CSRガイドライン&活動報告 - 安全・防災・環境保全

労働安全・防災活動

環境

東レグループでは、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001やISO45001など)に準拠した独自の安全活動を推進しています。また、毎年、各社・工場を対象に役員などによる監査を実施し、安全・衛生・防災・環境の管理状況を統一した視点で評価し改善するとともに、優れた点をグループ内に展開しグループ全体のレベルアップに努めています。
そして、従業員は東レグループの重要なステークホルダーであり、安全が確保されて初めて能力を発揮できます。“一人ひとりかけがえのない命を守る”との人間尊重の精神に則り、すべての役員・従業員が一体となり、ゼロ災害を目指して地道な安全活動に取り組んでいます。
このことを東レグループ全従業員に意識付けるため、「東レグループ安全スローガン」を毎年定めています。2018年は前年に引き続き「安全考動」※1をキーワードに掲げ、「安全考動」を徹底的に実行することを目指しました。また、海外拠点でも「ANZEN KOH-DOH」として徹底に努めています。
また、防災については、ひとたび事故が起きれば社内だけでなく近隣へも多大なご迷惑をお掛けすることになることから、火災・爆発は決して起こしてはならないという強い決意のもと活動に取り組んでいます。
なお、東レグループでは、各国の労働安全衛生法に基づき、安全衛生委員会を設置し、労使一体となって従業員の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の整備に取り組んでいます。

  1. ※1 安全考動:一人ひとりが危険感受性を高め、作業の危険を摘出し、自らの安全を確保するために、守るべき安全の基本は何かを考え、行動すること。

東レグループ安全スローガン

AP-G 2019
ゼロ災必達 一人ひとりが“安全動”徹底
 ―本気・やる気・気付き―

毎年、各社・工場のトップが集合して、東レグループ安全大会を開催しています。活動方針や重点活動項目を周知し活動の方向性を合わせるとともに、各社・工場の安全活動報告や安全表彰を行うことで、安全意識の高揚を図っています。そして、各トップのリーダーシップのもと、グループ従業員全員が一丸となり、ゼロ災害達成に向け安全活動に取り組んでいます。
また、国・地域単位、および東レグループ各社・工場でも「安全大会(セーフティーサミット)」や「東レ役員による安全講話」などを開催し、東レグループ安全スローガン、活動方針、重点活動項目を周知して、安全活動に取り組んでいます。

  • 2018年東レグループ安全大会(東レ総合研修センター)2018年東レグループ安全大会(東レ総合研修センター)
  • 中国東レグループの安全大会中国東レグループの安全大会

東レグループの安全成績

重大災害件数

■報告対象範囲
東レグループ
■目標値
2018年(暦年) / 0件

実績値(2018年)

0

火災・爆発事故件数

■報告対象範囲
東レグループ
■目標値
2018年(暦年) / 0件

実績値(2018年)

2

世界最高水準の安全管理レベル達成
(目安:休業度数率0.05以下)

■報告対象範囲
東レグループ
■目標値
2018年(暦年) / 0.05以下

実績値(2018年)

0.28

「掛長層安全討議報告会」(東レ(株)滋賀事業場)「掛長層安全討議報告会」
(東レ(株)滋賀事業場)

東レ(株)では1980年から、東レグループとしては1990年からすべての労働災害統計を取っています。統計開始当初に比べ、全労働災害件数、休業度数率ともに減少しています。 2018年の東レグループ全体の休業度数率は0.28でした。日本の製造業の休業度数率(1.20)と比較すると良好な成績ではあるものの、目標とする0.05以下は大きく未達となりました(前年比0.11改善)。その要因の1つに、海外関係会社の休業災害が多いことが挙げられます。そこで、東レ(株)国内工場(マザー工場)による支援・指導などによって、海外関係会社の安全管理強化に取り組んでいます。
東レグループでは、引き続き個々の災害の本質原因を究明して再発防止を図り、得られた教訓をもとに類似災害・類似事故の防止に努めるとともに、これまで以上に「安全考動」を徹底していきます。また、「安全考動」の徹底を図るため、東レ(株)および国内関係会社では、現場を率いる掛長層が主導して自職場の安全意識改革・行動改革に取り組んでいます。その活動内容を共有し議論する「掛長層安全討議報告会」を2015年から開催しています。
なお、防災面では、東レ(株)で1件、海外関係会社で1件の小規模な火災事故が発生しましたが、これらの事故による人的被害や工場外への影響はありませんでした。事故の内容は、従業員駐車場の駐車車両火災、隣接他社工事の火花による芝生火災であり、工場での火災事故ではありませんでした。

全労働災害発生件数の推移
全労働災害発生件数の推移
労働災害度数率※2の推移(東レグループ)
労働災害度数率の推移(東レグループ)
  1. ※2 労働災害度数率:100万労働時間あたりの労働災害による死傷者数

危険性(ハザード)の特定、リスク評価、事故調査

(1)危険性(ハザード)の特定、リスク評価

東レグループでは、従業員が各職場で潜在危険を発見した場合は管理者に報告し、管理者は対策・改善をフィードバックするシステムがあります。また、作業前は危険予知やヒヤリ・ハット報告、安全提案制度などのリスクアセスメントを行い、リスクの低減対策を実施しています。
また東レグループでは、労働災害防止のシステムや対策実施状況に問題がないか、社内の監査者による査察を実施し、不備がある場合は改善指導を進めています。

(2)事故調査

労働災害発生時は災害応急対策検討会および災害対策会議を開催し、災害に至るまでの事実・経緯を明確にし、原因究明と対策を決定しています。また、災害内容は東レグループ内に水平展開し、再発防止対策を推進しています。

