エネルギー管理および温室効果ガス排出削減

東レグループでは、社会のカーボンニュートラル実現に向け、温室効果ガス(GHG)の削減に取り組んでいます。
2018年には、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」において2030年度に生産活動によるGHG排出量の売上収益原単位を2013年度比で30%削減※1する目標を設定し、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの活用、石炭利用の削減などに取り組んできました。その結果、2022年度末には34.6%※2、2025年度末には44.8%の削減を達成しました。
こうした取り組みの成果を踏まえ、2026年度からは、「長期経営方針 “TORAY Challenges 2035”」において、2035年度のGHG排出量(絶対量)について2013年度比35%削減を目指すとともに、その中間目標として2030年度に20%削減を設定しています。また、「中期経営課題 “IGNITION 2028”」では、2028年度のGHG排出量売上収益原単位について2013年度比48%削減を目標として掲げ、さらなる削減に取り組んでいます。

  1. ※1 Scope1(直接排出量:自社の工場・オフィス・車両など)+Scope2(エネルギー起源間接排出量:電力など自社で消費したエネルギー)を対象としています。
  2. ※2 2022年度までは出資比率を乗じた算定方法ですが、2023年度からは国際的な算定ルールであるGHGプロトコルに則った、経営支配力を乗じた算定方法に変更しています。本算定方法では、2022年度実績は32.7%削減です。

エネルギー管理

東レグループでは、エネルギー管理の一環として、各社・各工場において毎年省エネ目標を設定し、月単位で実行状況を確認しながら、グループ全体で省エネ活動を推進しています。
東レ(株)では、エネルギーパフォーマンスの改善機会を特定するため、エネルギー使用量を含む環境データの監査を受け、その結果を参考にしながら、エネルギー原単位※3年率2%低減を努力目標として、省エネ活動に取り組んでいます。

努力目標 実績(2025年度) 主な要因
エネルギー原単位年率2%低減 4.7%低減
(1990年度比では15.4%の低減)
  • エネルギー利用の効率化やムダ・ロス削減の徹底によりエネルギー使用量が4.8%低減
  • 生産量の減少(0.54%)
  1. ※3 換算生産量当たりのエネルギー使用量。
エネルギー使用量と原単位(東レ(株))
エネルギー使用量と原単位(東レ(株))
  1. 本グラフのエネルギー使用量は、再生可能エネルギーを含んでいません。

GHG排出量(Scope1+2)

東レグループは、「CSRロードマップ2025」において、GHG排出量(Scope1+2)の削減目標として、GHG排出量の売上収益原単位を2025年度に2013年度比40%削減することを掲げ、プロセス改善による省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの活用、石炭利用の削減などに取り組んできました。
その結果、2025年度のGHG排出量売上収益原単位は2013年度比44.8%低減と、目標を達成しました。また、東レグループ全体のGHG排出量(Scope1+2)は434.1万トン-CO2(前年度比6.4%減)となりました。

GHG排出量売上収益原単位の削減率

目標

2013年度比

40

(2025年度)

実績

2013年度比

44.8%低減

2025年度・東レグループ

GHG排出量(Scope1+2)およびGHG売上高・売上収益原単位の推移(東レグループ)
GHG排出量(Scope1+2)およびGHG売上高・売上収益原単位の推移(東レグループ)

GHG排出量売上収益原単位の削減率(2025年度・東レ(株)および国内関係会社)

実績 主な要因
2013年度比44.8%低減
(参考:東レ(株)および国内関係会社のGHG排出量(Scope1+2):169万トン-CO2(前年度比4.4%減))
  • エネルギー利用の効率化
  • 再生可能エネルギーの活用
GHG排出量(Scope1+2)およびGHG売上高・売上収益原単位の推移(東レグループ(国内))
GHG排出量(Scope1+2)およびGHG売上高・売上収益原単位の推移(東レグループ(国内))

GHG算定に関する補足:

