CSR活動報告(各CSRガイドラインの活動報告) - サプライチェーンにおけるCSRの推進

東レグループの物流活動

社外との連携

物流基本方針説明会(2019年度開催時)物流基本方針説明会(2019年度開催時)

物流基本方針説明会の開催

東レ(株)は、物流に関わる環境負荷軽減と品質向上に継続的に取り組むために、毎年、物流会社向けに「東レ物流基本方針説明会」を開催し、東レの物流施策への理解推進とパフォーマンス向上を図っています。2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止しましたが、2021年度はオンライン形式で開催する予定です。

「ホワイト物流」推進運動への参加と物流環境改善の取り組み

東レ(株)は、国民生活や産業活動に必要な物流機能を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することを目的とした「ホワイト物流」推進運動※1に参加し、以下の自主行動宣言に沿って、取引先や物流事業者との相互理解と協力のもと、物流環境の改善に積極的に取り組んでいます。

  1. ※1 「ホワイト物流」推進運動:深刻化が続くトラック運転者不足に対して、国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省が連携し、荷主企業と物流事業者が参画する取り組み。トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化、女性や60代以上の運転者なども働きやすい、より「ホワイト」な労働環境の実現を目指す。
取り組み項目 取り組み内容
物流の改善提案と協力 トラック運転者の拘束時間増につながる附帯作業などの削減について真摯に対応します。
パレット等の活用 荷役時間削減のため、リフト荷役が可能な荷姿(パレット等)の拡大を図ります。
リードタイムの延長 輸送距離に応じた十分なリードタイムを確保します。
法令遵守状況の考慮 契約する物流事業者を選定する際には、関係法令の遵守状況を最優先事項として考慮します。
働き方改革等に取り組む物流事業者の積極的活用 働き方改革、輸送の安全性向上、物流品質改善に取り組む物流事業者を積極的に活用します。
異常気象時等の運行の中止・中断等 異常気象、地震等が発生した場合は、トラック運転者の安全を最優先事項として考慮します。

スマートパレットの活用による物流の生産性向上

東レ(株)は、「ホワイト物流」の取り組みの一環として、ユーピーアール(株)が開発したアクティブタグ搭載スマートパレットの利用に業界で初めて取り組んでいます。通常、パレットは紛失や流出を防ぐため、輸送や保管過程で別のパレットに交換、その都度、積載製品を載せ替えしなければなりません。一方、スマートパレットは搭載されたアクティブタグで離れた場所からパレットの入出在庫を管理することが可能となるため、パレットの交換が不要になります。このスマートパレットを活用することで、東レ製品を生産から保管、運送、顧客で使用されるまで同一のパレットを利用することにより、トラック運転者や倉庫担当者の荷役作業の解消や積み下ろし時間を短縮し、労働環境の改善と物流生産性の向上を図りました。さらに、空パレットの回収に当社の荷資材回収体制を活用することで、回収に係るCO2排出量も削減しています。
これらの環境負荷や運送会社の負荷低減に貢献したことが評価され、「令和2年度 グリーン物流パートナーシップ会議優良事業者表彰※2」の「特別賞」をユーピーアール(株)と共同で受賞しました。

  1. ※2 グリーン物流パートナーシップ会議優良事業者表彰:経済産業省・国土交通省などが物流分野における環境負荷低減、物流の生産性向上など、持続可能な物流体系の構築に関し、特に顕著な功績のあった事業者に対して表彰するもの。

東レ(株)のスマートパレット活用による各種効果

取り組み項目 効果
・パレット回収に係るCO2排出量削減 83%削減
(▲197t-CO2/年)
・製品積み下ろし時間短縮 75%短縮
(▲23,788時間/年)
・事務作業効率化 作業時間 100%削減
(▲1,584時間/年)
・トラック待機時間削減 38%削減
(▲5,947時間/年)
・物流事故(破袋)削減 35%削減
(▲148件/年)

物流に関わる環境負荷低減への取り組み

物流におけるCO2排出量原単位の前年対比削減率(%)

■報告対象範囲
東レグループ(特定荷主)
■目標値
2020年度 / 1.0%

実績値(2020年度)

