持続可能な社会を目指して

地球温暖化、水不足、大気汚染、化石資源枯渇など、私たちを取り巻く地球環境問題は喫緊に解決しなければならない世界規模での共通課題です。東レは、クリーンエネルギー社会の実現や、リサイクル、バイオマス、CO2分離膜技術などが支える循環型社会の実現を目指し、「サステナビリティイノベーション事業」の拡大を推進しています。

クリーンエネルギー社会の実現

東レはグループの総合力を結集し、発電・電池関連材料や水素活用技術の研究・技術開発を推進し、化石燃料に頼らないクリーンエネルギー活用促進に貢献しています。
風力発電ではブレード用炭素繊維を事業化、リチウムイオン電池ではセパレータフィルムを事業化しています。また、水素製造・輸送・貯蔵・利用などさまざまな用途に向けた材料の研究・技術開発を行い、燃料電池自動車関連では、その核心部材であるカーボンペーパー(CP)・ガス拡散層(GDL)、触媒層付き電解質(CCM)やこれらを複合化した膜電極接合体(MEA)、水素タンク(炭素繊維、ライナー樹脂)などの事業化、事業拡大に取り組んでいます。

クリーンエネルギーの活用促進に貢献する東レの取り組み

風力発電ブレード(Zoltek社製炭素繊維使用)
水電解装置(NEDO実証試験で活用)
水素・燃料電池用部材を開発・製造・販売するGreenerity社の新工場完成予想図
(ドイツ・バイエルン州)

リサイクル、バイオ、分離膜技術などが支える循環型社会の実現

東レグループは、プラスチック製品のリサイクル・バイオ化のほか、使用するエネルギーの再エネ化・水素化、水の再利用などさまざまな技術により循環型社会の実現を目指し、CO2排出削減に寄与しています。
リサイクルでは、異物を除去するフィルタリング技術と洗浄技術で、回収PETボトル原料から多様な品種展開を可能とし、東レ独自のトレーサビリティ機能も付与した再生型リサイクル繊維ブランド「&+™(アンドプラス)」を立ち上げました。主要材料のリサイクル原料、バイオ原料の適用に取り組んでおり、植物由来100%バイオPETについてはスポーツ衣料や自動車内装向けを中心に、2020年代のできるだけ早い時期での量産を目指しています。バイオマス原料を用い、糖化、発酵、精製のプロセスに水処理用分離膜を使用する「膜利用バイオプロセス」の開発では、植物由来原料の高効率生産を推進しています。

循環型社会の実現に向けた東レの取り組み

リサイクル繊維ブランド「&+™(アンドプラス)」

膜利用糖化プロセス

Cellulosic Biomass Technology社の膜利用糖化プラント(タイ)