  • 基準年度である2013年度の値は、日本会計基準で算出しています。また、2014年度以降に東レグループに加わった会社分を含めて算出しています。
  • 基準年度である2013年度および2023年度以降は、国際的な算定ルールであるGHGプロトコルに則った、経営支配力を乗じた算定方法に変更しています。
  • 2020年度から2022年度のGHG排出量は、従来の出資比率を乗じた算定方法によるものです。経営支配力を乗じた算定方法では、東レグループの2022年度GHG排出量は512万トンです。

GHG排出量(Scope3)

東レグループは、バリューチェーン全体における温室効果ガス排出量の把握と削減に向け、Scope3の排出量を算定しています。

Scope3の排出量(2025年度)

(万トン-CO2

カテゴリ1:購入した製品・サービス 1,057.1
カテゴリ2:資本財 51.1
カテゴリ3:Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動 87.2
カテゴリ4:輸送、配送(上流) 18.7
カテゴリ5:事業から出る廃棄物 0.8
カテゴリ6:出張 0.6
カテゴリ7:雇用者の通勤 2.1
カテゴリ8:リース資産(上流) 0.2
カテゴリ9:輸送・配送(下流) 2.8
カテゴリ10:販売した製品の加工
カテゴリ11:販売した製品の使用 254.7
カテゴリ12:販売した製品の廃棄 455.4
カテゴリ13:リース資産(下流) 0.9
カテゴリ14:フランチャイズ 0.0
カテゴリ15:投資
合計 1,931.6

Scope3の算定方法については、以下のPDFをご覧ください。
Scope3の算定方法(314KB)PDF

関連情報

東レグループのScope1・2・3については、LRQAリミテッド社から第三者保証を受けています。詳細は、以下のページをご参照ください。

GHG削減に向けた取り組み

再生可能エネルギーの導入

東レフィルム加工(株)の太陽光発電設備東レフィルム加工(株)の太陽光発電設備

東レグループでは、再生可能エネルギー設備の導入を推進しており、太陽光発電設備能力の増加率をKPIとして設定しています。
2025年度は、東レ(株)石川工場および東レフィルム加工(株)の遊休地・建屋屋根に、PPA方式※4を活用した合計5.2MWの太陽光発電設備を設置し、本格稼働しました。
また、創和テキスタイル(株)への新規導入や海外関係会社の中国工場における設備増強などを進めた結果、太陽光発電設備能力は2022年度比344%となりました。
2026年度は、東レ(株)名古屋事業場、愛知工場、岡崎工場および東レモノフィラメント(株)などでも順次稼働を開始し、自家消費によるGHG排出量の削減を推進しています。

  1. ※4 PPA(Power Purchase Agreement)方式:発電事業者が需要家の敷地内に太陽光発電設備を設置・所有し、需要家が発電された電力を購入する方式。

太陽光発電設備能力の増加率

目標

2022年度比

10

(2025年度)

実績

344

2025年度・東レグループ

2025年度 再生可能エネルギー発電実績
125,653MWh

東レグループにおける太陽光発電設備の設置拠点は下記の通りです。

東レ(株)
  • 滋賀事業場
  • 瀬田工場
  • 愛媛工場
  • 岡崎工場
  • 三島工場
  • 石川工場
  • 那須工場
  • 基礎研究センター(鎌倉)
国内関係会社
  • 創和テキスタイル(株)
  • 東レ・テキスタイル(株)
  • 東レプラスチック精工(株)
  • 東レKPフィルム(株)
  • 東レフィルム加工(株)
  • 東レ・ファインケミカル(株)
  • 東レ・カーボンマジック(株)
  • 東レエンジニアリング(株)
  • 東レエンジニアリング西日本(株)
  • 東レエンジニアリング中部(株)
  • 東レ建設(株)
  • 東レ・プレシジョン(株)
  • 東洋実業(株)
海外関係会社
米州
アメリカ
  • Toray Resin Co.
  • Toray Plastics(America), Inc.
  • Toray Advanced Composites USA Inc.
  • Toray Membrane USA, Inc.
欧州
イギリス
  • Toray Advanced Composites UK Ltd
イタリア
  • Composites Materials(Italy)s.r.l.
  • Delta-Tech S.p.A.
ハンガリー
  • Zoltek Zrt.
アジア
東アジア
  • 東麗合成繊維(南通)有限公司
  • 東麗高新聚化(佛山)有限公司
  • 東麗高新聚化(南通)有限公司
  • 東麗酒伊織染(南通)有限公司
  • 東麗塑料科技(蘇州)有限公司
  • 東麗塑料精密(中山)有限公司
  • 東麗薄膜加工(中山)有限公司
  • 儀化東麗聚酯薄膜有限公司
  • 東麗膜科技(佛山)有限公司
  • TAK Advanced Film (Nantong) Co., Ltd.
  • Toray Advanced Materials Korea Inc.
  • STEMCO, Ltd.
東南アジア
  • Thai Toray Synthetics Co., Ltd.
  • Penfabric Sdn. Berhad

