CSR活動報告(各CSRガイドラインの活動報告) - 持続可能なサプライチェーンの構築

東レグループのCSR調達活動

東レグループのサプライチェーン

東レグループのサプライチェーンは世界のさまざまな国や地域に広がっています。2023年度の東レグループの事業拠点別の購買構成比率は、日本44%、アジア38%、欧州10%、米州8%となっています。また、事業分野別の購買構成比率は、繊維32%、樹脂・ケミカル23%、フィルム15%、複材12%、その他が18%です。サプライヤーの業種は、総合商社・専門商社や、世界各国の石油化学品・燃料・薬品・成形品・梱包資材・工作機械・精密装置・機械部品・材料加工メーカーなど多岐にわたり、また定常的・スポット的取引双方が存在します。

事業拠点別および事業分野別の購買構成比率(2023年度金額ベース)

事業拠点別 購買構成比率
事業拠点別 購買構成比率
事業分野別 購買構成比率
事業分野別 購買構成比率

東レグループのCSR調達活動の推進

「東レグループCSR調達行動指針」への同意を確認したサプライヤーの比率(社数・%)

■報告対象範囲
東レグループ
■目標値
2023年度 / 75%以上

実績値(2023年度)

76.8

サプライチェーンデューデリジェンスの実施率(件数・%)

■報告対象範囲
東レグループ
■目標値
60%以上(2024年度)

実績値(2023年度)

※1

  1. ※1 2024年度の目標に向けて取り組みを進めているため、2023年度の実績値はありません。2023年度は、想定される高リスク課題、国・地域や業種を決定し、該当するサプライヤーの特定や調査の準備を進めています。

グローバルなサプライチェーンを構築する東レグループにとって、サプライヤーのCSR活動の状況を把握し、取り組みを要請していくことは優先すべき課題です。そのため、東レグループでは、CSR調達体制の構築、顧客からのCSRに関する要請への対応、サプライヤーのCSR取り組み状況の把握や教育、CSR調達アンケートの実施、「東レグループCSR調達行動指針」への遵守要請、当該指針についての同意確認書の取り付け活動を行うなど、サプライチェーンにおけるCSRの推進を国内・海外関係会社を含めたグループ全体で取り組んでいます。CSR調達アンケートについては、独自のアンケート調査システムを用いて、サプライヤーにおけるCSRへの取り組み状況の定期的なモニタリング、グループ全体での統一的な基準による評価、サプライヤーへの評価のフィードバックと低評価企業へのフォローアップなどというデューデリジェンスプロセスの構築によって、サプライヤーの意識向上を図るとともに、サプライチェーン上でのCSRに関するリスクを効率的・効果的に把握・予防・低減しています。併せて、東レグループ独自の「サプライチェーンCSR推進ガイドブック」を作成し、サプライヤーへの教育資料として、CSR調達アンケートのフィードバック時などに定期的に配布しています。

グローバルCSR調達リスクへの取り組み

東レグループのCSR調達リスク低減のため、国・地域・業種などから重要なCSR調達リスク項目と、調査が必要な対象サプライヤーを洗い出し、リスク有無の調査や監査・対策を行うプロセスの導入を進めています。
CSR調達リスクの洗い出しおよび優先付けを行った上で、人権・労働、安全・衛生、環境保全の3課題を重点調査対象とすることに決定し、サプライヤーを調査するための調査票や監査手順書を作成しました。
作成した調査票や監査手順書が実際に運用可能かを検証するため、国内外関係会社と連携したテストを実施し、調査プロセスの確立に向けた準備を行いました。調査対象サプライヤーの特定に関しては、国内外関係会社から集約したサプライヤー情報をもとに、サプライヤーの所在国・地域や業種などから絞り込みを行う抽出プロセスの確立まで完了しました。
2024年度では、リスクの抽出・調査の各プロセスを確立の上、抽出した調査対象サプライヤーのリスク調査を実施し、リスクが認められた場合は監査およびフォローなどを行うことで、東レグループ全体のCSR調達リスク低減に努めていきます。

