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安全保障貿易管理
安全保障貿易管理の徹底
安全保障貿易管理においては、従来の大量破壊兵器等の拡散懸念に加え、国際情勢の不安定化や地政学的緊張が高まる中で、経済安全保障の観点からの重要性も増しており、国際的な安全保障バランスの変化なども踏まえたリスクマネジメントの重要性が一層高まっています。
東レグループでは、輸出や技術提供に関わる本部(部門)の役員などを委員とする「安全保障貿易管理委員会」を毎年開催し、国際情勢および法令改正の最新動向を踏まえ、対処すべきリスクについて検討を行い、翌年度に向けた施策を決定しています。また、本委員会の委員は本部(部門)安全保障貿易管理委員会を開催し、全社的な施策の周知徹底を図るとともに、所管する部署や関係会社における留意事項などについて、追加的な施策を実施しています。
リスク対策の実践
東レグループは、あらゆる製品、機器・資材、サンプルの輸出および技術の非居住者(特定類型に該当する居住者を含む)への提供などを安全保障貿易管理の対象としています。特に、炭素繊維「トレカ™」およびその複合材料や製造装置、半導体用コーティング剤、水処理膜など、輸出の際に経済産業大臣の許可を必要とするリスト規制品目については、厳格な管理を行っています。
また、経済安全保障上の観点から、技術流出防止の規制や、区分が困難な通常兵器用途と民生用途を明確にするための規制などが「外国為替及び外国貿易法」に基づき強化される傾向が続く中、特定重要技術分野などのキャッチオール規制対象技術を扱う部署・関係会社を中心に、意見交換などを通じて適切な理解と合理的対応の浸透に向けて継続的に取り組んでいます。
安全保障貿易管理をめぐる内外の情勢を踏まえ、リスク管理を強化する施策として、以下に取り組みました。
1. 実務能力の強化
本部(部門)や関係会社において、教育プログラムの改善・拡充を継続的に行っています。
2025年度は、安全保障貿易管理の中核を担う社内各本部(部門)の事務局担当者およびキーパーソンを主な対象として、該非判定実務などに関する独自教育に加え、「取引の確からしさ」および「技術提供管理」に関する適切な理解と合理的対応を高めることを目的に、部署・会社別の勉強会や意見交換会を重点的かつ継続的に実施しました(計15プログラム、1,059人が参加)。
さらに、(一財)安全保障貿易情報センター(CISTEC)が主催する安全保障輸出管理実務能力認定試験の各種資格についても、受験を計画的に推進しており、2025年度は東レグループ全体で284人が合格しました(累計合格者数:5,474人)。
2. 定期監査の実施
東レグループ各社に対し、書面監査および実地監査を実施しています。把握した課題については個別指導を行い、改善を進めています。
3. 事例の報告徹底と共有
不自然な引き合いなどの懸念情報や、法令・社内管理ルール違反の疑義がある事案について一元的に集約し、必要に応じて関係当局への報告・相談を行い、適切に対応しています。また、各種会議でこれらの事例を共有し、グループ全体のリスク管理強化を図っています。
4. 審査業務システムのさらなる改善
安全保障貿易管理システムと営業基幹システムとの連携により、人為的ミスによる法令違反の防止や、CISTECチェーサー情報(各種懸念需要者リスト)との自動照合を通じて、「取引の確からしさ」を高める体制を整備しています。併せて、国内関係会社への本システムの導入支援を実施しています(導入済:(株)東レリサーチセンター、東レ・デュポン(株)、東レ・セラニーズ(株)、東レ・カプトン(株))。
5. 安全保障貿易管理アンケートの実施
本社における安全保障貿易管理業務従事者が抱える課題や改善要望を把握し、今後の施策立案に生かすことを目的としてアンケートを実施しました。アンケート結果については、各種社内委員会などで共有するとともに、業務改善に向けたアクションにつなげていきます。