安全・防災教育の充実

東レグループでは安全防災教育はもとより、危険感受性(危険を危険と感じる力)を高めるため、種々の体感教育を各社・工場で工夫を凝らして実施しています。安全面では、ロールへの巻き込まれ、感電・残圧などの危険性を擬似的に体験できる装置を活用しています。また防災面では、火災・爆発のデモンストレーション実験から爆発の恐ろしさを体感する教育や、防災基礎知識教育を社員教育体系に組み入れて実施しています。
さらに、東レグループの社内報「ぴいぷる」に身近な安全・防災に関しての情報を掲載しています。2018年は前年に続いて、火災・爆発基礎知識についての特集を組みました。

  • 疑似体験教育(東レ(株)岡崎工場)疑似体験教育(東レ(株)岡崎工場)
  • 過去災害事例の教育(東レ(株)名古屋事業場)過去災害事例の教育(東レ(株)名古屋事業場)
  • 火災・爆発デモンストレーション実験教育(東レ(株)那須工場)火災・爆発デモンストレーション実験教育(東レ(株)那須工場)

協力会社と一体となった安全管理

安全協議会(東レ(株)三島工場)安全協議会(東レ(株)三島工場)

構内でともに働く多くの協力会社の方々の安全を守ることも東レグループの使命と考えています。同じ職場で働く仲間として、協力会社の代表者に月1回実施する安全衛生委員会に参加していただいています。また、定期的に開催する安全協議会や連絡会などで意見や要望を伺うとともに、東レグループの方針、施策などを説明しています。各工場では安全ポスターや安全標語への応募、安全提案などを含め、安全活動全般にわたって協力会社の方々とともに推進しています。

請負会社合同の相互安全査察

殖産会社相互安全査察における作業実査(土浦殖産(株))
殖産会社相互安全査察における作業実査
(土浦殖産(株))

東レ(株)では、殖産会社※3の社長が、お互いに各社の現場を見て安全活動の推進状況を確認し合う「殖産会社相互安全査察」を毎年実施しています。2018年は、刃物作業や重量物運搬作業などの危険作業を実査し、改善すべき点があればアドバイスして、その改善状況についても互いに確認し合いました。

  1. ※3 殖産会社:東レ(株)出資の工場運営付帯業務請負会社

防災訓練による事故への備え

各社・工場では、それぞれ特有の火災・爆発に備えた防消火訓練を実施して防災力の向上に努めています。放水訓練はもとより、怪我人の救助や、薬液が流出した場合の対応、さらには緊急時の官庁や地域住民への速やかな通報についても訓練を実施しました。
また、大規模地震への備えとして、海に隣接する工場では、津波を想定した避難訓練も行いました。

  • 避難訓練(東レ・デュポン(株))避難訓練(東レ・デュポン(株))
  • 消防訓練(東レ・テキスタイル(株))消防訓練(東レ・テキスタイル(株))

防災力強化への取り組み

東レグループの防災力を強化するため、2018年も前年に続いて「4つの課題」(下表参照)に取り組みました。さらに、東レグループ内の防災専門部署が現地査察や検証が必要と判断した火災事故や火災ヒヤリ・ハットなどについては、本質原因の究明や再発防止対策の支援・指導を行いました。
また、地震対策として、人命最優先の理念のもと、安否確認システムも活用した避難訓練を行い、対応力の強化を図りました。さらに、大規模地震発生時にも社会的供給責任を果たすため、BCPの策定に取り組みました。

4つの課題

課題 2018年活動結果
FPチェックリストの有効活用
  1. FPチェックリストの改訂
    最近の東レグループ火災ヒヤリ・ハット事例から得られた知見・教訓を反映して改訂し運用開始
防災教育の強化
  1. 全社技術者等への防災教育(初級、中級)
  2. 全社向けプラント教育の準備・試行
  3. 工場オペレータ層への防災教育(ヤングコース、リーダーコース)
変更管理の強化・充実
  1. 製造条件、作業内容・作業者、設備変更などの変更管理基準の運用(国内)
  2. 東レマザー工場の指導による海外関係会社への展開
工事安全管理体制の構築
  1. 各社・工場の適切な運用の支援・指導(国内)
  2. 海外関係会社への展開
  • 全社技術者等向け防災教育(東レ総合研修センター)全社技術者等向け防災教育(東レ総合研修センター)

物流安全への取り組み

東レ(株)では、危険有害性物質を輸送する際の安全管理に関して、お客様や原料メーカー、運送業者との間で具体的な責務と役割を定めた保安協定を締結し物流安全に努めています。

石綿による健康影響と対応について

東レグループでは、過去に石綿を含む建材などを製造・輸入・販売したことがあり、また、建屋や設備の一部に石綿を含む建材・保温材などを使用していました。石綿による健康被害が社会問題化した2005年度から設備対策などを推進するとともに、過去に多少とも石綿を取り扱った東レグループの社員・退職者で希望する方について石綿健康診断を実施し、所見が認められた方については、労災申請への協力や継続検診の実施など、誠意をもって適切に対応しています。なお、近隣住民の方からの健康影響に関する相談はありません。 2019年3月末現在で確認している東レグループ社員および退職者の方への健康影響は次のとおりです。

石綿の取り扱いによる東レグループ労災認定者104人(うち、死亡された方 77人)
東レグループの石綿健康被害救済法受給者数8人(うち、死亡された方 7人)
東レグループ石綿健康診断受診者数4,022人