-9.9

東レグループは、輸送距離の短縮、環境負荷の少ない船舶や鉄道での輸送への切り替え(モーダルシフト)、輸送効率の向上などの取り組みを積極的に実施することで、物流におけるCO2排出量の削減に努めています。
東レグループ(特定荷主※3)での2020年度の物流におけるCO2排出量※4の合計は、27.9千トンで、輸送量の減少などを主因に前年度比で2.9千トン(9.5%)減少しました。
一方、CO2排出量原単位※5は、CO2排出量の85%を占める東レ(株)においてCO2排出量原単位の分母となる物流に密接に関わる数値※5が CO2排出量以上に減少したことで、大きく増加しました。結果、2020年度の東レグループCO2排出量原単位増減率は、2014年度を基準(=100)として、97.7となり前年度(2019年度)比9.9%増加しました。
東レ(株)での2020年度の物流におけるCO2排出量は23.7千トンで、まとめ輸送や積載率の向上、交錯輸送の削減などで53トンを削減したことに加え、主に繊維や樹脂製品の輸送量が減少したため、前年比2.1千トン(8.2%)の減少となりました。
東レ(株)でのCO2排出量原単位については、原単位の分母となる売上高の減少が、CO2排出量の減少を上回ったため、単年では前年度(2019年度)比12.8%増加しましたが、直近5年間では年平均1.3%減少しており、年平均1%以上低減する義務を確実に果たすことができています。
東レグループは今後も環境物流の推進による物流におけるCO2排出量の削減に取り組んでいきます。

  1. ※3 特定荷主=年間の貨物輸送量が合計3,000万トンキロ以上の荷主。東レグループで特定荷主に指定されているのは
    東レ(株)、東レフィルム加工(株)、東レ建材(株)の3社。
  2. ※4 物流におけるCO2排出量:「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(改正省エネ法)」で定める“貨物輸送事業者に委託する貨物の輸送に関するCO2排出量”。
  3. ※5 CO2排出量原単位:物流におけるCO2排出量÷以下の物流に密接に関連する数値
    東レ(株)=売上高
    東レフィルム加工(株)=出荷量
    東レ建材(株)=出荷量×距離(輸送トンキロ)
    特定荷主は、CO2排出量原単位を中長期的にみて年平均1%以上低減する努力をするよう義務づけられている。
物流におけるCO2排出量およびCO2排出量原単位の推移(東レグループ特定荷主)
物流におけるCO<sub>2</sub>削減効果(東レ(株))

物流におけるCO2削減効果(東レ(株))

取り組み内容 CO2削減量(千トン)
計算精度向上(最大積載量、平均積載率見直し、燃費見直しなど) 0.037
まとめ輸送(門前倉庫設置など) 0.005
輸送距離短縮(最寄港揚げなど) 0.011
合計 0.053

梱包荷資材の回収と再使用拡大

東レグループは、お客様が製品を使った後に残る荷資材を、グローバル規模で回収・再使用する体制を構築しています。またグループ内でも、国内グループ各社の間で、不要・余剰となった荷資材を融通し合える仕組み(東レグループ余剰荷資材融通掲示板)を運用しています。

  • 荷資材回収の仕組み(東レ(株))
    荷資材回収の仕組み(東レ(株))
  • 東レグループ余剰荷資材融通掲示板
    東レグループ余剰荷資材融通掲示板

荷資材回収金額の推移(東レ(株))

東レ(株)における2020年度の荷資材回収金額は6.5億円で、前年度比0.8億円(11.3%)減少となりました。
主要荷資材の優先回収を推進するなど、返却率および再利用率の向上に努めましたが、繊維・フィルムでの出荷量減少に伴い回収量が減少しました。

荷資材回収金額の推移(東レ(株))

モーダルシフトの推進

500km以上の輸送におけるモーダルシフト(船・鉄道の使用)比率(%)

■報告対象範囲
東レ(株)
■目標値
40%(2022年目標)(暦年)

実績値(2020年)

32%

東レ(株)は、環境物流の推進を「物流基本方針(2004年12月制定)」に定め、物流における環境への配慮とコストダウンによる競争力強化の両立を目指し、トラックから鉄道・船舶輸送への切替え(モーダルシフト)を積極的に推進してきました。加えて、昨今のドライバー不足によるトラック輸送の脆弱化への対策としても、モーダルシフトは有効であり、2022年度までにモーダルシフト比率を40%とする目標を設定し、取り組みを拡大しています。
2020年(1-12月)のモーダルシフト比率は、2020年度下期の製品需要の急回復により、鉄道輸送用コンテナの確保が難しくなったことや鉄道輸送によるリードタイムが許容できないケースが増えたことで、トラック輸送が増加したため、前年比2.4ポイント減少し32.2%となりました。
今後も製品・原料などのあらゆる輸送において、モーダルシフトの可能性を追求するとともに、関係先との連携をさらに深め、流通過程における環境負荷低減に十分に配慮した環境物流を推進していきます。

モーダルシフト比率の推移(東レ(株))
モーダルシフト比率の推移(東レ(株))

