さらっとしなやかな触感を持つ新感覚テキスタイル「Qticle™」の開発

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2021.11.29

東レ株式会社


 東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、このたび、髪やウールの構造をポリエステル繊維で再構築し、さらっとしなやかな質感と機能性を併せ持つポリエステル長繊維テキスタイル「Qticle™(キューティクル)」を開発しました。
 メンズ・レディス用、アウター向けのカジュアルな中厚地織物からカットソー素材までアイテムを幅広く揃え、国内外のハイエンドゾーンに向けて、ファッションの自由度や可能性を広げるテキスタイルとしてご提案します。2023年春夏シーズン向けからの販売を予定しており、2022年度 20万m、2025年度 50万mの販売を目標とします。
 
 髪やウールは幾層ものタンパク質から成り、その性質や構造により、ほどよい弾力性や艶感などの特長があります。
 Qticle™は、この特長を機能性に優れたポリエステルで実現するため、複合紡糸技術NANODESIGN®(ナノデザイン)を駆使することで、極薄外殻層を有した偏心構造原糸※1を設計し、さらに捲縮構造や繊維表面に微細な凹凸を付与する繊維加工技術を融合した、バイオミメティクス(生物模倣)テキスタイルです。
 これらの技術により、感性面ではナチュラルで、艶やかな深みのある発色と、さらっとしなやかな気持ち良い触り心地を、機能性面では弾力のあるストレッチ性が快適な着心地と、イージーケア性を実現しました。
 
Qticle™生地外観写真

 
 また、今後は構成するポリマーをリサイクル原料にした品種をラインナップに取り揃え、サステナビリティへの要求にも対応していきます。

 新型コロナウイルスという全世界的な脅威を経験した後の世界では、ファッションにおいても、自然を支配・搾取する対象として扱うのではなく、エシカル消費やヴィーガニズムのように、自然の価値を認め自然から学ぶ姿勢が重要になっています。
 これまでも行ってきた、天然素材が持つ特長を科学的に再構築する研究・技術開発で、ファッションの可能性を極限まで追求してまいります。

 東レは今後も革新技術・先端材料の提供によって、人々のライフスタイルの多様化に応え、豊かな生活の実現に貢献してまいります。

 製品の詳細については下記の通りです。
 

1.素材名称 : Qticle™(キューティクル)
2.商品特長 : 
(1)ナチュラルで、艶やかな深みのある発色性
(2)さらっとしなやかな風合い
(3)弾力のあるストレッチ性による心地よい着心地、イージーケア性
(4)機能性薬剤の効果がより顕著で、長持ちする高機能耐久性
3.技術概要 :
(1)複合紡糸技術NANODESIGN®による極薄外殻層を有する偏心構造原糸
(2)特殊な糸加工技術により繊維長手方向のランダムな太さや捲縮構造を発現
(3)繊維の極薄外殻層に特殊加工を施し、表面に微細な凹凸を形成
4.発売時期 : 2023年春夏シーズン向けより販売開始
5.販売計画 : 
(1)数量 : 2022年度 20万m、2025年度 50万m
(2)展開用途 : メンズ・レディス用 アウター、シャツ、ブラウス、カットソー等


<「Qticle™」について>
【テキスタイル表面】 
 【加工糸側面】
【原糸断面】 

2種類のポリマーから成る偏心構造であって、
その外殻は片方のポリマーで覆われている。
 【ブランドロゴ】


※1 偏心構造原糸
繊維横断面において、2種のポリマーで構成されており、かつそれぞれのポリマーの断面重心点が異なった構造を有する繊維。


<ご参考>
東レ 複合紡糸技術「NANODESIGN®」 ウェブサイト https://www.nanodesign.toray/
東レ ポリマーからファッションを考える「senbism®」ウェブサイト https://www.senbism.toray/

 
以  上