CSR活動報告(各CSRガイドラインの活動報告) - リスクマネジメント
リスクマネジメントの取り組み状況
全社的なリスクマネジメント活動の基本体系
活動内容
1. 定期的なリスクマネジメント(優先対応リスク低減活動)
- (1)全社的なリスク項目(気候変動、自然災害、法令違反、不祥事など)を網羅的に洗い出し、各リスク項目について、発生可能性、当社経営への影響度、現時点での対策充分度の指標に基づいたマッピングによる定量的な分析・評価、および各部署へのヒアリングによる定性的な分析により、当社が全社的な体制で取り組むべき重要リスクを特定しています。最終的には、経営企画室長を委員長とするリスクマネジメント委員会に諮った上で優先対応リスクを決定します。
- (2)優先対応リスクは3年間を1期とするPDCAサイクルでリスク低減活動を推進します。
- (3)2021年度から3年間(2021~2023年)の第5期優先対応リスク活動では「情報セキュリティ」「グローバルCSR調達」および「水災による事業継続リスク」を選定しました。なお、経営目標の達成に対するリスクマネジメントとして取り組むため、この第5期優先対応リスクは、推進体制および対応内容を確立させた上で、2021年度から2022年度までの2年間で、1年前倒しで取り扱いを終了しました。
現在は、2023年度から2025年度の第6期優先対応リスクとして、今期の中期経営課題の達成に向け「戦争危険を踏まえた危機対応リスク」「製品供給途絶リスク」の2テーマを設定しています。 - (4)各リスクを担当する責任部署を定め、3年間のリスク低減活動計画をまとめたロードマップおよび年間活動計画を策定して東レグループ全体の活動としています。
- (5)リスク低減活動の進捗をフォローし、東レグループ全体の年間活動実績をリスクマネジメント委員会で毎年報告しています。フォローアップ結果および環境変化によって新たに顕在化したリスクの対応を含めて、次年度の年間活動計画について協議・策定しています。
「東レグループ優先対応リスク」年間フォローアップ実施状況(社数・%)
- ■報告対象範囲
- 東レグループ
- ■目標値
- 2022年度 / 100%
実績値(2022年度)
100%
2. 定常的なリスクマネジメント(国内外の動向を注視、リスクを検出・評価・モニタリング)
定常的に国内外の動向を注視し、東レグループの経営に重大な影響を与え得るリスクの検出に努めています。当該リスクを検出した際は、速やかに全社的体制を構築し、グループ全体で必要な対策を実行します。
3. 危機発生時の対応
危機発生時には、リスクマネジメント規程に基づいて全社即応体制(全社対策本部)を立ち上げて対応しています。
事業等のリスク
事業等のリスクとしては、有価証券報告書に記載のとおり以下を認識しています。
- 戦争危険を踏まえた危機対応リスク
- 製品供給途絶リスク
- 製品の需要・市況の動向と事業計画に関わるリスク
- グローバル事業展開に関わるリスク
- 為替相場の変動、金利の変動に関わるリスク
- 気候変動、水不足、資源の枯渇等の環境課題に関わるリスク
- 自然災害・事故災害に関わるリスク
- 人材戦略リスク
- コンプライアンスに関わるリスク
- 情報セキュリティ、サイバー攻撃に関わるリスク
関連情報
- 有価証券報告書(第142期)
各リスクの詳細は、有価証券報告書(第142期)「事業等のリスク」(P20-25)をご覧ください。
グローバルCSR調達リスクへの取り組み
高リスク課題に関する重点調査の実施検討
東レグループではCSR調達を進めるために、調達に関するCSR方針である「東レグループCSR調達方針」を定めるとともに、サプライチェーン全体で取り組む行動指針として「東レグループCSR調達行動指針」を策定し、サプライヤーに遵守を求めています。また、主要なサプライヤーに対して「CSR調達アンケート」を定期的に実施するとともに、サプライチェーン全体におけるCSRの取り組みを確認し、その評価・分析、低評価企業への改善要請、訪問などによるフォローアップを実施しています。
これらの取り組みに加え、東レグループ全体のCSR調達リスク低減のため、国・地域・業種などから重要なCSR調達リスク項目と、調査が必要な対象サプライヤーを洗い出し、リスクの有無の調査や監査・対策を行うプロセスの導入について検討を進めています。
本取り組みは、2021年度から2022年度まで東レグループ優先対応リスクのひとつに位置付けて推進しており、2021年度にはCSR調達リスクの洗い出しおよび優先付けを行った上で、人権・労働、安全・衛生、環境保全の3課題を重点調査対象とすることに決定し、サプライヤーを調査するための調査票や監査手順書を作成しました。
2022年度には、作成した調査票や監査手順書が実際に運用可能かを検証するため、国内外関係会社と連携したテストを実施し、調査プロセスの確立に向けた検討を行いました。調査対象サプライヤーの特定に関しては、国内外関係会社各社から集約したサプライヤー情報をもとに、サプライヤーの所在国・地域や業種などから絞り込みを行う抽出プロセスの確立を図りました。
今後、リスクの抽出・調査の各プロセスを確立の上、抽出した調査対象サプライヤーのリスク調査を実施し、リスクが認められた場合は監査およびフォローなどを行うことで、東レグループ全体のCSR調達リスク低減に努めていきます。
社員への啓発活動
社員のリスクマネジメント意識を醸成するために、「CSRロードマップ 2022」のKPIとして「リスクマネジメント教育の実施」を設定しました。2022年度は東レグループの新入社員、新任管理職や部長層を対象とした危機発生時の対応などを含むリスクマネジメントに関する教育を実施しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部の教育はリモート開催としました。
リスクマネジメント教育の実施状況(期初計画比達成率)
- ■報告対象範囲
- 東レグループ
- ■目標値
- 2022年度 / 100%
実績値(2022年度)
100%
「CSRロードマップ 2022」におけるCSRガイドライン5「リスクマネジメント」の主な取り組みはこちらをご覧ください。