CSR調達におけるリスクマップ(サプライチェーン高リスク課題)
CSR調達におけるリスクマップ(サプライチェーン高リスク課題)

東レグループでは、サプライチェーンデューデリジェンスの実施率を「CSRロードマップ 2025」のKPIに設定し、取り組みを推進しています。
海外関係会社80社各社が「東レグループCSR調達行動指針」を提示した主要サプライヤー2,341社から、人権・労働、安全・衛生、環境保全の3課題でリスクが高いことが想定される国・地域や業種に該当するサプライヤーを選定して調査を行うよう進めており、2024年度に60%以上、2025年度に90%以上の実施率を目標としています。

サプライチェーンのデューデリジェンスプロセス
サプライチェーンのデューデリジェンスプロセス
  1. ① 責任ある企業行動を企業方針および経営システムに組み込む
  • 東レグループ人権方針
  • 環境10原則
  • リサイクル活動指針
  • 東レグループ生物多様性方針
  • 東レグループ緑化基本方針
  • 東レグループCSR調達方針
  • 取引先へ「東レグループCSR調達行動指針」提示、「同意確認書」を取り付け
  1. ② 企業の事業、サプライチェーンおよびビジネス上の関係における負の影響を特定し、評価する
  • CSR調達アンケートの実施と評価
  • 通報相談窓口の設置
  • CSR調達に関する高リスク課題調査
  • 企業検索システムによる取引先リスクの確認
  • 取引先への監査
  1. ③ 負の影響を停止、防止および軽減する
  • CSR調達アンケート評価結果について取引先各社へ個別にフィードバック
  • 低評価企業を訪問して改善要請
  1. ④ 実施状況および結果を追跡調査する
  • 次回のCSR調達アンケートなどで改善状況の確認
  1. ⑤ 影響にどのように対処したかを伝える
  • CSRレポートや英国現代奴隷法声明文での公表
  1. ⑥ 適切な場合是正措置を行う、または是正のために協力する
  • 苦情処理窓口の設置(通報相談窓口の設置)

CSR調達アンケートの主要調査項目

Ⅰ. 推進体制

  • □ 方針・ガイドラインの制定及び周知
  • □ 社内体制の整備及び責任者の選任
  • □ 目標・計画の制定、活動結果の検証

Ⅱ. 倫理とコンプライアンス

  • □ 腐敗防止・贈収賄の禁止
  • □ 優越的地位の濫用、談合等の防止
  • □ 法令遵守とコンプライアンスの徹底
  • □ 利益相反行為の禁止
  • □ 機密情報・個人情報の保護
  • □ 知的財産の尊重・保護
  • □ 反社会的勢力との関係遮断
  • □ 規制対象技術や違法輸出の防止
  • □ 紛争鉱物・コバルトの使用と原産国の把握

Ⅲ. 安全・衛生

  • □ 職場の安全対策と環境改善
  • □ 労働災害の防止
  • □ 事故や衛生上のリスクの予防
  • □ 労働安全に関するマネジメントシステムの導入

Ⅳ. 防災・リスクマネジメント

  • □ 災害時のための教育訓練・マニュアルの整備
  • □ 大規模災害を事業継続計画(BCP)の策定
  • □ パンデミックを想定した(BCP)の策定
  • □ コンピュータ・ネットワーク上の脅威に対する防御

Ⅴ. 環境保全

  • □ 許可・登録等の取得と維持
  • □ 汚染物質・廃棄物の抑制、資源利用(3R)の促進
  • □ 化学物質・汚染物質の法規制に従った適切な管理
  • □ 温室効果ガスの排出量管理と削減
  • □ グリーン調達・グリーン購入・省エネ活動の実施
  • □ 水資源や生物多様性への配慮とアセスメント実施
  • □ 環境保全のマネジメントシステムの導入

