情報セキュリティリスクへの取り組み

基本的な考え方

東レグループでは、情報セキュリティを重要な経営課題と位置づけ、グループ全体でその維持・向上に取り組んでいます。
すべての役員と社員(嘱託、パート、派遣を含む)が情報セキュリティに関する社会的責任を果たすため、「東レグループ情報セキュリティ基本方針」を定め、これに基づいて行動しています。

方針等

東レグループ情報セキュリティ基本方針取締役会承認を経て2022年4月制定

東レグループでは、情報セキュリティを重要な経営課題と位置付け、社会的責任を果たすためすべての役員と社員(嘱託、パート、派遣を含む)は、情報セキュリティに関し、本方針に基づいた行動を徹底します。

  1. 倫理・コンプライアンス
    東レグループが活動する全ての国・地域において、法令を遵守し、企業倫理に反する情報の収集や利用を行いません。
  2. 体制・ルールの整備および運用
    情報セキュリティ対策を推進し、また、情報漏えい時に迅速な対応を行うため、情報セキュリティに関する体制・ルールを整備し、適切に運用します。
  3. 情報の保護
    業務上取り扱う情報を、重要度に応じて適切に保護します。また、個人情報を取り扱う場合は、個人情報保護の観点から、目的の範囲内で利用します。
  4. 情報システム基盤の維持
    事業活動に必要な情報システムやネットワークを継続利用できるよう適切に管理します。
  5. 情報セキュリティの改善
    情報技術の進展を踏まえ、定期的に情報セキュリティのあるべき姿を見直し、必要に応じて体制・ルールやその運用および情報システム基盤の改善を行います。

体制

全社横断的な情報セキュリティ推進体制として、東レ(株)総務・法務・リスクマネジメント部門長(以下、総務・法務・RM部門長)を委員長※1、デジタルソリューション部門長を副委員長※1とし、人事・勤労部門や監査部などの関係部署を委員とする「東レグループ情報セキュリティ推進委員会」を設置し、年2回(半期ごと)開催しています。本委員会では、情報セキュリティに関する方針の審議や対策の協議を行い、各本部・部門に設置された情報セキュリティ委員会に対して対策の指示・フォローを実施するとともに、KPIの進捗管理およびフォローを行っています。活動内容は経営会議に報告し、取締役会には経営会議での審議を経て報告しています。
各本部・部門の情報セキュリティ委員会は、東レ(株)内の所属部署および所管する国内外関係会社に対して対策を指示し、その状況を確認しています。

取締役会
経営会議
東レグループ情報セキュリティ推進委員会
委員長:総務・法務・リスクマネジメント部門長
事務局:総務部、統合システム推進部
東レ(株)各本部・部門の情報セキュリティ委員会
委員長:本部・部門長
事務局:各本部・部門で任命
東レ(株)各部署
国内外関係会社
国・地域代表
監督・
意思決定
報告
報告・審議
指示
報告
指示
報告
支援依頼
支援
業務執行機能
東レグループ情報セキュリティ推進委員会図
  1. ※1 2026年7月時点では、常務執行役員が総務・法務・RM部門長、上席執行役員がデジタルソリューション部門長を務めています。

情報セキュリティ推進活動のプロセス

東レグループでは、リスクの把握から基準整備、定期的な監査・監視、インシデント対応までを一体的な活動として推進しています。

1. リスクの把握

東レグループ内で発生したセキュリティインシデントおよび監査結果を集約・分析するとともに、サイバー攻撃手法の高度化や法規制動向などの外部環境の変化を継続的に把握し、グループ全体のリスク状況を評価しています。

2. 基準整備

グループ共通のセキュリティ管理基準※2を策定し、その実施状況をフォローしています。本管理基準については、各関係会社が達成状況を自己評価し、未達の場合には各社が改善計画を作成し、リスク低減活動を推進しています。
本取り組みの実施率(管理基準の達成率)は「CSRロードマップ 2025」のKPIとして設定し進捗管理を行ってきました。
2025年度末時点で、対象会社110社のうち90社が管理基準に基づくリスク低減を完了し、実施率は82%となりました。残りの20社については対応に時間を要しましたが、2026年6月末時点で、110社すべてにおいて対応が完了しました。

関係会社の情報セキュリティ評価/リスク低減の実施率(社数・%)

目標

100

実績

82

2025年度・東レグループ

3. 定期的な監査・監視

第三者である情報セキュリティ企業により、東レグループのネットワークをインターネット接続部から評価しています。また、脆弱性分析の一環として、ハッカー攻撃のシミュレーションなどを実施しています。

