「共創によってスポーツの未来を切り拓く」
東レ×サニブラウンがともに進める、次世代育成

グローバルパートナーシップを結んでから1年半の間、サニブラウン選手と東レはさまざまな取り組みを一緒に進めてきた。サニブラウン選手が主宰し、東レが共同企画、支援する次世代育成のための大会「DAWN GAMES」もその一つ。
小中高生を対象にした短距離走の大会で、前身の「サニブラウン スピードトライアル」(2023年開催)から大きくバージョンアップ。より多くの子どもたちにチャレンジの機会を与えられるよう、規模を拡大したのに加え、レースの他にスペシャルクリニックや東レとのコラボレーションプログラムなども実施し、トップアスリートを目指す次世代を全力で後押しする1日となった。

トップアスリートと子どもたちが一緒に汗を流す

2024年10月13日、AGFフィールド(東京・調布市)で、「DAWN GAMES FINAL Powered by TORAY」」が開催された。会場に集まったのは、小学生から高校生まで約70名の子どもたち。普段、部活動やクラブチームで陸上競技に取り組む彼らにとって、トップアスリートは憧れの存在であり、なりたい姿そのものだ。MCのコールに合わせてサニブラウン選手が登場すると、未来のアスリートたちの瞳がいっそう輝いた。

最初のイベントは、速く走れるようになる身体づくりのためのスペシャルクリニック。トレーナーの指導のもと、サニブラウン選手に加え、パリオリンピックで活躍した走り幅跳びの橋岡優輝選手も登場し、一緒にトレーニングに取り組んだ。徐々に難度を増すトレーニングに、負けじと食らいついていく子どもたち。ペアになって行う体幹トレーニングでは、2人の選手に向かって、子どもたちが次々と挑んでいく場面も見られた。

体を十分にほぐした後、いよいよメインイベントであるレースへ。2024年6月に東日本・西日本で実施した予選会を勝ち抜いた45名が緊張した面持ちでトラックにスタンバイする。

「皆さんが目の前で競技する姿を見ると、自分もエネルギーをもらえます」というサニブラウン選手の言葉に背中を押されるように、各年代の選手たちが100mを全力で駆け抜ける。解説席からレースを見守るサニブラウン選手は「ものすごくいいスタートでした」「追い風の中いい走りをしてくれて、自分も走りたくなります」などとコメントを交えながら、笑顔で声援を送った。

「陸上を楽しみたい」という人を広くサポートする

またこの日は、東レも次世代のアスリートを応援するプログラムを企画。まずは、パラレースの開催。 8名の義足のランナーが参加し、大声援の中、トラックを駆け抜けた。

昨年の「サニブラウン スピードトライアル」に続き、今回のパラレースに出場した大腿義足のランナー・齋藤暖太くんは、サニブラウン選手の出身校でもある陸上強豪校に通う高校2年生。普段は陸上部で、健常者の先輩や仲間とともに練習に励んでいるという。

「昨年に比べて体が大きくなり、タイムも1秒近く縮まりました。陸上部の仲間は自分より速い選手ばかりなので、そのスピードに引っ張られる形で、自分も成長できていると思っています」と話す齋藤くん。目標は、サニブラウン選手のようなダイナミックな走り。「スプリント力をもっと上げて、2028年のロサンゼルスパラリンピックに出場したいです」と、叶えたい夢も語ってくれた。

さらにこの日は、東レとパラアスリート用義足を共同開発する株式会社Xiborgも参加。会場では、東レのカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)を使用したスポーツ用義足も展示された。Xiborg代表取締役となる遠藤謙 氏は、もっと安価で性能が良いスポーツ用義足を普及させることで、健常者とパラアスリートの垣根をなくしていきたいと言う。「今はパラの大会と健常者のための大会が分かれていますが、パラアスリートたちは、“パラ陸上” ではなく、“陸上競技” に取り組んでいる意識なので、パラスポーツに興味がある人だけではなく、陸上が好きな人にも、ぜひ見に来てもらいたいですね。そして、パラと陸上が融合するユニバーサルな環境をめざしていきたいと考えています」(遠藤さん)

