車や家電用途でよく使われている樹脂を展開し、将来的には更なる高付加価値化のため炭素繊維を使ったコンパウンドやLCPなどの特殊な樹脂も投入していく計画です。
東レは、現在進行中の中期経営課題“プロジェクト AP-G 2013”における成長戦略の一つとして、中国をはじめとする成長著しい国や地域で積極的に事業拡大を図る「アジア・新興国事業拡大(AE)プロジェクト」を推進しています。
今回の新会社設立もこのAEプロジェクトの一環であり、東レは今後も大きな経済成長が見込まれる国や地域での事業拡大により、当該国・地域の経済発展にも貢献していく所存です。