INTERVIEW
軽くて強くて硬い炭素繊維複合材料。
グローバルで
幅広い業界・顧客のニーズに応え、
新規市場を開拓していく。
東レを選んだ理由を教えてください。
就職活動をするにあたって将来について考え、「家族ができる」ということをイメージしました。その中で自分は、「家族に誇れる仕事をしたいな」と漠然と考えるようになりました。その軸で企業選びをしていて、メーカーは自分の仕事が形として残すことができると考えました。メーカーといってもいろいろありますが、自分は幅広い分野にかかわって爪痕を残せる川中・川上の素材メーカーに特に魅力を感じていましたね。
東レは炭素繊維をはじめとする最先端素材を扱っており、これからできることが圧倒的に広がると思ったんです。「ここでなら新しい社会を切り開けるだろう」と強く思ったことが、入社の決め手になりましたね。
炭素繊維とはそもそもどういうものでしょうか?
炭素繊維は、セーターなどに使われるようなアクリル繊維を熱して不純物を飛ばし、炭素含有率を極限まで高めたものです。ダイヤモンドをイメージしてもらうとよいと思います。実際に、鉄の10倍の強度、1/4の軽さを実現しています。
この炭素繊維を樹脂と組み合わせて成形・硬化し、金属より軽くて強い製品としていろいろなところで使われるようになります。複合材料部門はトレカ部門とコンポジット部門の2つに分けられており、トレカ部門は炭素繊維そのものや、炭素繊維に樹脂をしみこませて未硬化状態のものを材料として販売しています。それに対しコンポジット部門は、実際に炭素繊維を樹脂と合わせて硬化させた成形品を販売しています。
自分の担当している炭素繊維トレカ®は、素材開発・営業としてたくさんの業界に携わることができる部門です。お客さんが作りたいものにはどの材料を使えばよいか、お客さんがどう加工するか等も加味して考え、提案していきます。
自身の担当業務について教えてください。
これまでは産業材料部という、航空・スポーツ以外の用途への炭素繊維販売すべてを扱っている部署に所属していました。本当に用途が幅広く、新規開拓も多く行っているところです。採用例を挙げると、代替燃料自動車、EVのモーター関連部品、電線の芯材、建築・船舶用途などがあります。東レの米国子会社であるCMAに駐在していた時は、深海油田の掘削パイプや3Dプリンター用途の新規開拓を自分で行いました。
今は、航空材料部という部署で航空機向けの素材開発・営業を行っています。航空機向けの製品開発は10年などと長い期間を要すことがありますが、自分の今の仕事が新しい航空機の開発につながっていくと思うとかなり感慨深いですし、やりがいがありますね。
印象に残っている仕事はどのようなものですか?
先ほど述べた、CMA駐在時に行った深海油田の掘削パイプの新規開拓案件です。この用途での量産規模の販売は今までなかったのですが、2028年までの価格と供給を決め、自分の手で事業を形作ることに成功しました。
その中で、炭素繊維に組み合わせる樹脂として、当時あまり浸透していなかった熱可塑性樹脂というものを使いたい、という要望がお客さんからあったんです。熱可塑性樹脂に合う炭素繊維の開発を行う必要があり、当初は樹脂と炭素繊維がうまくくっつかないなど思い通りにいかず大変なこともありました。ですが、技術と一緒に粘り強く開発・試験を繰り返し、最終的に採用までたどり着くことができました。規模の大きな仕事を一から最後までプロデュースして形にすることができ、とてもいい経験ができたなと感じています。まさに「ものづくりのプロデューサー」を実感できましたね。
今後のキャリアについてどう考えていますか?
今は産業用途から航空用途に担当が変わったところなので、航空用途の分野でも一花咲かせたいですね。次世代の航空機、例えば大型旅客機や空飛ぶクルマなど、開発期間がとても長いので、形にならないにしてもその道筋を作るところまでできればいいな、と思っています。
あとは、炭素繊維は国内に比べグローバル市場の割合が大きいので、また海外の現場で海外のお客さんと更に新しい製品や用途・市場を創っていきたいです。SDGsや排ガス規制などの注目度が増していて、炭素繊維の需要や社会における役割がさらに増えると考えているので、それをものにしていきたいです。
アメリカ駐在時と現在のワークライフバランスについて教えてください。
アメリカにいた時に結婚し、子どもが生まれました。そのため、晩ご飯前には絶対に帰り、家族みんなでご飯を食べる、ということは欠かさずやっていましたね。保育園の送り迎えもしていました。日本との会議が時差の関係で夕方~夜になることがあったので、そこは臨機応変に自宅で対応していました。
日本でも、定時退社をして、家族でご飯を食べるということができていますね。もちろん保育園の送り迎えもです。それは上司や職場の理解がすごくあるからだと思います。
東レに向いている方とは?
ものづくりに携わることに情熱と誇りを持てる人、あとは、人と人とのつながりで仕事をするので、技術・顧客を巻き込み、一緒に何かを成し遂げることができるコミュニケーション力のある人が向いていると思います。東レでは営業が事業に一貫して携わるという特徴があるので、たくさんの人を巻き込んでいける力は本当に大切だと日々感じています。
「グローバルに活躍したい」と思っている人にとってもすごくいい環境だと思いますね。東レでは日本のみならず、グローバルに影響力のある仕事ができます。
スケジュールSCHEDULE
PRIVATE
CMA駐在時代には休暇を使って家族と積極的に米国内旅行をしていました。写真はユタ州ザイオン国立公園でトレッキングをしていたときのものです。