東レグループの気候変動への対応

気候変動に対する東レグループの考え方

東レグループは、1926年の創業以来、「企業は社会の公器であり、その事業を通じて社会に貢献する」との経営思想のもと、現在の企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」へと志を受け継いできました。この企業理念のもと、長年にわたり、地球規模の環境問題などさまざまな社会的課題へのソリューションを提供する革新技術・先端材料の創出に取り組み、持続可能な社会の発展に向けて貢献してきました。
こうした考え方を背景に、東レグループは2018年には「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を策定し、2050年に向けて「地球規模での温室効果ガスの排出と吸収のバランスが達成された世界(GHG排出実質ゼロの世界)」、すなわちカーボンニュートラルの世界を目指すことを掲げました。2026年度からは、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を“TORAY VISION 2050”に改定し、「2050年に向けて東レが目指す世界」として、「人と地球が調和し資源が循環し自然が再生していく世界(環境)」を目指していきます。中期経営課題“IGNITION 2028”においては、サステナビリティ活動の基本となる行動指針として、「東レ・サステナビリティ原則」を定め、その原則の中で、「事業を通じた社会課題への貢献」、「環境負荷への低減」をそれぞれ掲げています。
これらを踏まえ、東レグループはこれからも、GHG排出量削減を重要な経営課題と位置づけ、再生可能エネルギー、水素、電動化関連の素材などの事業や、CO₂分離膜などの開発を通じて、製品・技術による社会全体の排出量削減に取り組んでいくとともに、自社およびサプライチェーン全体(Scope1・2・3)でのGHG排出量削減の両立に取り組んでいきます。サプライチェーン全体のGHG排出量削減に向けては、Scope3の中で最も割合が大きいカテゴリ1(購入した製品・サービス)を中心に目標を設定し、進めていきます。

気候変動に関するガバナンス体制

気候変動に関するガバナンス体制については、以下のページをご覧ください。

GHG排出量削減に向けた目標設定と取り組み

東レグループでは、GHG排出量削減について、2030年度に20%削減、2035年度に35%削減(それぞれ2013年度比)という目標に向けて活動を推進しています。GHG排出量削減への取り組みを加速するため、インターナルカーボンプライシング(2024年度設定価格:10,000円/トン-CO₂)制度をインセンティブとして機能するよう見直しました。Scope3についても、最も割合が大きいカテゴリ1を中心に目標を設定し、主要なサプライヤーと購入原材料のカーボンフットプリントの削減に向けた基本方針、削減計画・目標、課題などについて確認し、意見交換を実施するなど、エンゲージメントを進めています。
併せて、CSRD(EU企業サステナビリティ報告指令)およびSSBJ基準(サステナビリティ情報開示基準)への対応に向けて、情報集約範囲の拡充とシステム化を進めています。

外部連携による取り組み

2050年のカーボンニュートラルの実現には、従来とは異なる発想に基づく変革や、非連続的な技術革新が必須であり、企業だけではなく、業界、国、そして社会全体が一丸となって取り組んでいく必要があると考えています。
東レグループは、参画している経済団体や業界団体、国などと議論や対話を重ね、2050年のカーボンニュートラルおよびパリ協定の目標の実現に向けて連携して取り組んでいます。
対話においては、政府から公開される情報の収集や、所管する省庁へのヒアリング、意見交換、提言を通じて、その理解と確認および社内施策への反映を行っています。
また、東レグループの事業に関連する業界団体に参画し、カーボンニュートラルの推進に必要な取り組みについて業界団体として意思統一した上で、政府へ提言を行っています。
さらに、カーボンニュートラルに向けた産官協働の取り組みとして設置されたGXリーグにも参画し、GHG排出量削減目標の設定や削減実績のフォローアップなど、情報の公開を進めています。

参画している主な団体、イニシアチブとその委員会および部会(例)

カーボンニュートラルへの取り組み

カーボンニュートラルへの取り組み

環境負荷の低減(GHG排出量削減ほか)

環境負荷の低減(GHG排出量削減ほか)
  1. ※1 世界各国における再生可能エネルギー等のゼロエミッション電源比率の上昇に合わせて、2030 年度に同等以上のゼロエミッション電源導入を目指す。
  2. ※2 国際的な算定ルールであるGHGプロトコルに則り、経営支配力を乗じて算出。
  3. ※3 2014年度以降に東レグループに加わった会社分を含めて算出。

東レグループは、2019年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、TCFD提言に基づき、2021年4月に「東レグループ TCFDレポート 2021」を発行しました。気候変動における機会とリスクについては、自社だけではなく、サプライチェーンの上流の原料調達から下流の加工、使用、廃棄に至るまでを対象に分析を実施し、その結果を開示しています。
その後、2023年11月に、「東レグループ TCFDレポート Ver.2」を発行し、新たに実施した2040年近傍を対象とした気候変動に関連する主要なリスクの定量的分析結果や、事業活動における気候変動対策の取り組み、社外とのエンゲージメントなどの情報を掲載しました。
さらに、2024年6月には「東レグループ TCFDレポート Ver.2.1」を発行しました。

