CSR活動報告(各CSRガイドラインの活動報告) - 倫理とコンプライアンス

動物実験倫理に関する情報公開

東レ株式会社は、医薬品・医療機器の創出を通じて人類の発展および健康増進に貢献することを目指しています。当社は、医薬品・医療機器の研究開発において、その有効性、安全性および機能を証明するために、実験動物を用いた検討が必要不可欠と考えています。こうした検討は、動物の生命の尊厳や動物実験の3Rs(Replacement : 代替法の利用、Reduction : 使用数の削減、Refinement : 苦痛の軽減)の原則に配慮して実施する必要があります。
そのため、「動物の愛護及び管理に関する法律」、「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」および「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」その他の関連指針等に則って社内規定を制定し、適正な実験動物の飼養と科学的な活用に努めています。
当社は動物倫理委員会を設置し、すべての動物実験計画の妥当性・代替法・実験内容などを倫理的かつ科学的に審査することで、「3Rsの原則」に基づく適正な動物実験の実施に努めています。具体的には、動物実験の代替法としてコンピュータ上でのin silico 評価※1や培養細胞などを用いるin vitro 評価※2を導入しています。薬物動態評価においては混合投与した複数化合物の同時分析手法を採用することで使用動物数削減に繋げ、すべての実験計画において人道的エンドポイント(過度な苦痛を与えないための実験中断・中止基準)を設定しています。
また、委員会は、動物実験実施者に対する実験動物の取り扱い訓練や年2回開催の倫理教育を通じて、動物実験に対する意識の向上に取り組んでいます。
さらに、当社実験動物施設は、規程および体制の整備状況、動物倫理委員会・施設維持管理・実験の実施状況などについて、定期的に自己点検・評価を行うことにより、適切な実施状況を確認しています。
これらの取り組みについて当社基礎研究センターは、一般財団法人日本医薬情報センター※3による第三者認証を2012年から継続して取得しています。

  1. ※1 in silico 評価:コンピュータを用いて既存データから化合物の生理活性、体内動態、毒性などを予測する評価方法。
  2. ※2 in vitro 評価:試験管や培養器などの中で、ヒトや動物の細胞・組織を用いて化合物の生理活性、体内動態、毒性などを検出する評価方法。
  3. ※3 一般財団法人日本医薬情報センターの認定施設一覧はこちらをご覧ください。
    また、調査のチェックポイントは、こちらをご覧ください。

「CSRロードマップ 2022」におけるCSRガイドライン2「倫理とコンプライアンス」の主な取り組みはこちらをご覧ください。