4. インシデント対応

セキュリティインシデントを発見した場合は、24時間以内に総務・法務・RM部門長へ報告するルールを定めています。想定される被害に応じて、定められた手順に基づき、社内外への連絡および被害拡大防止の対応を実施します。

  1. ※2 グループ共通のセキュリティ管理基準は、国際標準化機構(ISO)やアメリカ国立標準技術研究所(NIST)が発行している情報セキュリティ関連の規格を参照し、第三者であるセキュリティ企業の助言を得て作成しています。

具体的な施策

東レグループでは、情報セキュリティリスクに対応するため、以下の具体的施策を実施しています。

サイバーセキュリティへの対応

東レグループでは、高度化を続けるサイバー攻撃に対し、以下の対策を推進しています。攻撃を防ぐ対策だけでなく、被害が発生した場合を想定した対策も実施し、リスク軽減を図っています。

対策 内容
東レグループ共通のセキュリティ管理基準の遵守
  • セキュリティ体制を整備
  • 情報資産を特定し、管理方法やセキュリティ対策のルールを策定・運用
  • 管理状況の定期点検
  • インシデント対応手順やバックアップ取得・復旧手順を整備
端末管理 東レ(株)でパソコン・スマートフォンの設定を標準化し、サイバー攻撃を検知し迅速に対応する仕組みを構築し、東レグループ内に展開中
認証管理 東レ(株)で多要素認証(MFA)機能付き利用者IDの一元管理の仕組みを構築し、東レグループ内に展開中
ネットワーク管理 通信監視、第三者によるリスク評価、改善実施
サーバーやクラウドサービス管理
  • サーバーやクラウドサービスの台帳管理
  • 東レ(株)でセキュリティ監視機能付きのグループ共用サーバー環境を整備し、東レグループ内に展開中
監視・対応の体制強化
  • 端末、認証、ネットワーク、サーバー管理における監視・分析情報を集約しサイバー攻撃に迅速に対応する体制を構築
  • インシデント発生時には経営層やリスクマネジメント関係部署と情報共有し、被害を最小限に抑える
教育・訓練の強化
  • 全従業員対象のeラーニング(年1回)
  • 抜き打ちでの不審メール対応訓練

内部不正・情報漏えいリスクへの対応

東レグループでは、従業員による情報漏えいリスクを防ぐため、教育・研修、情報発信、資産管理、インシデント対応などの多面的な取り組みを実施しています。

取り組み 内容
情報セキュリティ教育 「東レグループ情報セキュリティ基本方針」の周知・徹底など、セキュリティ意識とスキル向上を図る 全従業員を対象に年1回実施
階層ごとの研修 新入社員、新任管理職などを対象に実施
定期的な情報発信 メールマガジン配信や社内報での連載により、従業員のリテラシー向上を図る
端末持ち出し管理
  • パソコンやスマートフォンを社外に持ち出す際は管理職の許可が必要
  • 現物実査(月1回)
  • 資産棚卸し(半年に1回)
インシデント対応 紛失時の対応手順を整備し、被害極小化の仕組みを構築

委託先・パートナーに対する情報セキュリティ管理への対応

東レグループの情報の処理・保管・アクセスに関与するサプライヤーやパートナーなどの第三者に対し、当社グループと同等以上のセキュリティ要件を求め、その遵守状況を確認しています。

個人情報保護への対応

東レ(株)では、「個人情報の保護に関する法律」を遵守するため、個人情報管理規程を定めるとともに、管理体制および管理手法を確立し、個人情報を保有する各部署において適切な管理を行っています。また、各部署における管理状況については、定期的に査察を実施しています。
さらに、主な国内・海外関係会社においても、各社の規程類に基づき、適切な管理を行っています。
2025年度は、個人情報に関する不服申し立てや漏えいはありませんでした。

AI利用に伴うリスクへの対応

東レ(株)では、生成AIを安全に利用することを目的として、注意事項や基本的な考え方を定めた「生成AI利用ガイドライン」を策定しています。本ガイドラインでは、情報漏えい、回答の不正確性、著作権侵害などのリスクを明示するとともに、生成された回答については利用者自身が必ず確認することを求めています。
生成AIの業務利用にあたっては、許可されていない生成AIの利用を禁止しています。また、東レグループの標準として設定した生成AIについては、事前にリスク評価を実施し、入力データなどがサービス提供者の学習に利用されないことを確認したもののみを利用対象としています。
社員に対しては、デジタルソリューション部門が中心となり、継続的に利用教育を実施しています。