CSRガイドライン&活動報告 - サプライチェーンにおけるCSRの推進

東レグループの物流活動

社会

物流基本方針説明会物流基本方針説明会

東レ(株)は、物流に関わる環境負荷軽減と品質向上に継続的に取り組むために、毎年、「東レ物流基本方針説明会」を開催しています。2018年は物流会社54社と国内関係会社21社の物流責任者が参加し、東レの物流施策への理解推進とパフォーマンス向上を図っています。

物流に関わる環境負荷低減への取り組み

物流におけるCO2排出量原単位の前年対比削減率

■報告対象範囲
東レグループ(国内・特定荷主のみ)
■目標値
2018年度 / 1.0%

実績値(2018年度)

1.5%

東レグループは、輸送距離の短縮、環境負荷の少ない船舶や鉄道での輸送への切り替え(モーダルシフト)、輸送効率の向上などの取り組みを積極的に実施することで、物流におけるCO2排出量削減に努めています。
東レグループ(特定荷主※1)での2018年度のCO2排出量の合計は、38.3千トンで、輸送量の減少などを主因に前年度比で1.5千トン(-3.8%)減少しました。また、エネルギー消費原単位※2の平均についても前年度比で1.5ポイント(2014年度を基準として)減少しました。これはCO2排出量を約3.0千トン削減したことに相当します。
東レ(株)での2018年度のCO2排出量は28.9千トンで、前年度比で1.2千トン(4.1%)減少しました。モーダルシフトや積載率の向上、交錯輸送の削減などの施策により326トンを削減したことに加え、フィルム製品輸送量の減少が主因となり、前年比減少となりました。
エネルギー消費原単位※2については、上述の要因および売上高の増加により、単年では昨年度比8.7%減少、直近5年間では年平均3.0%の減少で、年平均1%以上低減する義務を確実に果たすことができています。
東レグループは今後も環境物流の推進による物流におけるCO2排出量の削減に取り組んでいきます。

  1. ※1 特定荷主=年間の貨物輸送量が合計3,000万トンキロ以上の荷主。東レグループで特定荷主に指定されているのは
    東レ(株)、東レ・ダウコーニング(株)、東レフィルム加工(株)、東レACE(株)の4社。
  2. ※2 エネルギー消費原単位=物流におけるCO2排出量÷以下の物流に密接に関連する数値
    東レ(株)、東レ・ダウコーニング(株)=売上高
    東レフィルム加工(株)=出荷量
    東レACE(株)=出荷量×距離(輸送トンキロ)
    特定荷主は、エネルギー消費原単位を中長期的にみて年平均1%以上低減する努力をするよう義務づけられている。
物流におけるCO2排出量の推移(東レグループ特定荷主)
物流におけるCO2排出量の推移(東レ(株))

物流におけるCO2削減効果(東レ(株))

取り組み内容 CO2削減量(千トン)
計算精度向上(最大積載量、平均積載率見直し、燃費見直しなど) 0.24
モーダルシフト 0.01
まとめ輸送(門前倉庫設置など) 0.04
輸送距離短縮(最寄港揚げなど) 0.04
合計 0.33

地方港活用による輸送距離の短縮

東レ(株)では、在庫拠点の見直しや地方港の積極活用による輸送距離の短縮化や環境負荷の少ない輸送への切り替え(モーダルシフト)を積極的に行っています。
これまで東レ(株)愛媛工場および東レ(株)石川工場で使用する輸入トレカ糸は、使用量が多い愛媛工場の最寄り港である松山港で一旦荷揚げしたのちトラック輸送をしていました。そこで、石川工場で使用する輸入トレカ糸の品種および数量を輸入前に確定することに加え、最寄り港である金沢港を活用することで、国内の輸送距離を大幅に短縮することができました。これにより、年間約36トンのCO2排出量削減を実現しました。

  • 変更前変更前
  • 変更後変更後

梱包荷資材の回収と再使用拡大

東レグループは、お客様が製品を使った後に残る荷資材を、グローバル規模で回収・再使用する体制を構築しています。またグループ内でも、国内グループ各社の間で、不要・余剰となった荷資材を融通し合える仕組み(東レグループ余剰荷資材融通掲示板)を運用しています。

  • 荷資材回収の仕組み(東レ(株))荷資材回収の仕組み(東レ(株))
  • 東レグループ余剰荷資材融通掲示板東レグループ余剰荷資材融通掲示板

荷資材回収金額の推移(東レ(株))

東レ(株)における2018年度の荷資材回収金額は8.2億円で、前年度比0.2億円(2.3%)減少となりました。
主要荷資材の優先回収を推進するなど、返却率および再利用率の向上に努めましたが、繊維・フィルムでの出荷量減少に伴い回収量が減少したことで金額は減少しました。

荷資材回収金額の推移(東レ(株))

モーダルシフトの推進

500km以上の輸送におけるモーダルシフト(船・鉄道の使用)比率

■報告対象範囲
東レ(株)
■目標値
2019年度 / 40%

実績値(2018年度)