Ⅵ. ステークホルダーとの対話

  • □ 財務情報及び非財務情報の公開
  • □ 相談・通報窓口の設置、通報者保護
  • □ 地域活動・社会貢献活動の支援、参加の奨励

Ⅶ. 製品安全・品質保証

  • □ 製品安全性の評価、含有物質の管理
  • □ 仕様・品質・取扱い情報等の提供

Ⅷ. 人権・労働

  • □ 児童労働の禁止および若年労働者への配慮
  • □ 強制労働、奴隷労働等、不法・非人道的労働の禁止
  • □ 外国人労働者の適切な情報提供と雇用
  • □ 不当な低賃金・減額、法定限度を超えた労働の防止
  • □ ハラスメント、体罰、虐待等の禁止
  • □ 組合の結成、団体交渉等の権利の保護
  • □ 新型コロナウイルス感染拡大による影響への対応

Ⅸ. サプライチェーンでのCSRの推進

  • □ サプライヤーへのCSR推進の要請

東レ(株)におけるCSR調達活動の推進

東レ(株)では、総購買額の9割をカバーする主要な調達・購買先、外注先、物流会社を対象として、CSR調達アンケートを原則2年ごとに実施しています。「東レグループCSR調達方針」および「東レグループCSR調達行動指針」などに沿った質問項目を設け、人権の尊重や、温室効果ガスの排出量削減、水資源や生物多様性への配慮とアセスメントの実施といった各種環境保全活動など、さまざまな社会的課題に対する取り組みを要請し、各サプライヤーでの対応状況を網羅的に確認しています。
2022年度に実施した主要サプライヤーに対するCSR調達アンケートでは、448社(原材料調達先137社、設備・資材調達先157社、物流会社40社、生産・加工委託先114社)から回答を得ました。その結果、東レ(株)が求める水準の取り組みができていると評価したサプライヤー(S、A、B評価※2)が99%、実態調査が必要と判断したサプライヤー(C、D評価)は1%でした。調査項目別では「環境保全」、「製品安全・品質保証」、「人権・労働」など、ほとんどの項目で448社の評価平均が前回比で向上しており、各サプライヤーにおいてCSRの取り組みを進めていただいていることを改めて確認しました。また、前回の調査でC、D評価となり、訪問・面談などで実態調査・改善要請を行った企業の80%が、今回の調査ではB評価以上に改善したことを確認しました。評価結果は、2023年度に分析内容とともに、各社に同社の評価だけでなく他社も含めた全体平均の情報も記載したスコアシートを提供してフィードバックしています。アンケートでC、D評価であったすべてのサプライヤー(6社)に対しては、2023年度に個別訪問・面談し、実態確認や改善のための協議を行いました。その結果、「倫理・コンプライアンスに関する社内規定の整備や従業員就業規則への反映」「防災・リスクマネジメントにおける事業継続計画(BCP)の社内整備」「人権・労働に関する社内研修の実施」「自社サプライヤーへのCSR要請で東レグループサプライチェーンCSR推進ガイドブックを利用」など多数の改善を進めていただいています。さらに、「CSR調達アンケート」の結果で東レ(株)が求める水準を満たしている取引先であっても、負の影響のリスクが懸念される業種の取引先に対しては、順次訪問監査を実施しています。
CSR調達アンケートによる現状把握、評価、改善の取り組みと並行して、2022年3月に策定した「東レグループCSR調達行動指針」についてサプライヤーにも理解と遵守を求めることで、サプライチェーン全体でのCSR推進をより一層強化し、CSRに関するリスク低減に努めています。本指針は、倫理とコンプライアンス、安全・防災・リスクマネジメント、環境保全、製品の品質と安全、人権推進などについて、具体的かつ詳細に定めた行動指針です。主要サプライヤーを対象に2022年度には476社、2023年度には26社(2024年3月末時点で合計502社)に対して当該行動指針を提示し、理解と遵守を求めるとともに、当該行動指針に対して同意いただける旨の「同意確認書」を入手して確認する取り組みを進めてきました。その結果、2023年度までに379社から「同意確認書」を入手しました。
併せて、お客様からのCSRに関する調査に対しても対応ルールを定め、迅速かつ正確に回答すべく、体制を整備しています。

