水資源管理の取り組み

東レグループは、水資源に関して従来から以下の方針に基づき、水処理事業を通じた世界各地の課題解決に取り組んでいます。自らの事業活動においても、循環再利用などによる用水の有効活用と適切な管理に努めています。

  1. 東レグループは、水は人間にとって最重要資源のひとつであること、世界の多くの地域で人々が水資源にかかわる問題を抱えていることを認識しています。
  2. 東レグループは、製品・技術およびサービスを通じて世界の水資源問題の解決に貢献しています。
  3. 東レグループは、地域の水資源の状況を常に注視・把握し、貴重な水資源を地域社会と分かち合い過剰な取水を避けるなどの適切な水資源管理を実施しています。

東レグループは世界各地で多様な事業を展開しており、拠点によっては取水制限などの影響を大きく受ける可能性があることから、用水使用量の制限に係るリスクは大きいと判断しています。
そのため、東レグループでは世界資源研究所(WRI)が提供する水リスク評価ツール「Aqueduct Water Risk ATLAS」を活用し、東レの製造拠点やオフィスが存在する世界の地域における水ストレス調査を通じてストレスの大きい拠点を把握しています。
また、各地域での事業活動に伴う水の使用量については、当社の調査票を用いて年1回の頻度で把握しています。その結果、製造工場やオフィスなどを含むすべての拠点のうち、水ストレスが「高い」、または「非常に高い」と評価される地域から取水している水の割合は、全体の約8.0%に相当することを把握しています。
水リスクが高い地域に立地している19の生産拠点では、以下のような対策を講じて水リスクを低減させています。

  • 工場排水の再利用や貯水池の活用など、バックアップ機能を備えた設備の導入
  • パイプラインの利用などにより、安定した流量をもつ河川からの取水

生産活動における取り組み

東レRO膜を使用した東麗酒伊織染(南通)有限公司での染色排水の再利用東レRO膜を使用した東麗酒伊織染(南通)有限公司での染色排水の再利用

東レグループは、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」において2030年の用水原単位削減目標を定め、水ストレスなどの影響を踏まえ、製造プロセスの改善、節水活動、再生水の活用などを通じて、水資源の3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進しています。
中期的な目標としては、2023年度から2025年度を対象とした「CSRロードマップ 2025」においてKPIを設定し、用水原単位の削減を推進しています。
また、自社工場からの排水については、各地域のレギュレーションを十分に理解した上で、CODなどの水質を常に確認し、公共用水域へ排出しています。
例えば、中国の南通市に所在する東麗酒伊織染(南通)有限公司では、織機に使用する水を全量リサイクルしています。さらに、染色工程から発生する排水については、東レのRO膜を用いた水処理技術により一日あたり約1,300トンを浄化処理し、放流しています。
このように、海外関係会社においては、廃水や冷却水などのリサイクルを通じて、新たに外部から取水する工場用水の削減に努めています。

東レグループの水資源管理
東レグループの水資源管理

関連情報

水災(洪水、高潮など)リスクへの対応については、以下のページをご覧ください。

用水管理

用水使用量売上収益原単位の削減率

■報告対象範囲
東レグループ
■目標
2024年度 / 2013年度比※140%(2025年度)

実績(2024年度)

37.8

  1. ※1 基準年度である2013年度の値は、2014年度以降に東レグループに加わった会社分を含めて算出しています。

2024年度の東レグループの用水使用量は209百万トンとなり、前年度比で約1.8百万トンの増加となりました。一方で、2013年度を100とした用水量売上収益原単位指数で表すと、2024年度は62.2ポイントとなり、前年度比で2.5ポイント改善しました。この原単位の改善は、製造工程において冷却水や排水などの再利用を推進したことによるものです。

用水量売上高・売上収益原単位指数(東レグループ)

年度 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024
用水量売上高・
売上収益
原単位指数
77.9 77.1 82.4 71.7 68.1 64.7 62.2
  1. 2019年度までは日本会計基準を採用していたため売上高原単位、2020年度より国際会計基準(IFRS)を採用したため売上収益原単位。

関連情報

用水量については、以下のページをご覧ください。

「CSRロードマップ 2025」におけるCSRガイドライン3「安全・防災・環境保全」の主な取り組みはこちらをご覧ください。