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フッ素繊維「トヨフロン®」低摩擦・高摺動耐久テキスタイルの開発について
~長寿命化による環境負荷軽減を実現~

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2022.03.02

東レ株式会社


 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、低摩擦素材であるフッ素繊維トヨフロン®と高強度繊維を組み合わせることで、優れた摺動耐久性を持つ低摩擦・高摺動耐久テキスタイルを開発しました。 
 本テキスタイルは、フッ素樹脂の持つ優れた低摩擦性を保持しつつ、従来の当社の低摩擦・高摺動耐久テキスタイルに比べて25倍以上(*注)の摺動耐久性を持つため、摺動材のメンテナンスコストの軽減や長寿命化を可能とします。 
 今後、この特徴を活かして、各種産業用機械や工場設備、自動車関連部材、ベアリング等に用途展開を拡大します。 
 (*注:当社試験法による。以下同じ。) 
 
 フッ素繊維トヨフロン®は、低摩擦性、かつ耐熱性・耐薬品性に優れたPTFE樹脂(フッ素樹脂)を主原料とした繊維です。当社は、高度な紡糸技術により、繊維化が困難と言われるPTFE樹脂の特性を維持しつつ、均一かつ高品質な長繊維を生産しています。トヨフロン®は化学繊維の中で最高レベルの安定した低摩擦性を有し、自動車や産業用機械など様々な分野の摺動材として使われています。 

 本テキスタイルは、摩擦時において、トヨフロン®の摩耗粉が均一に高強度繊維に移着することで低摩擦界面を形成するとともに、骨格となる高強度繊維がトヨフロン®の過度な摩耗を抑制します。その結果、当社の従来の低摩擦・高摺動耐久テキスタイルに比べて、25倍以上(*注)の摺動耐久性の向上に加え、50%以上(*注)の低摩擦化を実現しました。 
 新たな低摩擦・高摺動耐久テキスタイルを用いることで、従来品の持つ小型化・軽量化の利点に加え、高面圧化による摺動部の面積削減が見込まれます。また、摺動耐久性が向上したことで、より過酷な条件下での長時間使用が可能となるとともに、オイルフリーによるメンテナンスコストの軽減や長寿命化による交換頻度の削減を通じて、省資源や環境負荷低減についても貢献します。 
 当社はこの低摩擦・高摺動耐久テキスタイルの開発・販売を推進することで、産業分野の高度化並びにサステナブル実現に向けた取り組みを進めてまいります。
【トヨフロン®製品イメージ 】

 東レは今後もより豊かな社会の実現に向け、革新技術・先端材料を提供し、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んでまいります。 
 なお東レは、3月16日から東京ビッグサイトで開催される「第26回機械要素技術展」に出展し、上記開発品を展示する予定です。 
 
 詳細については下記の通りです。 
 
 

1.素材名称 : トヨフロン® 低摩擦・高摺動耐久テキスタイル

2.商品特長 : 
(1)優れた摺動耐久性 (当社従来品比25倍以上)。
(2)化学繊維で最高レベルの低摩擦性 (当社従来品比50%以下)。
(3)メンテナンスコストの軽減や長寿命化による資源節約。
 
3.技術概要 :
(1)低摩擦素材であるフッ素繊維トヨフロン®と高強度繊維が均一に分散した構造。
(2)摩擦時にトヨフロン®の摩耗粉が均一に高強度繊維に移着し、低摩擦界面を形成。
(3)高強度繊維が骨格となってトヨフロン®の過度な摩耗を抑制する事で、 摺動耐久性を向上させつつ低摩擦化するに成功。
4.販売計画 
(1)販売時期 : 2022年3月~
(2)展開用途 : 機械装置等を滑らせながら高圧下で動かす部品に用いる摺動材
(各種産業用機械、工場設備、自動車関連部材、ベアリング等)
 
5.摺動耐久試験結果 

6.「第26回機械要素技術展」について 
(1)日程:3/16(水)~3/18(金)
(2)場所:東京ビッグサイト(西1ホール ブース番号:2-70)
(3)主な出展製品:
A.トヨフロン®:耐熱性・耐薬品性・低摩擦性・絶縁性に優れたフッ素 (PTFE) 樹脂の 特長を持つ高機能繊維。
(4)展示会ウェブサイト : https://www.japan-mfg.jp/ja-jp/about/mtech.html

<ご参考>
トヨフロン®ウェブサイト : https://www.toray.jp/mf/product/toyoflon/


 
以  上