  1. ※2 回答結果を9つの調査項目ごとに10点満点で評価し、9項目の平均値を総合評価として、8点以上はS、6点以上8点未満はA、5点以上6点未満はB、3点以上5点未満はC、3点未満はDで評価。
東レ(株)が求める水準の取り組みができているサプライヤー(S、A、B評価先)
99%
2022年度東レ(株)CSR調達アンケート評価結果
2022年度東レ(株)CSR調達アンケート評価結果
2022年度 東レ(株)CSR調達アンケート回答結果分析
2022年度 東レ(株)CSR調達アンケート回答結果分析
2022年度 東レ(株)CSR調達アンケート評価結果のフィードバック(例)
2022年度東レ(株)CSR調達アンケート評価結果のフィードバック(例)、CSR推進体制、倫理とコンプライアンス、安全・衛生、防災・リスクマネジメント、環境保全、ステークホルダーとの対話、製品安全・品質保証、人権・労働、サプライチェーンでのCSRの推進、パートナー選定基準、全体平均、貴社の得点、各サプライヤー、CSR推進状況、実態調査、改善要請

東レグループ関係会社(国内外)におけるCSR調達活動の推進

国内外関係会社においても、各社にて社内体制やルールを整備し、サプライヤーへのCSR調達アンケート調査を実施するとともに、サプライヤーに対して「東レグループCSR調達行動指針」の遵守を求め、監査などを実施しCSRの取り組み状況の把握と要請を継続的に行っています。
海外関係会社では、各社にてサプライヤーへCSRの取り組み要請を行っていますが、要請ができていないサプライヤーに対しては、東レ(株)からCSR調達アンケート調査を実施するなど、海外関係会社のCSR調達を支援しています。また、海外関係会社80社各社が主要サプライヤーを対象に2022年度には2,212社、2023年度には129社(2024年3月末時点で合計 2,341社)に対し「東レグループCSR調達行動指針」を提示して理解と遵守を求めるとともに、当該行動指針に同意いただける旨の「同意確認書」を入手する取り組みを進めています。その結果、今後取引見込みがない121社を除き、2023年度末までに1,542社から「同意確認書」を入手しました。海外関係会社では今後も東レ(株)支援のもと、既存サプライヤーや新規サプライヤーからの「同意確認書」の取り付けを継続的に進めていきます。
国内関係会社においても、各社にてサプライヤーへのCSR調達要請を継続的に行っており、2023年度に、主要サプライヤーに対してCSR調達アンケートを実施し851社から回答を得ました。アンケートを通じて各サプライヤーのCSR推進状況を確認するとともに、アンケートの評価結果を各サプライヤーにフィードバックし、実態調査が必要と判断したサプライヤーに対しては、各関係会社が実態調査・改善要請を進めています。また、国内関係会社41社各社が主要サプライヤーを対象に2022年度には1,539社、2023年度には14社(2024年3月末時点で合計 1,553社)に対し「東レグループCSR調達行動指針」を提示して理解と遵守を求めるとともに、当該行動指針に同意いただける旨の「同意確認書」を入手する取り組みを進めています。その結果、今後取引見込みがない57社を除き、2023年度末までに1,319社から「同意確認書」を入手しました。国内関係会社では今後も東レ(株)支援のもと、既存サプライヤーや新規サプライヤーからの「同意確認書」の取り付けを継続的に進めていきます。

なお、「東レグループCSR調達行動指針」への同意を確認した東レグループ全体におけるサプライヤーの比率については「CSRロードマップ 2025」のKPIに設定しており、2023年度に75%以上、2024年度に85%以上、2025年度に90%以上を目標として取り組みを推進しています。2023年度は、東レグループ全体の主要サプライヤー4,218社のうち、3,240社(76.8%)の同意を確認しました。