スポーツ用義足の展示ブースにて。(写真左から)橋岡選手、Xiborg 遠藤謙さん、サニブラウン選手

体験ブースも設置され、実際に体験に訪れる陸上ファンの姿も見られた。Xiborg社ではトップアスリート向けの義足だけでなく、一般義足使用者が気軽に走るための義足なども開発している。これは、より多くの人に陸上を楽しんでほしいという思いから。陸上もパラ陸上も垣根なく、広く間口を広げていくために東レとXiborgは共創を続けていく。

また、サニブラウン選手と共同で開発に取り組んだ高機能ウェアも展示された。

陸上競技は0.01秒を争う競技であり、ウェアやシューズの選択が、パフォーマンスに大きく影響を与える。
サニブラウン選手と東レの素材開発チームによるトークショーでは、クイズや選手の体験をまじえながら、陸上競技におけるウェア素材の重要性と、共同開発したウェアの機能性について解説した。

東レの速乾生地を使用したスポーツウェアを愛用しているサニブラウン選手は、「汗をバッと広げてくれるのでTシャツが重くならないし、走っている時もストレスになりません。トップアスリートを目指す皆さんには、ぜひウェアのことも知っていただきたいです」と、子どもたちに、語りかけた。

サニブラウン選手が描くパートナーシップの「未來」

2023年に、東レとグローバルパートナーシップ契約を結んだサニブラウン選手。この1年半の間、東レが企画する、次世代の子どもたちにサイエンスの楽しさを伝える教育プロジェクト「青空サイエンス教室」への参加や、ウェアの共同開発プロジェクトなど、さまざまな取り組みを一緒に行ってきた。東レとのパートナーシップへの思いを、サニブラウン選手はこのように語る。

――サニブラウン選手

「子どもたちと触れ合ったり、素材開発の現場を訪れたり、競技をしているだけでは得られない経験ができています。スポーツを通した社会貢献も、東レとならより大きなものにしていけるはず。これからも、共創しながらいいものを作っていけたらと思います」

今回の「DAWN GAMES」も、サニブラウン選手の言う“共創” の一部だ。

「今年はレースだけではなく、クリニックや東レと開発したウェアの紹介などもプログラムに盛り込みました。次世代の育成は一つの目的ですが、それだけではなく走ることをもっと好きになってもらいたいという思いがあります。そのためにも、もっと間口を広げて陸上に取り組んでいる子に限らず、我こそはと思う人は誰でも参加できる大会にしていきたいですね。子どもたちには、練習を頑張るのはもちろんですが、普段から色々なものを自分の目で見て、肌で感じて、可能性を試してみてほしい。今日みたいに東レの素材に触れてみたりするのも大切な経験。そういう機会を作っていくことも、僕のようなアスリートの役割だと考えています」

アメリカの大学教育に触れたことがきっかけで、より大きな世界を見てみたいという気持ちが芽生えたというサニブラウン選手。東レとの今後の共創についても、視野を広げて考えているという。

「アメリカの大学では、専攻分野の勉強にとどまらず、人としての成長を促すようなカリキュラムが用意されています。日本のアスリートも、もっと色々なことを学び、競技以外の知識やスキルを身につけたっていい。そういう機会も、東レとなら一緒に作っていけるのではないかと期待しています」

イベントを通して、さまざまな「未来の形」を見せてくれたサニブラウン選手。アスリートとしては、どのような未来を描いているのだろうか? パリオリンピックを終えた今、その焦点はすでに2025年の世界陸上競技選手権大会に移っているという。東京で世界陸上が開催されるのは、実に34年ぶりだ。

「自国で走る姿を見ていただける機会はなかなかありません。東京オリンピックは無観客の状態だったので、今度こそいつも応援してくださる皆さんの前で、いいパフォーマンスを披露したいと思っています。 僕の走りを見ることが、皆さんの元気やモチベーションにつながったらうれしいですね」

イベント当日の様子&サニブラウン選手の
スペシャルインタビューの収録動画を公開しています!

次世代を育む共創イベント&選手スペシャルインタビュー

サニブラウン×東レ 次世代を育む共創イベント&選手スペシャルインタビュー