今後も、東レグループの持続的な成長と気候変動への取り組みを加速させるとともに、TCFD提言に沿った情報開示を積極的に推進します。

TCFDレポートの過去のバージョンはこちらをご覧ください。

  1. GHG排出量:Scope1、2、およびScope3の絶対値、排出強度(原単位)(トン-CO2、原単位)
  1. 移行リスク:移行リスクに脆弱な資産または事業活動の金額と程度(%)
  1. 物理的リスク:物理的リスクに脆弱な資産または事業活動の金額と程度(%)
  1. 気候関連の機会:気候関連の機会と整合した収益、資産、またはその他の事業活動の割合(%)
  1. 資本配分:気候関連のリスクと機会に向けて配分された設備投資、ファイナンス、または投資の額(円)
  1. インターナル・カーボンプライス:組織が内部的に使用したGHG排出量1トン当たりの価格(円/トン-CO2
  1. 報酬:気候考慮事項に関連する役員報酬の割合(%、ウェイト、描写、円)

1991年にスタートした長期経営ビジョン“AP-G2000”では、東レグループが目指す企業イメージのひとつとして「地球環境保護に積極的な役割を果たす企業集団」を掲げました。同年には地球環境研究室を設立し、翌年(1992年)には全社委員会として地球環境委員会を設置するなど、経営陣が地球環境問題に積極的に取り組む姿勢を明らかにしました。
2000年には、東レグループの環境保全に関する中期的目標として、GHG排出量削減目標を含む「環境3カ年計画」を策定し、「第5次環境中期計画」(達成年度:2020年度)まで継続して活動を推進してきました。
2009年には、地球環境事業戦略の全社的な企画・立案と事業化の推進・支援を目的として、社長直轄の組織である地球環境事業戦略推進室(以下、地球環境戦略室)を設立しました。2011年からは、長期経営ビジョン“AP-Growth TORAY 2020”のもと、地球環境戦略室を中心にグリーンイノベーション(GR)事業(現SI事業)の拡大に取り組み、地球環境問題や資源・エネルギー問題に対するソリューションとなる製品・サービスの普及を図ってきました。
そして、近年ますます気候変動などの地球環境問題が深刻化する中、2018年7月には「2050年に向け東レグループが目指す世界」と、その実現に向けた「東レグループの取り組み」および「2030年度に向けた数値目標」を盛り込んだ「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を策定し、その達成に向けた取り組みを推進しています。
2020年5月には2030年度までの長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030”を、2023年3月には2023年度からの3カ年を対象期間とする中期経営課題“プロジェクト AP-G 2025”を発表しました。
その中で、地球環境問題や資源・エネルギー問題の解決に貢献するGR事業と、災害・異常気象対策を含む医療の充実と健康長寿、公衆衛生の普及促進、人の安全に貢献するライフイノベーション(LI)事業を統合し、SI事業と再定義しました。また、地球環境戦略室を経営企画室に統合するなど、SI事業の拡大とサステナビリティへの取り組みの強化を進めました。
SI事業の供給拡大を通じて、東レグループの成長と、バリューチェーンへのCO2削減貢献量拡大など、社会の持続的発展に貢献していきます。

“プロジェクト AP-G 2025”の2025年度サステナビリティ目標、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」の2030年度目標に対する進捗

2013年度
実績
2024年度
実績
2025年度
目標
2030年度
目標
サステナビリティイノベーション事業の売上収益※4 5,624億円 13,689億円
(2.4倍)
16,000億円
(2.8倍)
4.5倍
CO2削減貢献量※5 0.4億トン 11.3倍 15.0倍 25倍
水処理貢献量※6 2,723万トン 2.9倍 2.9倍 3.5倍
生産活動によるGHG排出量の売上高・売上収益原単位※7、9 356トン/億円 203トン/億円
(43%削減※10
40%削減 50%以上削減
日本国内のGHG排出量※8、9 245万トン 176万トン
(28%削減※10
20%削減 40%以上削減
生産活動による用水使用量の売上高・売上収益原単位 14,693トン/億円 9.1千トン/億円
(38%削減※10
40%削減 50%以上削減

相対比はいずれも2013年度比

  1. ※4 ①気候変動対策を加速させる製品、②持続可能な循環型の資源利用と生産に貢献する製品、③安全な水・空気を届け、環境負荷低減に貢献する製品、④医療の充実と公衆衛生の普及促進に貢献する製品。
  2. ※5 製品のバリューチェーンを通じたライフサイクル全体でのCO2排出量削減効果を、日本化学工業協会および国際化学工業協会協議会(ICCA)の化学セクターのガイドラインに従い、東レが独自に算出。
  3. ※6 水処理膜により新たに創出される年間水処理量。各種水処理膜(RO/UF/MBR)毎の1日当たりの造水可能量に売上本数を乗じて算出。
  4. ※7 世界各国における再生可能エネルギーなどのゼロエミッション電源比率の上昇に合わせて、2030年度に同等以上のゼロエミッション電源導入を目指す。
  5. ※8 地球温暖化対策推進法に基づく日本政府の総合計画(2021年10月22日閣議決定)における産業部門割当(絶対量マイナス38%)以上の削減を目指す。
  6. ※9 国際的な算定ルールであるGHGプロトコルに則り、経営支配力を乗じた算定方法に変更。
  7. ※10 基準年度である2013年度の値は、2014年度以降に東レグループに加わった会社分を含めて算出。

カリフォルニア州健康・安全法典Division 26 Part 10 Section 44475.2(California AB1305)に関する情報開示

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