2023年度の各職場での取り組み事例

米国東レグループ調達チームの取り組み

会議に出席した米国東レグループ調達チームのメンバー会議に出席した米国東レグループ調達チームのメンバー

米国東レグループ8社の調達担当者で構成される米国東レグループ調達チームが、米国ダラスで開催された、全米供給管理協会(Institute for Supply Management)の年次大会に参加するとともに、2023~2024年にかけて実施するプロジェクトなどの東レグループの取り組みに関する打ち合わせを行いました。

サプライチェーンにおける人権尊重、環境保全

東レグループは、安定かつ持続可能な調達のためにはサプライチェーンにおける「人権の尊重」や「環境保全」は特に欠くことのできない重要な要素と考えています。「東レグループCSR調達方針」において人権や環境に配慮したサプライチェーンの構築に向けて取り組むことを宣言し、サプライヤーに対して「東レグループCSR調達行動指針」の遵守を求め、人権の尊重、強制労働・奴隷労働・児童労働・不当な低賃金労働の禁止や、GHG排出量削減、生物多様性保全などの環境保全の取り組みを求めています。
また、CSR調達アンケートにおいて、人権・労働および環境保全などに関するサプライヤーの取り組み状況を把握・評価し、サプライチェーンにおける問題の把握と予防に努めています。

人権尊重に関する2022年度 CSR調達アンケートの回答結果

2022年度に東レ(株)が実施したアンケートでは、人権および労働に関する13の調査項目のうち、二次サプライヤーへの要請に関する項目を除く12項目で、取り組み実施率が高水準であることを確認しました。そのうち、1年以内に対応する(下表の[1])、対応していない(下表の[0])と回答したサプライヤーに対しては、2023年度に個別に状況を確認し改善を要請しました。2024年度のCSR調達アンケートでは改善結果を確認する予定です。
なお、2020年度のアンケートから、サプライヤーにおいて新型コロナウイルスの感染拡大によって発生しうる雇用・労働面の問題など人権に関するさまざまな問題に十分配慮し、適切に対応しているかどうかを調査する項目を加え、サプライチェーンにおける問題の把握と予防に努めています。

調査内容 実施率 調査結果
(取り組みレベルを0~4で評価。0及び1は未実施)
1. 人権尊重・差別の撤廃及び労働環境の改善に関して、方針・ガイドラインを定め、従業員に周知していますか? 99.2%
2. 人権尊重・差別の撤廃及び労働環境の改善に関して、社内体制を整備し、推進責任者を決めていますか? 98.6%
3. 人権尊重・差別の撤廃及び労働環境の改善に関して、目標または計画の制定、活動結果の検証及び改善・是正の仕組みはありますか? 98.4%
4. 各国・地域の法令が定める就労可能年齢に満たない者を雇用していませんか?18歳未満の従業員については、法令に基づき労働時間や、健康・安全に配慮されていますか? 99.5%
5. 強制または拘束労働、債務労働、非自発的または搾取的囚人労働、奴隷または人身売買によって得られた労働力を用いていませんか?従業員が自由に離職できることを保証していますか? 99.3%
6. 外国人労働者に対して、理解できる言語による雇用契約書・就業規則等を提供し、また身分証明書・  パスポート・労働許可書等の没収・隠匿・破壊または従業員による使用の阻止をしていませんか? 96.2%
7. 最低賃金、超過勤務、賃金控除、出来高賃金、その他給付などに関する各国・地域の法令を遵守し適切な給与を支払っていますか?不当な減給を行っていませんか? 99.5%
8.セクシャルハラスメントやパワーハラスメント、体罰、精神的あるいは肉体的な虐待、抑圧など非人道的な扱いや行為がおこらないよう、適切に管理・運営されていますか? 99.3%
9. 求人や採用、雇用中の段階において、人種、肌の色、年齢、性別、性的指向、国籍、宗教等あらゆる 差別的行為がおこらないよう、適切に管理・運営されていますか? 98.8%
10. 募集、採用、処遇、退職などあらゆる雇用場面において人種、信条、肌の色、性、宗教、国籍、言語、身体的特徴、財産、出身地などによる差別的行為がおこらないよう、方針や規則を定めていますか? 95.6%
11. 従業員が結社できる、または結社しない権利を各国・地域の法令に基づいて認め、従業員の代表や従業員が報復や脅迫、嫌がらせを恐れずに、経営層と対話・協議できるよう配慮されていますか? 97.0%
12. 新型コロナウイルス感染拡大によって発生しうる雇用・人権・労働に関する様々な問題に十分配慮し、適切に対応していますか? 98.8%
13. サプライヤーに対して、人権尊重及び差別の撤廃及び労働環境の改善について要請していますか? 69.8%
  1. (補足)[4]=十分に対応できている。[3]=対応できている。[2]=最低限の対応はしている。[1]=1年以内に対応する。[0]対応していない。
    4.〜12.については、[3][1][0]とし、取り組みレベル[4]および[2]は設定していません。

