東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)と株式会社ジョリーグッド(本社:東京都中央区、代表取締役:上路健介、以下「ジョリーグッド」)はこのたび共同で、東レが製造販売する発作性心房細動治療を目的としたSATAKE・HotBalloon®カテーテル※1(以下 「HotBalloon™」)の手技を高精細バーチャル・リアリティ(以下「VR」)化した「HotBalloon™手技体験VR -HotBalloon™ Ablation: A VR Tour-」(以下「本VRコンテンツ」)を開発しました。
本VRコンテンツは、HotBalloon™の手技をVR化することで、それを見る受講者が実際の手技を医師の真横で見ているような臨場感で、いつでも・どこでも・何度でも繰り返し体験学習することが可能です。そのため、本来の認定医師の施設(以下「認定施設」)での手技見学を補完する役割を担いながら、遠隔操作によりフレキシブルな学習機会を創出し、受講者の理解度と学習速度の向上に寄与します。2021年3月から、医師・コメディカルの方々に向けてサービスとコンテンツの提供を開始します。
開発の背景
心房細動は日本では72万人の患者がいるとされており※2、その治療は一般的には、X線透視下で心臓内の治療部位をイメージしながらカテーテル治療器具を体内に挿入するため、高度な操作技術が必要です。そのため機器を使用する医師やコメディカルの方々に向けた手技見学等を実施しますが、現在はCOVID-19感染拡大の影響により、現行の認定施設見学の運用継続が難しい状況にあり、医療現場では医師の移動を伴わない、臨床現場での人の密状態を避ける見学ツールの開発が早急に必要とされています。
東レとジョリーグッドはこのような医療現場の声を受け、学校法人獨協学園獨協医科大学埼玉医療センター(埼玉県越谷市、病院長:奥田 泰久)にて、HotBalloon™手技の知見が豊富である中原志朗准教授(以下、「中原医師」)が実際に手術を行う様子を撮影し、中原医師の監修のもと、360°の臨床体験VR を制作しました。
VRコンテンツの特徴
本VRコンテンツは、ジョリーグッドが提供するVR臨床教育プラットフォーム「オペクラウドVR®」※3と遠隔実習機能「多接続リモートVR臨床システム」(以下「本遠隔VRシステム」)を活用し、講師(認定医師等)と受講者(見学希望医師・若手医師等)が一箇所に集まることなく、受講者それぞれが360°視野で一斉に臨床体験・学習できる次世代型の医療教育ならびに医療手技講習を可能にしています。
本遠隔VRシステムは、講師は注視してほしいポイントをタブレット上に描画することで、受講者のVR 内での視線を誘導することが可能です。これにより、講師と受講者が同じ画像を共有し、リアルタイムに解説と質疑応答を行うといったスムーズなリモートVR 講習が行えます。本遠隔VRシステムを活用した手技見学や臨床実習は、離れた場所にいる受講者らが実際の臨床現場に立ち会っているかのようなバーチャル講習を実現します。