リスクマネジメントの取り組み

平時のリスクマネジメント活動

定期的なリスクマネジメント(優先対応リスク低減活動)

2023年度から2025年度の第6期優先対応リスクとして、「戦争危険を踏まえた危機対応リスク」と「製品供給途絶リスク」の2テーマを設定し、リスク低減を進めました。

戦争危険を踏まえた危機対応リスク

東レグループの進出国・地域における従業員の安全性確保および当地における事業継続の判断・行動の迅速化を目的にテーマを設定しました。リスクの高い国・地域において、有事対応のマニュアルを整備し対応訓練を行いました。

製品供給途絶リスク

経済変動、自然災害、サイバー攻撃などのさまざまな要因によるサプライヤーからの供給停止に伴う原料途絶リスクを回避し、製品供給の継続性を強靭化することを目的にテーマを設定しました。サプライチェーンにおける脆弱性の分析を行い、原材料の複数購買化、レシピ変更、在庫の備蓄化などのリスク低減策を実行しました。

2026年度から2028年度の第7期優先対応リスクとしては、「製品供給途絶リスク」を6期からの継続テーマとして設定しています。全社横断的な推進体制のもと、これまでに蓄積してきたリスク低減に関するノウハウをグループ全体で共有し、製品供給の継続性のさらなる強靱化に取り組んでいます。
また、近年のリスクの高まりを踏まえ、「サイバー攻撃による事業活動停止リスク」を優先対応リスクに位置づけ、全社横断的に対策を強化し、東レグループおよびサプライチェーンのリスク低減を推進しています。

関係会社の内部統制実行状況フォロー

東レ(株)の「コーポレート・ガバナンスの基本方針」の「内部統制システムに関する基本方針」に基づき、国内外の関係会社に対してリスクマネジメント体制の指導や活動状況の確認を定期的に行っています。
2025年度は、国内外関係会社のうち、資本比率や事業規模などを勘案して選定した130社を対象に、リスクマネジメント活動の改善状況について、内部統制区分に沿ってフォローを実施しました。

内部統制評価チェックリストの関係会社での自己点検とその結果のフォロー実施率(社数・%)※1

目標

100

実績

100

2025年度・東レグループ

  1. ※1 国内外関係会社を対象に、自己点検から結果フォローまでを実施し、その点検内容については3か年で段階的にレベルアップを図りました。
    2023年度は第1段階として、各社におけるリスクマネジメントのルールおよび体制の整備状況について自己点検を実施し、結果フォローまで完了したことから、達成度を35%と評価しました。
    2024年度は第2段階として、関係会社における具体的なリスクマネジメント活動の内容について自己点検を実施し、結果フォローまで完了したことから、達成度を70%と評価しました。
    2025年度は第3段階として、第2段階で確認した活動内容がPDCAサイクルで改善されているかについて自己点検を実施し、結果フォローまで完了したことから、達成度を100%と評価しました。

海外における平時の危機管理

リスクマネジメント委員会の下部組織として、東レ本社内には海外危機管理委員会を、各国・地域には現地危機管理委員会を設置しています。
平時の危機管理として、海外危機管理委員会では、各国・地域のリスクに関する定常的な情報の収集および東レグループ内への発信、海外渡航管理、渡航者へのリスク教育などを実施しています。現地危機管理委員会では、各国・地域のリスク状況に応じた現地でのリスク低減活動を実施しています。
また、海外危機管理委員会と現地危機管理委員会の間では、海外出張者の安否確認システムを共同で活用するなど、連携の強化を進めています。

社員への啓発活動

社員のリスクマネジメント意識を醸成するため、東レグループでは、新入社員、新任管理職や、部長層を対象に、危機発生時の対応などを含むリスクマネジメントに関する教育を毎年実施しています。2025年度も同様の教育を実施しました。

経済安全保障リスク

東レグループでは、地政学リスクの高まりを受け、2021年4月に経済安全保障リスク対応の専門部署を立ち上げました。この部署は、各国の経済安全保障政策に関する情報を収集し、サプライチェーン、投資、技術、人材、データなどの東レグループにおける経営活動を経済安全保障リスクの視点から総括し、リスク対策のための経営支援を行っています。
活動の重要な柱は、サプライチェーンの強靭化と機微技術の漏えい防止です。

サプライチェーンの強靭化

「経済安全保障上のサプライチェーン管理規程」を策定し、企業検索システムの導入を推進することで、制裁・規制対象企業との取引リスクを低減しています。また、サプライチェーン上のチョークポイント(要所)となる他国に依存する品目については、調達計画のフォローを行っています。

機微技術の漏えい防止

「経済安全保障上の機微技術管理規程」を策定し、東レグループとして守るべき技術を明確化しています。さらに、研究セキュリティ確保のためのルール整備を行い、共同研究開発パートナーからの技術流出リスク低減にも努めています。

情報セキュリティリスク

東レグループでは、グループ全体での情報セキュリティの維持・向上を目的として、情報セキュリティを一元的に管理する「東レグループ情報セキュリティ推進委員会」を設置し、「東レグループ情報セキュリティ基本方針」に基づいたリスク低減活動を推進しています。
詳細は情報セキュリティリスクへの取り組みをご覧ください。

有事(危機発生時)の即応

2025年度に実施した「第13回全社地震対策本部設置訓練」の様子2025年度に実施した「第13回全社地震対策本部設置訓練」の様子

東レグループでは、危機発生時に迅速な対応を行うため、「リスクマネジメント規程」に基づき、全社即応体制(全社対策本部)を立ち上げて対応しています。特に大規模地震については、2012年度から全社対策本部の設置訓練を継続的に実施しています。2024年1月に発生した令和6年能登半島地震においては、震災当日に全社対策本部を立ち上げ、安否状況や被災状況の確認、復旧対応および支援活動などを迅速に行いました。
こうした有事対応力の強化に向け、東レグループでは、これまでに大規模地震を第1~4期(2009~2020年度)、水災を第5期(2021~2022年度)の優先対応リスクとして位置づけ、事業継続計画(BCP)の整備・見直しを継続的に進めてきました。事業継続にあたっては、従業員の人命確保と地域社会への影響防止を最優先とし、被害の拡大防止と二次災害の防止に努めるとともに、重要製品の供給継続と事業の早期復旧を図り、社会的供給責任を果たすことを基本方針としています。
今後も、有事における対応力のさらなる向上に向け、取り組みを進めていきます。

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