環境保全に関する2022年度 CSR調達アンケートの回答結果

東レグループは、温室効果ガスの削減や生物多様性の保全などを地球環境問題の重要なテーマと位置付けており、CSR調達アンケートを通じて、サプライヤーでの環境関連法への対応状況や、GHG排出量削減、生物多様性保全に関する取り組み状況などについても確認しています。2022年度に東レ(株)が実施したアンケートでは、環境保全に関する12の調査項目のうち、二次サプライヤーへの要請に関する項目を除く11項目で、取り組み実施率が高水準であることを確認しました。例えば、GHG排出量削減に向けた取り組みについては、主要サプライヤーのうち、84%で取り組みが進められていることを確認しました。アンケートの評価結果を各社にフィードバックするとともに、対応が不足している企業については、改善を進めるよう要請しています。
2023年度は2022年度に実施したアンケートのうち、環境関連法への対応状況や、GHG排出量削減、生物多様性保全に関する取り組み状況などで、1年以内に対応する(下表の[1])、対応していない(下表の[0])と回答した企業に対して、個別に状況を確認の上で改善を要請しました。2024年度のCSR調達アンケートでは改善結果を確認する予定です。

調査内容 実施率 調査結果
(取り組みレベルを0~4で評価。0及び1は未実施)
1. 環境保全を推進するために、方針・ガイドラインを定め、従業員に周知していますか? 97.9%
2. 環境保全を推進するために、社内体制を整備し、推進責任者を決めていますか? 97.2%
3. 環境に関するリスクの特定、目標または計画の制定、活動結果の検証及び改善・是正の仕組みはありますか? 97.7%
4. 法令や行政などにより、必要とされる環境に関するすべての許可・登録を取得・維持し、最新の状態に保持していますか? 94.4%
5. 汚染物質の排出および廃棄物の発生を抑制し、資源利用の削減・再利用・再資源化(3R)などの省資源や省エネルギーの取り組みを実施していますか? 95.7%
6. 調達する化学物質について、適用される法律・規制(化審法対応、REACH規則、RoHS指令対応等)に従い、適切に管理されていますか? 97.1%
7. 大気汚染物質や水質汚濁物質など化学物質の環境への排出を適切に管理し、削減に向けた取り組みを実施していますか? 94.0%
8. 温室効果ガスの排出量を適切に管理し、削減(地球温暖化防止)に向けた取り組みを実施していますか? 84.1%
9. 原材料や荷資材のグリーン調達、事務用品・事務機器のグリーン購入、事務所の省電力化や、EV車の利用などの環境負荷低減や省エネルギーに関する活動を実施していますか? 95.8%
10.生物多様性保全のため、水資源や生物多様性に影響を及ぼす可能性のある自社の事業活動の把握や、持続可能な資源の利用について検討するなど、影響を最小にするための活動を実施していますか? 91.0%
11.製品に関する環境面でのアセスメント(製品の環境に与える影響評価)を実施していますか? 84.8%
12. サプライヤー(原材料調達先、委託加工先、物流委託先等)に対して、環境保全の推進を要請していますか? 76.4%
  1. (補足)[4]=十分に対応できている。[3]=対応できている。[2]=最低限の対応はしている。[1]=1年以内に対応する。[0]対応していない。
    4.〜8.については、[3][1][0]とし、取り組みレベル[4]および[2]は設定していません。
    9.〜11.については、[4][3][1][0]とし、取り組みレベル[2]は設定していません。