29%

東レ(株)は、環境物流の推進を「物流基本方針(2004年12月制定)」に定め、物流における環境への配慮とコストダウンによる競争力強化の両立を目指し、モーダルシフトを推進してきました。加えて、昨今のドライバー不足によるトラック輸送の脆弱化への対策として、鉄道輸送が困難な製品で船舶を活用するなど、取り組みを拡大しています。
東レ(株)は、2019年度までにモーダルシフト化率を40%とする目標を設定し、鉄道・船舶輸送への切り替えを積極的に推進しており、2018年(1-12月)のモーダルシフト化率は、昨夏の水害による影響で長期間にわたり列車が運休したことで、鉄道利用率は減少となりましたが、フィルム製品での船舶輸送量の増加や全体的に輸送量が減少したことにより、前年比0.7ポイント増加し28.8%となりました。
今後も製品・原料などのあらゆる輸送において、モーダルシフト化の可能性を追求するとともに、関係先との連携をさらに深め、流通過程における環境負荷低減に十分に配慮した環境物流を推進していきます。

モーダルシフト化率の推移(東レ(株))
モーダルシフト化率の推移(東レ(株))

エコレールマーク、エコシップマークの取得状況

東レ(株)は、国土交通省と(公社)鉄道貨物協会から、環境にやさしい鉄道貨物輸送に積極的に取り組んでいる企業として「エコレールマーク取組企業」に認定されており、繊維製品「東レ テトロン®」とPBT樹脂製品「トレコン®」で「エコレールマーク商品」の商品認定を受けています。さらに2017年度に、鉄道輸送が困難なフィルム製品において「エコシップマーク」を取得しました。これは、船舶輸送への切り替えを推進し、環境負荷の少ない海上輸送を一定以上の割合で利用する事業者が認定される制度です。

エコレールマーク・エコシップマークの取得状況

物流安全・品質への取り組み

東レ(株)では「輸送保管品質向上プロジェクト」を推進しています。同プロジェクトでは、「事故分析表」や「物流品質向上レポート」の発行などを実施しています。さらに年1回、品質向上に大きく貢献した物流パートナーを表彰※4することで、輸送や保管時における製品の破損、遅配・誤配などのトラブル防止に努めています。また、現場ラウンドやパートナーとの品質会議の開催など、物流パートナーと一体となって物流安全・品質向上・トラブル削減を進めています。

  1. ※4 2018年度表彰パートナー(50音順)
    伊予商運(株)/一宮運輸(株)/四国名鉄運輸(株)/ダイセー倉庫運輸(株)/第一倉庫冷蔵(株)/東洋運輸(株)/(株)富士ロジテック浜松/増田運送(株)//名鉄運輸(株)/山田運送(株)

物流トラブル発生件数の推移

物流トラブル発生件数の推移

2018年度は、出荷件数が減少したことに加え、前年度、事故件数の多かった物流会社を中心に事故削減目標を設定し現場ラウンドを強化するなど、事故発生件数低減に向けた取り組みを推進しました。これにより、事故件数の約9割を占める路線・区域輸送での事故発生件数が8%減少し、全体の事故件数は前年度比4%(27件)減少しました。引き続き、物流パートナー各社とともに、物流品質向上に努めていきます。

物流パートナーへの第三者認証取得の推奨

東レ(株)では、流通過程における法令遵守、品質向上、環境保全などの観点から、物流パートナーに対し、ISO9001、ISO14001をはじめ、グリーン経営認証※5、Gマーク制度※6などの取得を推奨し、物流パートナーと協働でCSRへの取り組みを推進しています。

  1. ※5 グリーン経営(環境負荷の少ない事業運営)推進マニュアルに基づいて、環境改善に向けた取り組みを一定のレベル以上行っている事業者に対して、審査の上認証するもの
  2. ※6 法令遵守、安全性に対する積極的な取組み等を事業所ごとに評価し、基準をクリアした事業所を安全性優良事業所として認定する制度

イエローカードによる緊急時対応

輸送車両の乗務員は、事故発生時に被害の拡大を防ぐための応急処置手順を記載した「イエローカード※7」を携行しています。緊急連絡体制の整備や緊急訓練を実施し、万が一事故が発生した場合には、事故処理をサポートする要員を速やかに現場に派遣する体制を整備しています。

  1. ※7 危険有害性物質の品名、該当法規、危険有害性、事故発生時の対応処置、緊急通報、緊急連絡先、災害拡大防止措置の方法などを簡潔に記載したカード

過積載防止の取り組み

貨物自動車の過積載は、運行上危険なだけでなく、路面や道路構造物へのダメージ、騒音・振動の原因となります。東レ(株)は、この過積載の発生防止に全力で取り組んでいます。

輸出入でのコンプライアンス・セキュリティ対策

グローバルオペレーションの拡大に伴う輸出入面での法令遵守・安全施策として、東レインターナショナル(株)米国法人はC-TPAT※8を取得しています。物流パートナーのコンプライアンス・セキュリティ対策強化や輸出入の効率化を実現するため、起用する物流パートナーにも国内外でAEO※9などの取得を促しています。

  1. ※8 C-TPAT:Customs-Trade Partnership Against Terrorismの略で、2004年11月に米国税関国境警備局によって導入された自主参加型のプログラム。米国の輸入に携わる分野の民間事業者との国際的な連携により、グローバルサプライチェーンを通じたセキュリティの確保、強化を目的としています
  2. ※9 AEO:Authorized Economic Operatorの略。2006年12月にEUで導入された、貨物のセキュリティ面のコンプライアンスに優れた輸出入者などに税関手続きに関する優遇措置を与える制度。日本でも2007年に関税法が改正され、優良事業者に対する税関手続きの優遇措置および措置を受けるための資格制度が制定されました