エコレールマーク、エコシップマークの取得

東レ(株)は、国土交通省と(公社)鉄道貨物協会から、環境にやさしい鉄道貨物輸送に積極的に取り組んでいる企業として「エコレールマーク取組企業」に認定されており、繊維製品「東レ テトロン®」とPBT樹脂製品「トレコン®」で「エコレールマーク商品」の商品認定を受けています。さらに2017年度に、鉄道輸送が困難なフィルム製品において「エコシップマーク」を取得しました。これは、船舶輸送への切り替えを推進し、環境負荷の少ない海上輸送を一定以上の割合で利用する事業者が認定される制度です。

エコレールマーク、エコシップマークの取得

物流安全・品質への取り組み

東レ(株)では「輸送保管品質向上プロジェクト」を推進しており、物流パートナーへの「事故分析表」や「物流品質向上レポート」の発行、現場ラウンドや品質会議の開催など、物流パートナーと一体となって物流安全・品質向上・トラブル削減を進めています。さらに年1回、品質向上に大きく貢献した物流パートナーを表彰※6することで、輸送や保管時における製品の破損、遅配・誤配などのトラブル防止に努めています。

  1. ※6 2020年度表彰パートナー(50音順)
    四国名鉄運輸(株)/東砺倉庫(株)/東洋運輸(株)/(株)日陸/(株)富士ロジテック浜松/三井倉庫(株)/ユーピーアール(株)

物流トラブル発生件数の推移

2020年度は、出荷件数の減少に加え、2020年1月に導入したスマートパレットによる一貫パレット輸送の効果で、手荷役時やパレット不良による事故が大幅に減少しました。これにより、事故件数の約6割を占める樹脂製品の破損事故発生件数が31%減少し、全体の事故件数は前年度比29%(197件)減少しました。引き続き、物流パートナー各社とともに、物流品質向上に努めていきます。

物流トラブル発生件数の推移

物流における法令遵守や安全に関する取り組み

物流パートナーへの第三者認証取得の推奨

東レ(株)では、流通過程における法令遵守、品質向上、環境保全などの観点から、物流パートナーに対し、ISO9001、ISO14001をはじめ、グリーン経営認証※7、Gマーク制度※8などの取得を推奨し、物流パートナーと協働でCSRへの取り組みを推進しています。

  1. ※7 グリーン経営認証:グリーン経営(環境負荷の少ない事業運営)推進マニュアルに基づいて、環境改善に向けた取り組みを一定のレベル以上行っている事業者に対して、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が審査の上、認証・登録するもの
  2. ※8 Gマーク制度:国土交通省が推奨する、法令遵守、安全性に対する積極的な取り組みなどを全日本トラック協会に設置された安全性評価委員会が、事業所ごとに評価し、基準をクリアした事業所を安全性優良事業所として認定する制度

イエローカードによる緊急時対応

輸送車両の乗務員は、事故発生時に被害の拡大を防ぐための応急処置手順を記載した「イエローカード※9」を携行しています。緊急連絡体制の整備や緊急訓練を実施し、万が一事故が発生した場合には、事故処理をサポートする要員を速やかに現場に派遣する体制を整備しています。

  1. ※9 イエローカード:危険有害性物質の品名、該当法規、危険有害性、事故発生時の対応処置、緊急通報、緊急連絡先、災害拡大防止措置の方法などを簡潔に記載したカード

過積載防止の取り組み

貨物自動車の過積載は、運行上危険なだけでなく、路面や道路構造物へのダメージ、騒音・振動の原因となります。東レ(株)は、この過積載の発生防止に全力で取り組んでいます。

輸出入でのコンプライアンス・セキュリティ対策

グローバルオペレーションの拡大に伴う輸出入面での法令遵守・安全施策として、東レインターナショナル(株)米国法人はC-TPAT※10を取得しています。物流パートナーのコンプライアンス・セキュリティ対策強化や輸出入の効率化を実現するため、起用する物流パートナーにも国内外でAEO※11などの取得を促しています。

  1. ※10 C-TPAT : Customs-Trade Partnership Against Terrorismの略で、2004年11月に米国税関国境警備局によって導入された自主参加型のプログラム。米国の輸入に携わる分野の民間事業者との国際的な連携により、グローバルサプライチェーンを通じたセキュリティの確保、強化を目的としています。
  2. ※11 AEO : Authorized Economic Operatorの略。2006年12月にEUで導入された、貨物のセキュリティ面のコンプライアンスに優れた輸出入者などに税関手続きに関する優遇措置を与える制度。日本でも2007年に関税法が改正され、優良事業者に対する税関手続きの優遇措置および措置を受けるための資格制度が制定されました。

CSRロードマップ2022におけるCSRガイドライン9「サプライチェーンにおけるCSRの推進」の主な取り組みはこちらをご覧ください。