サプライチェーンにおける人権尊重や環境保全などを推進するため、ご相談をウェブサイト上で常時受け付けています。ウェブサイト上のCSRに関するお問い合わせフォームへ2023年度にいただいた合計319件のさまざまなお問い合わせやご相談などのうち、サプライチェーンにおける人権・環境関連のご相談はありませんでした。

紛争鉱物への対応

東レグループでは、紛争地域および高リスク地域を原産国とし、紛争や人権侵害などへの関与が明らかな鉱物を使用しないことを「東レグループCSR調達方針」で定めています。
東レ(株)では、当社の全製品を対象に原材料および生産設備に紛争鉱物が使用されていないかを調査し、対象の鉱物が使用されている場合は、精錬所や鉱山の所在地などを確認しています。
2023年度においても、スズ・タンタル・タングステン・金の4鉱物が原材料として含有している製品を調査し、紛争地域産の原材料を使用していないことを確認しました。また、顧客からの紛争鉱物に関する調査依頼については、迅速かつ適切に回答できるよう社内の調査・回答体制を整備しています。

持続可能性に配慮したパーム油の調達

環境保全・人権尊重に配慮したパーム油を使用している油剤などの比率(購買金額、%)

■報告対象範囲
東レ(株)
■目標値
70%以上(2024年度)

実績値(2023年度)

※3

  1. ※3 2024年度の目標に向けて取り組みを進めているため、2023年度の実績値はありません。パーム油を使用している油剤の主要サプライヤー(2023年度の購買金額の90%以上となるよう対象を設定)に対して調査を計画しています。

東レ(株)では、環境保全・人権尊重に配慮したパーム油を使用した油剤を調達しているかについて、確認を進めています。東レ(株)のパーム油の購買金額に占める比率を「CSRロードマップ 2025」のKPIとして2024年度に70%以上、2025年度に90%以上の目標を設定し、取り組みを推進しています。
なお、「生物多様性への配慮」や「強制労働・奴隷労働の禁止」などは「東レグループCSR調達行動指針」で定めています。
顧客からのパーム油に関する調査依頼については、迅速かつ適切に回答できるよう社内の調査・回答体制を整備しています。

CSR調達に関する研修の実施

東レ(株)では、2020年11月と2021年2月の2回に分けて、すべての役員・社員(嘱託、パート、派遣を含む)を対象に、CSR調達の内容を含むCSRに関するeラーニングを実施し、延べ13,947名が受講しました。また、東レグループ社内報にCSR調達に関する特集記事を適宜掲載して社内への意識浸透を図っています。2024年3月には、CSR調達に精通した社外コンサルタントを講師に招き、調達担当者を含む東レグループ社員を対象に「CSR調達の意義とデューデリジェンス」に関するCSRウェブセミナーを実施し、社員の理解を深めました。
国内・海外関係会社には、CSR調達の必要性や求められる活動、リスク事例といった社内教育資料の配付などを通して意識浸透活動を行っています。

委託先の警備会社における人権研修の実施

東レグループでは、拠点のある地域の状況に応じて、警備会社などに保安業務を委託しています。
委託に際しては守衛業務に関する研修を行うとともに、必要に応じて人権に関する研修も行っています。

「CSRロードマップ 2025」におけるCSRガイドライン9「持続可能なサプライチェーンの構築」の主な取り組みはこちらをご覧ください。