東レ(株)における実質的な再生可能エネルギー電力の導入

東レ(株)と三井不動産(株)は、東レ(株)本社が入居する日本橋三井タワーにおける「グリーン電力提供サービス」※5に関する契約を締結しました。本タワーでは、都市ガスを利用したコージェネレーションシステム※6により、電力と熱を効率的に供給し、エネルギー利用の最適化と災害時のレジリエンス強化を図っています。さらに東レ(株)は、三井不動産を通じて電源開発(株)が所有する風力発電設備によって創出される環境価値を活用することで、2022年4月より本社で使用する全ての電力を実質的に再生可能エネルギー100%電力に切り替えました。これにより、グローバル基準で年間1,500トン-CO2程度(概算)のGHG排出削減が見込まれます。
加えて、2023年4月からは名古屋三井ビルディング新館に入居する東レ(株)名古屋支店で、2024年4月からは中之島三井ビルディングに入居する東レ(株)大阪本社で、そして2025年4月からは広島トランヴェールビルディングに入居する東レ(株)中国・四国支店でも「グリーン電力提供サービス」を導入し、実質的に再生可能エネルギーによる電力を調達しています。
また、東レ(株)滋賀事業場および岐阜工場では、ウルトラスエードの生産プロセスで使用する電力から排出されるCO2を削減するため、2024年4月から一部の電力をCO2フリー電源に切り替えました。
2025年度からは、愛媛工場、名古屋事業場、石川工場でも同様に一部の電力をCO2フリー電源へ切り替えを進めています。これらの取り組みにより、年間約6.9万トン-CO2の温室効果ガス排出量の削減が見込まれます。

  1. ※5 グリーン電力提供サービス:オフィスビルなどで使用する電力を非化石証書の活用によって実質的に再生可能エネルギーとして提供する三井不動産が独自に構築したサービス。
  2. ※6 コージェネレーションシステム:単一の燃料(主に都市ガス)を使って、電力と熱(温水・蒸気・冷熱)を同時に生成する仕組み。

省エネ活動の推進と技術共有

東レグループでは、省エネ活動の一環として、毎年継続的に省エネ投資を実施しています。毎年6月には「全社省エネルギー技術発表会」を開催し、グループ全体で省エネ活動の成果を共有・表彰しています。この取り組みは、社員の省エネ意識向上と技術の水平展開を目的としています。
発表会では、各社からノミネートされた約25件の省エネ案件の中から、特に優れた事例5件を選定し表彰します。発表者は、背景や着眼点、技術的な工夫、取り組みの中での課題などを紹介し、会場およびWeb聴講を含め約300人が参加します。
2025年度は、以下の事業所・関係会社が発表を行いました。

東レ(株) 東海工場、岡崎工場、石川工場
海外関係会社 Toray Advanced Materials Korea Inc.、P.T. Easterntex

さらに、現場支援として、製造プロセスや設備に精通したメンバーによる「省エネ診断」を東レ(株)および国内外関係会社の工場で実施し、省エネアイデアを発掘しています。2025年度は、東レ(株)の1工場、海外4会社で診断を実施し、その省エネ効果でGHG排出量約1.6万トン-CO2/年以上の削減を実施しました。
加えて、省エネ診断と併せて、社員の意識向上を目的とした「省エネ教育」を実施し、これまでに488人が受講しています。

関連情報

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD : Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に沿った気候変動関連の情報開示は、以下のページをご覧ください。